›6 19, 2008
エンジェル投資家
エンジェル投資家とは直訳すると天使の投資家だが、意味としては創業間もないベンチャー企業に対し、個人として出資する株主のことである。
資金調達手段の乏しいベンチャー企業にとっては天使的存在である。
エンジェル投資家に対しては各国優遇処置(投資額の一定比率を税額控除など)があり、エンジェル投資家は事業のビジョンや使命、事業計画に共感して投資を行う。金融商品としてはハイリスクハイリターンである。
日本では、エンジエル投資というのはまだまだ規模が小さい。
「ベンチャー企業の創出・成長に関する研究会 最終報告書」によると、エンジェル投資家は高額所得者や資産家に限られず、平均的には年収1000万円程度、純資産1億円以下のアッパー・ミドルクラスの人々らしい。
自分が米国でエンジェル投資家の会を見学した際は、みすぼらしい格好のエンジェル投資家に対して創業間もないベンチャーが必死でアピールをしていた。100社を超えるベンチャーが集まり、短い時間でアピールをし、その後エンジェル投資家が個別に経営者と対話するスタイルだった。
このような会が米国ではいたるところで、しょっちゅう開かれていると聞いた。
日本ではそういった話は自分は聞いた事がない。(活動はしているらしいが)
電線ケーブル・光ファイバ産業
「ものづくり白書2008」によると、電線ケーブル・光ファイバ産業というのはどうやら設備産業らしい。出荷量の4割以上をビル・住宅分野が占めている。当然のように需要は中国がダントツで成長率も著しい。日本は長期的に減少傾向である。
そのようなことから企業グループを超えた事業統合が進んでいるとのことである。
・電力用電線分野
住友電工+日立電線
古川電工+フジクラ
三菱電線+昭和電線
・ビル・住宅用電線分野
住友+日立+タツタ電線
フジクラ+三菱電線
›6 20, 2008
擬似資本
中小企業白書によると、「我が国の中小企業金融の特徴として、金融機関からの借入金の一部は借換え等により、実質的に返済資金を調達する必要がなく、中小企業にとって資本的性格を有する資金と認識されており、中小企業の自己資本を補完しているといわれている。」
擬似資本とは、借入のうち金融機関からの借換え等により、事実上返済資金を調達する必要がない部分を指す。
「本来は、企業が「資本」として備えていなければならないにもかかわらず、金融機関からの借入によってまかなっており、事業キャッシュフローからの返済が困難な性質のもの」
と書かれている。
金融機関にとっては、金利収益があり、経営陣にとっては新たなる資金調達が必要なくなるが、長期的に考えればデメリットの方が大きいのではないか。
金融機関にとっては、将来元本の回収可能性の変動がありうるし、経営陣にとっては返せるときに返して自己資本で充実させるべきだが、中小企業経営者には「借りた金は返さない(金利だけ払う)」というのが常識になってしまっているところがあるのかもしれない。
もっとも、中小企業においては所有と経営が分離されておらず、経営者兼オーナーは給与所得として報酬を取り、企業としては利益を出さず株式配当も出さないところがほとんどなのではなかろうか。
過酷な競争下のFPD産業と展望
FPDの大型液晶パネル(4G以上)の市場規模は5兆円を超えるが、1ライン投資額は1000~5000億円かかる。日本は技術で先行したが、小型パネル向けで古い設備を抱えることになってしまい、現在の日本企業シェアは10%以下に落ち込んだ。
大型液晶パネル市場シェアは、サムソン、LG Philipsと韓国だけで45%にもなるシェアを取り、続いてAUO、CMOと台湾が30%のシェアを取る。ようやくその次に日本のシャープが来るといった状況だ。
液晶パネルラインも太陽電池のように、外製の装置産業であり投資能力を考えると日本はどうしても弱くなってしまうと思われる。現に90年代後半から日本企業のシェアは60%から10%に低下したと言われる。
プロダクトライフサイクルで初期の儲からない段階でシェアを取り、成長期、成熟期で後発の新興国が急激に追い上げてくるというパターンだ。
ノートPCの生産は、自社で部品を調達し組み立てる方式から、OEMによって組立まで行うようになり垂直統合から水平分散が加速された。現在ではノートPCは80%以上が台湾ODMメーカー(Quanta、Compal、Wistron等)によるOEM生産である。「EMS/ODMの台頭」参照。
InnoluxなんかはHonHai(Foxconn)グループであり、パネル生産も手がけている。
台湾企業が台頭したのは、日本からの技術移転がきっかけである。三菱電機がCPT、東芝がHannStar、IBMがAcer、富士通がCMO、シャープがQuanta、富士通がAUOといったよう日本企業が業績悪化(98年度は総合電気5社が赤字計上)から設備投資が抑制される中、拡大する市場に対応するために提携していった。
台湾企業は日本の企業の業績悪化でリストラを断行しているのを機会と捉え、積極的に設備投資を行った。これには台湾政府の優遇税制の後押し、専業特化の大胆な投資、日本が既に確立した研究開発結果と実績を利用できるという多大なメリットがあったと思う。さらにデジタル製品の水平分業化が加速された。
ところでFPD業界とりわけ液晶テレビ業界は製品ライフサイクルのどこに位置しているのだろうか。先進国の地上波デジタル化が数年間で実施され、その後は成熟期を通り越して一気に衰退期に向かうと思うが、他方圧倒的な人口の新興国の薄型テレビニーズがある。新興国にとってはまだ成長期に入ったばかりだと思うので、全体としては成長期後半ではないかと思う。
そう考えると、ここ2、3年でさらに業界の再編が加速し集約されていくのではないかと思う。価格の下落はその間さらに進むだろう。プラズマ、有機EL、SEDと他のFPDに関しては、プラズマが大型用途というメリットは薄れ、省エネという観点からも松下一極体制という点からも非常に不利と思う。有機ELもLCDを置き換えるには価格と製造工程からして不可能であり、差別化商品としてニッチに展開されると思う。SEDに関しては最近では話題さえも聞かなくなった感があり、市場に出るのかも疑わしいのではないだろうか。
›6 24, 2008
画像処理市場
画像処理市場が成長しているようである。ここでいう画像処理とは主に外観検査であり、人間の目視に変わる機械・ソフト・システムのことを指す。
例えば、電子部品、自動車部品と世の中に大量に出る電化製品、自動車、医薬品などは、製造の過程で不良を識別するため、多くの人員が目視で検査している。国内では検査員を集めるのが容易でない(老眼では検査できないので若い人が必要といわれる)が、海外(とりわけ中国)では10代の労働者が大量に目視で検査しているのが一般的だ。(組立も人がやっているのだが)
このような分野はFA(Factory Automation)分野と言われるが、にわかに注目を浴びているのは、部品が微細化してきており目視では検査できず、顕微鏡を使うにしても大量に必要でコストが掛かるという点、人件費が向上している点、外観検査装置が安くなってきている点、外観検査の機能が向上している点、人の検査では品質が一定にならない点などが上げられる。
そもそも検査なので付加価値を産まない工程ではあるが、部品等の製造には欠かせない工程でもあるため、有る程度の投資が必要という認識が生まれてきたのかもしれない。これまでも外観検査導入を試みた企業は多いようだが、多品種少量生産の時代になり、検査装置導入よりも人のほうが手っ取り早く、段取り代えも楽だったために導入が進まなかったのかもしれない。
PCB(print circuit board)や半導体分野では、そもそも人の目視の能力では限界であり、早い段階で画像検査装置が導入されていた。
最近で画像処理分野が盛り上がる背景のコストの安さ、機能の向上に関しては、PC(パソコン)の価格が劇的に下がり、処理能力が劇的に向上したことが大きいと思う。また、画像処理アルゴリズムも向上され、市場が形成されたことにより、これまで自社開発していた画像処理ライブラリ(アルゴリズム)が、特化した企業から買えばシステムを構築することができるようになったことも大きいと思う。これはIT(SI)業界の発展と同じで、システムエンジニアはプログラム能力やハードウェア知識よりも顧客の業務知識が重要になったのと同じ現象に思える。
他の画像処理市場では、車載(ITS)分野やセキュリティ分野が注目される。これらも価格下落と機能向上が利用価値を生み出している。
