›9 26, 2011

窮鳥懐に入る

Posted by skillstorage at 01:32 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

窮鳥(きゅうちょう)とは、追い詰められ逃げ場を失った鳥のことである。
このような鳥が追い詰められて猟師の懐に入れば、鳥を捕らえようとしていた猟師でさえその鳥を殺さず助けてやろうするという。

これは中国の古い諺であり、あまり使われない諺ではあるが心にとても響く。

苦しくて、どうにもならないような状況に追い込まれたとき、この猟師のように暖かい懐で助けてもらうことが現代だってあるのだ。
メリットなんて無いのに、何故助けてくれるのだろう。

きっとそれは人間に備わった善意なのだろう。人間は性善説の考えで、人のため、世のため、自己の犠牲をもってでも困っている人を助けたいという気持ちがあると思う。
絶体絶命の時に助けられたことがある人は多い。苦しいときでも必死になってもがく姿は、人を惹きつけるのではないか。

逆の立場なら、どうか親身になって人を助けてあげよう。

›9 22, 2011

不眠症・早朝覚醒

Posted by skillstorage at 05:06 / Category: 健康法 / 0 Comments

睡眠時間が8時間以上必要だという人もいれば、睡眠時間が4時間程度のショートスリーパーもいる。
睡眠の状態はiPhoneアプリ(Sleep Cycle等)や市販品で簡単に計測できるようになった。仕組みとしては、寝ているときの寝返りや動きなどを計測するのであるが、睡眠が浅いときにはよく体が動くという訳だ。これがグラフになるのでわかりやすい。人間は深い睡眠と浅い睡眠を繰り返している。浅い眠りはレム睡眠で、夢を見やすく、この睡眠時間は寝起きが良いのだ。

多くの人が睡眠に対する悩みを抱えている。忙しい社会生活の中で睡眠時間を削ったり、ストレスなどで不眠症にかかる人もまた多いのだ。
不眠症にも種類があり、夜寝付けない入眠困難タイプ、朝方早くに目が覚める早朝覚醒タイプなどがある。夜に覚醒して昼間が眠いという人も多い。

不眠症により十分な睡眠が取れないと、体調や精神状態に悪影響を及ぼす。

不眠症には5Pと呼ばれる以下の5つの要因がある。
身体的要因 (physical)
生理学的要因 (physiological)
心理的要因 (psychological)
精神医学的要因 (psychiatric)
薬理学的要因 (pharmacological)

近年増加しているのは、心理的要因であるストレスや精神医学的な要因である「うつ病」や「統合失調症」であり、メンタルヘルス・クリニックは連日混雑している。

これまでの不眠症に対する対策は簡単にできる非薬物療法が多かった。
例えば、寝る数時間前からは部屋を暗く、静かにするでるとか、夜はコーヒーなどカフェインを取らないといったことだ。

しかし、うつ病など精神障害が原因の不眠症には、医師の診断を仰ぎ、薬物療法で早期に対策をすべきだ。
睡眠導入剤のマイスリーや睡眠薬のハルシオンなど、効果の高い薬物は多いのだ。


›9 21, 2011

中毒者たち

Posted by skillstorage at 03:35 / Category: 健康法 / 0 Comments

普段の生活ではあまり関わりがない「xx中毒者」が実は結構いるのでないか。
ギャンブル中毒、風俗中毒、アルコール中毒、買い物中毒など。趣味の域を超えた中毒者たちである。

高報酬のダブルワーク(副業)、風俗や水商売の仕事には、魑魅魍魎の中毒者たちが仕事をしている。
何かに中毒になるほどのめり込み、脱することができず、多額の借金をつくり、返済のためにやむを得ずやりたくない仕事をしている連中である。

このような職場で働く人は2種類に分かれるという。
上記のような中毒者たち、そして会社の倒産や離婚など何らかの事情で借金を作った人たちだ。

後者の連中は、借金返済が目的なので比較的短期に通常の生活に社会復帰していくという。
しかし中毒者たちは、その中毒症状から足を洗うことができず、金が溜まったらまた使い、足りなくなったら借金をするという習慣が身についてしまっていて抜け出せなくなるという。

それにもかかわらず、絶望を感じたりして自殺するような連中でも無いようなのだ。
そこには生きがいがあるからなのだろう。

何ものめり込むことができず人生を終わるよりも、彼らは中毒にハマったまま突き抜けた人生を送る合理的な選択をしているだけなのかもしれない。

›9 16, 2011

セロトニンを意識しよう

Posted by skillstorage at 04:50 / Category: 健康法 / 0 Comments

橘玲が「セロトニンで出世する方法」という記事を書いていた。その中でこのような記載がある。

アメリカの脳科学者がベルベットモンキーの集団を調査したところ、ボスザル(アルファオス)は他のオスより2倍もセロトニンのレベルが高いことがわかりました。さらには、ボスの地位を失ったオスはセロトニンのレベルが低下し、うずくまって身体を揺らし、エサを食べなくなって、どこから見ても抑うつ状態の人間と同じようになってしまいました。
次に彼らは、群れからボスザルを隔離し、適当に選んだサルに抗うつ剤を処方してみました。すると驚いたことに、常にそのサルがボスになったのです。

セロトニンの重要性に関しては、これまでも何度も書いてきた。
薬に頼らずともセロトニンの分泌を向上させることはできる。
・朝日光を浴びる
・ガムを噛む、ウォーキングをするなどリズム運動を行う
・瞑想や自律訓練法を行う

このような方法があるが、効果が高いのはやはり抗鬱剤だ。上記記事ではプロザックが取り上げられている。
プロザックは日本では非認可のため処方されることは無いが、海外からの取り寄せることはできる。

このプロザックは米国で爆発的な人気があり、2000万人以上のユーザーがいるといわれている。米国映画を見ていても、リストラや失業者がプロザックを飲むシーンが良く出てくる程有名な薬なのだ。
日本では、90年代から「人格改造マニュアル」で紹介され知名度が上がった。現在ではプロザック同様の効果の薬は認可されており、心療内科などで処方してもらえるため日本でも抗鬱剤は爆発的な勢いで広がっているようだ。

セロトニンの量を増やす効果のある抗鬱剤は現在では多くあり、プロザックと同じSSRI、SNRI(トレドミン)、三環系抗うつ薬(アモキサン)などがあり、手軽に試すことができる。
一昔前は、心療内科に通ったり、精神安定剤や抗鬱剤を飲むことに抵抗があったのかもしれないが、随分と敷居が下がったのではないだろうか。
実際、ブログやTwitterでも体験談は山ほど出てくる。

90年代後半から毎年の自殺者が増加しており、精神を病んでいる人が増加しているのも原因かもしれないが、辛い仕事を毎日乗り切るための栄養ドリンクの感覚で抗鬱剤を飲む人も増えたのかもしれない。

セロトニンにはイライラや不安や憂鬱な感情を沈める効果が知られている。しかし、社会活動の中でボス猿のようにリーダーシップを発揮できる可能性も秘めている。
リーダーに求められる素質は様々な研究がなされているが、対ストレス性や感情コントロールが重要な要素を占めていることからも、セロトニンが重要な役割を担うということも理解できる。


›9 13, 2011

リストラされた中高年はどこへ行ったのか

Posted by skillstorage at 06:57 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

リーマンショックを機に多くの企業が希望退職や解雇によるリストラを行った。最近では、震災の影響や円高の影響でリストラや倒産がまた増加している。
求職者数が求人数を超えている現状で、リストラされた中高年はいったいどこへいったのだろうか。
これまで見てきた状況をお伝えしよう。

地方都市の大企業の工場はリーマンショックを機に大々的なリストラを行った。この地域の製造業は少なく、リストラによる退職者を受け入れる企業は無く職安は大混乱となったことが報道された。

別の地方都市もまた大企業の子会社は工場の他県への移転という名目のリストラが行われた。遠い地域への転勤を社員を望む社員は少ないと見越しての企業の行動だった。

これらの企業の正社員だった者たちは、その地域で家を建て年老いた家族と子供を抱えているのが典型的である。現在彼らを正社員として受け入れる企業はほとんど無い。マイホームのローンが残るものは、資産を清算し自己破産したり、生活保護で生活している者もいるらしい。疲弊した地方都市では就業の場は限られているのだ。

円高の影響や企業の海外展開戦略により海外への転勤を余儀なくされた者も多い。あるモータメーカは海外での生産を加速させ、また厳しい就労環境でも有名である。
リストラをしないと公言する社長ではあるが、社員は東南アジアへの単身赴任を余儀なくされた。そのでの生活は厳しく、辛いが、日本に残る家族の生活とマイホームローンのため辞めれないと歯を食いしばる者が多い。それでも限界が来るものは自主退職せざるを得ない。
帰国したものの、受け入れる日系企業はどこも体力が低下し余剰人員を抱えており、どこにも仕事は無かったという。

半導体関連でリストラされたある者は、ヘッドハンターから声がかかった。依頼主は中国企業だった。
3年間契約で、年棒は前職よりも多い。しかし契約後の保障はどこにも無い。

大都市においても職安には多くの中高年を見かける。彼らを受け入れる業界は配達業者だったり、警備員だったり様々だが、前職の経歴を活かせる仕事は少ない。

他方、転職に成功する者も中には存在する。
大手メーカの営業職を辞めた者は、人材紹介会社で外資系企業の営業トップを紹介された。40歳をゆうに過ぎてからの転職である。

転職サイトに出回る求人の多くが40歳以下の採用を目的としている。転職サイトでの募集は基本的に役職の無いポジションを埋めるために使われる。
40歳以上での管理職での転職は、企業の求める人材も当然ながら複数の部下が管理できて、経歴があり実績を出せる人だ。

このような職種と人物像は、ヘッドハンティングや非公開求人の領域になる。

職が無く、契約社員やアルバイトで食いつなぐ者も多い。しかし、一旦正社員でない誰でもできる職につくと、もう正社員への復帰は難しくなってしまう。
わずかな蓄えと借金をしてまで一か八かのフランチャイズ起業をする者も少なからずいる。
彼らはフランチャイズ本部にとってはカモである。経験が無いのをフランチャイズの指導でカバーできるため金さえあれば簡単に起業できるが、実際の運営は非常に難しい。少子高齢化社会でニーズのあるフランチャイズは少ないからだ。

リストラされた者たちの苦しみは金銭面のあるが、それ以上に仕事が無く、お祈りメール(企業の採用お断り通知)をもらい続けることだという。
社会との接点が閉ざされ、社会から不要とされる苦しみは想像を絶するもののようだ。

1年以上長期に渡り、転職活動を続けたものがいる。40歳を超えローンと子供の養育費も必要でもっとも金のかかる時期での失業であった。
何百社にも応募をしたがほとんどが書類選考で落とされたという。それでも応募を続け、彼は採用を勝ち取った。

大切なのは、あきらめず行動を続けることだ。日本では失業くらいではホームレスになったりはしない。苦しくてもがんばることだ。
努力をし続けるものだけに、幸せな結果がついてくるのだと思う。

›9 09, 2011

困難、不幸は喜んで受け入れよ

Posted by skillstorage at 01:17 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

立ち読みした数冊の本に共通して書かれていた内容が、「困難、不幸は喜んで受け入れよ」という内容だった。
これはなんかの偶然だろうか?

人生において想定がいの困難、不幸に直面するものだ。先が見えず、苦しく、どうやって克服して良いかもわからない状況。
答えなんか分からない。やにくもに苦しみながらもがき、努力するしかない。

努力が無駄になるかもしれない。それでも希望を捨てずに努力するしかないのだ。

ホームレスから起業して上場までさせた社長に質問した。
「どん底の状態の苦しみはどうやって耐え、克服したのですか?」
ホームレスまで滑り落ち、人生がボロボロに見えるような状況だったはずだ。彼は答えた。
「ただ耐えるだけ。努力し続けるだけだった」

多くの成功者が、人生の転機は重い病気、離婚、死別、破産にあったそうだ。それを乗り越えた後、人生は開けたという。

子供の頃病気にかかったときこんな話を聞かされた。
「病気は苦しいだろう。でも病気にかからない健康な人より幸せなんだよ。人の苦しみが病気になってわかるだろう。」
また、「若いころの苦労は買ってでもしろ」や「かわいい子には旅をさせよ」という諺も昔からあり、苦境を乗り越えることが人生の糧になるということを昔から分かっていいることなのだ。

運命なんかまったく信じないが、学生時代に聞いた諺には強い印象を受けた。
「天の意思」という言葉だ。

人間は努力して何かの目的を目指す時は、決まって助けてくれる人が現れたり、良い環境が訪れたりする。
それを実感する体験はその後何度もしたものだ。

困難、不幸というものも「天の意思」なのかもしれない。
人生をより充実させるためには乗り越えなければならない障害で、その先には何かはわからないが幸せなことが待っている。
困難、不幸を乗り越えたもので無ければ、得られない何かかが。

それを得るための試練だと思えば良い。悲観する必要はない。もっと悲惨な状況に合っている人も、それを乗り越えて幸せを手にした人もたくさんいるのだから。

人生は自分で切り開き築いていく自分自身が主人公のドラマだ。何が起こるか分からない。
成功を手にすることよりもその過程である努力することにこそ本当の価値がある。努力がなければ得られるもののありがたみが分からないから。
自分に負けないことが、人生の勝利者になるための唯一の条件なのだ。

›9 08, 2011

会社は2年で辞めていい

Posted by skillstorage at 06:55 / Category: 書評 / 0 Comments

著者の山崎元氏は週刊誌のコラムなどを書いている経済アナリストだ。筆者は12回の転職を通じて「会社は2年で辞めていい」という結論に達したという。
一般的には、転職回数は少ないほど良いとされる。また「石の上にも3年」という諺があるように、3年以内での転職は印象が悪いとされる。

そのどちらの定説に反した「2年以内の転職」を主張するには、それなりの根拠が必要だろう。
山崎氏は実際に2年以内の転職を繰り返してキャリアアップをはかって来ており、金融業界でのプロフェッショナルのキャリアを築いたというのがその裏付けとなっている。

確かに短期間で転職を繰り返す者の第一印象は相当に悪いだろう。
多くの場合、履歴書を見ただけで書類選考さえも通らないかもしれない。

しかし、それにも勝る経験とキャリアの裏付けがあれば、転職は問題無いということがわかる。

自分がまだ20代だった頃、社内には多くの派遣社員や外注業者が同じように業務を行っている職場だった。
彼らは同じように正社員と仕事をしていたが、プロジェクト単位で次の職場に移っていく人も多かった。
それを見て、当時は正直羨ましいと思った。

何しろ、正社員はプロジェクトを仕切るが、プロジェクトが終わってもまたそのプロジェクトを引きずったフォローをし続けなければならない。
永遠と同じ業務が、いつまでも続くのではないかと思うと、仕事の安定なんかよりも仕事の苦痛と憂鬱の方が遥かに大きかったのだ。何しろ野心に燃え、キャリアを早く築きたい20代だったのだ。

プロジェクトに真剣に打ち込み、終わったら新しいプロジェクトに参画する彼らはキャリア形成においては正社員を圧倒していたのだ。
当時は真剣にプロの派遣社員になってキャリアップをはかってから、どこでも通用するプロのビジネスマンになろうかとまで考え込んだものだ。

今から思えば青い考えだったとも思うが、正社員で同じ会社に居続けることは成長が遅いし、その会社でしか通用しない人間になってしまうものだ。
どこのプロジェクトに行っても通用するビジネスマンになるには、転職を重ねるのが確かに近道なのだろう。

30歳を過ぎてさすがに派遣社員という立場では家族を養っていくのには不安である。そこで転職が良い。

また、入社する会社には当然のことながら当たり外れがある。自分に合った会社を見つけるには、本当は沢山転職をして見出すというのも合理的発想だ。

終身雇用の時代は終わりつつある。短期間で転職を繰り返しキャリアップしていく米国流が今後は当たり前になるのかもしれない。


›9 07, 2011

ホームレスから社長へ

Posted by skillstorage at 03:04 / Category: アントレ(起業) / 0 Comments

ホームレスから社長へと人生の大逆転を遂げた人が結構いることを知って驚いた。そして結構な数の本が出版されているのだ。

偉人に魅了されるのは、彼らがとてつもない困難を克服したからだ。与えられたことをこなして成功したとしても心に響かないだろう。
ホームレス社長の体験談に魅了されるのは、人生のどん底まで落ちながら、体験したくない惨めな体験をし、それを努力で克服し、普通の人が到達できない地位まで獲得するというドラマがあるからだ。

彼らは、普通の人なら自暴自棄になったり逃げ出している状況を、忍耐強く圧倒的な努力で修羅場を乗り越えてきた。
リスクを取って真剣に生きている人ほど、最悪の状況が頭によぎったことがあるだろう。

多摩川などの河川敷にあるブルーシートを見るとき、夜の繁華街に段ボールで簡素な寝床をつくる人を見るとき、彼らがどうしてそのような状況に陥ったのかを考えるようになった。以前などはまったくそんなことは考えもせず、意識さえもしたことがなかったし、彼らのような境遇になることはまず無いのだが。

ホームレスになった人の事情は様々だろう。だが共通して言えるのは、家に住んで働くという社会人として当たり前のことが、金銭的な事情が主だろうが、できなくなってしまったのだ。中には失踪を続けている人も多いだろう。

ホームレスは、一旦なってしまうと、傍から見たらあまりにも惨めな境遇だが、それでもその環境になじんでしまい、元の生活に戻ることが出来る人は限られているという。
一旦住民票を失うとできる仕事はほとんどなく、乞食を余議されなくなるのだ。

ホームレスから社長になった人たちは、このような境遇に置いても諦めなかった。

自分が同じ状況になったら果たしてどうなるのだろうか。
人間生まれた時も死ぬ時も丸裸だ。希望を失わず、努力することは時には苦難の連続でもある。
立ち止まらないで、必死に努力して勝たなければならない。自分自身への挑戦でもある。

感情を移入して、ホームレス社長の生きざまを見習いたいと思った。人生はドラマだ。


›9 05, 2011

代位弁済からの借金の処理

Posted by skillstorage at 01:31 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

代位弁済(だいいべんさい)とは、金融機関から保証会社の保証つきで借りた債務を返済できない場合に、保証会社が金融機関に対してこの返済を肩代わりすることである。

通常の金融機関の債務は、月額の決まった支払いを行っておけば一括返済を求められることは無い。しかし、返済が滞ると金融機関は一括返済を求めてくる。
これを期限の利益喪失と呼ぶ。

債務者は期限の利益を失うと、「全額を一括して支払わなければならない」と書かれた通知を受け取る。
金融機関に対する返済が行えない時、債権者である金融機関は保証会社に支払いを求め、債務者に代わって保証会社が金融機関に支払いを行い、債権者が保証会社に変わることになる。

これが「代位弁済」である。

代位弁済が行われると、保証会社は、その支払いを今度は債務者に請求することになる。
これを、求償権(きゅうしょうけん)請求と呼ぶ。

このような状態になった場合、債務者は支払い能力が無いのであるから一括返済などできる状況ではない。そこで、今度は保証会社はその債権を回収会社(サービサー)に売却することとなる。

サービサーへの売却額は二束三文であり、ここから債務者とサービサーの交渉が始まることとなる。

マイホームのローンが支払えなくなった状況や、自営業の経営が悪く借金返済に滞りが出た状況などでこのような事態に陥る。
一括返済を求められたり、借金返済ができないという罪悪感からか、このような状況に陥ると大抵は大きな精神的負担を負うことになるだろう。

借金の返済が出来ない場合は、自己破産という債務を帳消しにする法的方法もあるのだが、交渉によっては債務額を大幅に減らして返済することで借金を消すことも可能なのだ。

金融機関は債権を手放した時点で、債務者との関係は無くなり、サービサーは債権を二束三文で買っているのである。
サービサーにとって考えれば、自己破産をされるよりもわずかな額でも回収出来た方が良いと考えるのだ。

そこで、担保物件を競売にかけられるよりも有利に売却できる任意売却をさせてもらったり、その売却額は返済に充てられるものではあるがいくらか残金が残してもらえるようにすることも可能なのである。

夜の風俗街には託児所もあり、借金返済で苦しむ主婦が多く働いている。その他方、借金を大きく膨らましながら成長していく企業も存在する。

知人に100億もの借金をつくり事業拡大してきた男がいる。しかし、ある事件をきっかけに事業が傾き会社が倒産した。自己破産して借金はチャラとなった。
それでも住んでいた豪邸を任意売却で知人経由で買い戻し、マンションも所有している。今では借金が無くまた新たな事業を行っている。

借金で死ぬ人は多いが、全然大したことだと思っていない人も存在するのである。


›9 04, 2011

メンターはいますか?

Posted by skillstorage at 07:40 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

メンターとは指導者・助言者という意味だが、広義にあなたに影響を与える人という意味でここでは用いる。
メンターは一般的には人生の成功者であり、メンターもまた他のメンターの影響を受け成功してきた。
この点は、「普通の人がこうして億万長者になった」の統計にも表れている。

成功者は成功者に学ぶのだ。

しかし、メンターは何も成功者に限ったことでは無いと思うし、身近な人物である必要も無いと思う。
自分にとって師とも呼べるメンターは、決して成功者では無く、むしろ困難に直面し必死でもがき苦しんで生きて、道を切り開いていく人たちだった。

愛する人を失った人、無実にも関わらず逮捕された人、破産して築き上げた会社を失った人

彼らは人生における絶体絶命の危機を乗り越えた。
自分は感情移入してその時の自分だったらといつも考える。

生きていれば、辛いこと、逃げ出したくなることが沢山ある。心が折れそうな時、メンターのことを思い出す。

最悪の状況にもがき苦しんだ彼らだったが、今では笑っているではないか。自分の今の状況や不安は彼らと比べたら大したことは無いではないか。
そうやってメンターが自分の心の支えになってくれる。

›9 01, 2011

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代

Posted by skillstorage at 04:02 / Category: 書評 / 0 Comments

ベストセラー「若者はなぜ3年で辞めるのか? 」の続編ともいえる本書は、主に3年以内に大手企業を退職した若者へのインタビューを中心にまとめられている。

前著では日本企業の年功序列制度によるピラミッド構造が若年層を搾取するねずみ講であり、将来を悲観した若者から辞めていくことが説明されていたが、それではいったい辞めた者はどこへ行ったのか。

損得勘定で考えれば、年功序列制度ではない搾取されない仕組みの組織へ行くことになる。
そこは中高年の少ないベンチャー企業であったり、完全な成果主義が採用されている外資系企業であったり、個人の能力が報酬と一致する仕組みのある組織だ。

大企業を退職した若者たちはアウトサイダーと見なされる。古い昭和的価値観で考えれば、3年で辞めた若者はドロップアウト組だ。
現実に、ドロップアウトと呼ばれるような社会の底辺にまで落ちてしまう若者もいるだろう。

会社を辞めて、ニートやフリーターになったり非正規社員になった若者に対しては日本では敗者復活の機会はほとんどないのが現実だろう。
そもそもそのような現象もまた企業が正社員を解雇できないという厳しい規制と年功序列によるものなのだが。

しかし、ベンチャー企業や外資系企業に転職しプロフェッショナルの職能を身につけていく若者の未来は明るそうだ。

本書で紹介されている様々な若者の生き様を見て共感した。3年以内には辞めなかったが、自分自身もまたアウトサイダーな生き方を選んだのだ。

新卒で入った会社は伝統を感じるいわゆる日本的企業であった。しかし2000年代に入ると他の大企業同様に成果主義を取り入れる動きがあった。コンピテンシー給の採用や成果に応じた賞与など人事考課が大きく変わり、普段はおとなしい中高年が人事部による説明に対して声を荒げて「成果報酬という名の中高年リストラではないのか!」と叫ぶ姿を見て冷めた思いがしたものだった。

社内には、中高年の管理職が大勢いた。彼らの肩書は担当部長など形だけの者も多かった。何しろ何を仕事をしているのかわからない中高年が居座っていたのだ。
若年層は毎晩遅くまで残業するのに、彼らは定時で帰っていた。そしてバブル期に入社したこれまた使えない連中が大勢いるといういびつな構成だったのだ。

自分の同期で会社を辞めた者はほとんどいなかった。しかし4,5年経つと辞める者が少しずつ出始めてきた。
彼らはベンチャー企業や外資系企業へと転職していった。

20代後半でまだ住宅ローンも養育費も無いので勢いで転職した者がほとんどだっただろう。自分もそうであった。しかし、振り返って冷静に考えてみると、残っていてもそこには夢も希望も無かったのではないかと思う。

35歳を過ぎると転職の年齢制限が見られ、40歳を過ぎると転職先を探すのが困難になると言われている。
ネット上のBlogや掲示板では、1年以上失業して転職が決まらず気が狂いそうな40代が結構書きこんでいることを知った。

しかし、時代は急速に変わりつつある。やがて企業は採用で年齢制限をすることは差別として禁止されるようになるだろう。そして年功序列制度は崩壊するだろう。