就職・転職は人生で何度も行うことではない。スキルアップや引き抜きという稀な例はあっても、ほとんどの場合は、職歴が汚れていく。
それでも転職するには、まずは時期を見極める事が大切である。
現在のように景気がよく、売り手市場のときこそ転職活動をし、買い手市場のときはぐっとガマンする。一般論であるが。
ところで、チェックすることとして上場企業であれば、IRに決算状況(短信)や有価証券報告書があるので、ちゃんと利益が出ているか、平均給与はいくらかチェックすべし。
非上場企業でも、最低でもTSRや帝国データバンクから決算情報を買うべきである。1000円強で思わぬ落とし穴が発見できる可能性もある。
もう少し細かい情報を買うと、会社の状況や商流が書いてある場合がある。
人生でも大きなターニングポイントなんだから、それくらいはやるべきだ。
最近増えている福利厚生制度としてサバティカル制度がある。サバティカルとは休暇のことなのだが、通常の有給休暇や年次休暇とは大きく異なる。
期間が少なくとも1ヶ月以上の休暇がもらえる制度としているところが多いようである。それ以下はサバティカルとは呼ばないようだ。
長いと1年間などの休暇となる。
筆者もバックパッカー時代にはサバティカル制度を利用して1年間近く旅している日本の商社マンのおっさんや海外企業の社員(開発を終えたソフトウェア会社プログラマー等)に会ったことがある。
社員にとってのメリットとしては分かりやすい。
そのような長期休暇は就職してしまったら退職するまでは通常は有り得ない。だが、終身雇用で働きつつも1ヶ月以上休めるのなら、自分の趣味や研究を進める事ができる。長期でないとできない留学や世界旅行など魅力は沢山ある。
だが、企業側のメリットはあるのだろうか?
ソフトの開発や研究職は分かりやすい。そもそも短期間で開発しなければいけないので激務なのだが、開発や研究が終わると特に次の仕事が無い。
激務の過労を慰安してもらったり、特にテーマもやることも無いのに会社に来るよりは休んでもらって社員の福利厚生にすることにより、忠誠心や長期雇用を獲得する事ができる。
研究職や企画職では、リフレッシュにより新しい発想や創造性が(わずかだが)期待することができる。
だが、これは会社にとって1ヶ月休まれることを上回るメリットなのだろうか?
むしろ社員や会社のアピール色が強い気がする。
とても中小企業で採用して企業にメリットのある制度では無い気がするが。
梅田氏の「Web進化論」はインターネットビジネスに深く関わった身からは、違和感を感じる点があった。それはgoogleなど新しいネットの世界を「あちら側」なんて呼び方で、リアルビジネスと境界があるような表現があったからだ。もっとも立ち読みですけど。
Blogとかコメントでは若者から大絶賛だけれども、何だかネット自体が美化されて見られているというか、既存ビジネスと違うものと思われていないかと思うような発言が多かった。
他方、「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」は生々しいというかリアルだ。ネットビジネスの暗黒な存在を運営してきた者と、キレイなネットの世界だけを評論している者の違いか。
キレイなネットのビジネスというと、若者はmixiやDeNAや米Googleみたいな存在にあこがれるだろうけど、同じような企業文化やビジネスモデルのほとんどが実は食っていけていない。そもそもWeb2.0というこれまでのネットとの違い(コミュニケーション型)があまりインパクトが感じられない。ケータイはちょっとすごいものがあるけど。
ところで、この本のひろゆきの発言はすごいですね。実際には、「あちら側」が「こちら側」の自治を乱すと痛い目に会うというのがリアルに伝わります。ネットに深く関わっていない人にはなんのこっちゃという感じの徒然になってしまいましたが。
「Winny作者の逮捕は不当逮捕」
「ホリエモンの逮捕も国策」
「オープンソースはしょせん商売」
「市民ジャーナリズムは、そんなもん無理」
「インターネットの基本は弱肉強食」
「ネットの公共性は幻想」
「googleの技術力はたいしてない。マーケティングだ」
「ウェブ2.0はマイナスイオンと同じ」(儲けるためのイカサマ)
「googleの精神はきれいごとばかり」
「mixiの株価はどうかんがえても高すぎるし、上場すべきではなかった」
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「プロ・ヘッドハンターが教えるデキる人の引き抜き方」を読んだ。
ヘッドハンティング会社の社長が書いているだけあって、ヘッドハンティングによって会社は劇的に変わるだとか、新卒は役に立たず自社のライバル会社のキーマンを引き抜いて入れれば業績向上するとか、ヘッドハンティング擁護というか推奨をしている本である。
一部は納得できる。企業は人なり、人材の材は財と言われるように、一人のスーパープレイヤーが会社の収益源であることは多い。
一般的に大企業では8:2の法則もあり、2割の優秀な人材が会社の8割の利益をもたらすというものだ。
納得できない点ももちろんある。日本の大企業の新卒採用に対して新卒は役立たないとしている点だ。
自分の経験上は、日本企業というのはどこも企業文化があり、組織を効率的に動かすためにはある程度同じ企業で長期的に働いている必要がある。
能力の高い人を採用してきても、能力が発揮できないケースを沢山見てきた。
むしろ能力が高い人材をヘッドハンティングで入れると、虚栄心、ねたみ、和を乱すなどから組織に悪影響を与えるケースが多い気もする。
企業文化のあまりない歴史の浅いベンチャーの方がヘッドハンティングがあっている気がする。
ところがベンチャーは金を余り持っていないというギャップがある。
この筆者はサーチファーム・ジャパンの社長だが、実は使った事がある。ヘッドハンティングでは有名とのことであるが、まったく成果が無かった。まあ、業界の得意不得意はあるのだろうが。
ところで、ヘッドハンティングと先ほどから書いているが、実は人材紹介、スカウトとの垣根というのがほとんど無くなって来ていると感じる。
スカウトとヘッドハンティングはほぼ同義。企業から欲しい人材を聞いて、対象となる人材をリストから調べたり、実際に探し出してきたりする。
金額もまちまちで、活動費用として年間100万円以上を取るところから、成功報酬として年棒の70%取るところまで色々ある。
他方、人材紹介となるとリクナビなどの登録型の情報から探し出してきて企業に紹介し、紹介料として年棒の25%~35%を取る形態だ。
これまで、人材紹介は積極的に転職を考えている層で、ハンティングは転職意識が無いが優秀な人材層として区別されていた。
それが無くなって来た。やはり登録型の情報だとスペックの低い人材が多いため、スカウト型でないとなかなか良い人材を紹介できないためだ。
そのため、紹介会社も展示会で名刺を集めたり、HPや雑誌や特許情報から探してくる。さらにあらゆる名刺を持っていてさりげなく名刺交換して情報を入手する。アプローチする一人目には、「あなたに興味のある会社があります」とアプローチするが、これは仕掛けに過ぎない。一人目とアプローチして、その会社の同僚やキーマンの情報の探りを入れる。
こうやって優秀な人材の情報を手に入れて活動するのだ。
自分の経験上、ヘッドハンティング会社だからといって優秀な人材を紹介してもらえるとは限らない。確かに確率は高いが費用対効果から疑問が残る。
ちなみにこの人材紹介の業界であるが、景気回復とともに会社数が激増している。在庫費用がかからないため、新規参入が容易なのだ。
だが、このところの上場人材紹介会社の傾向を見ていると、参入者が増えすぎて伸び悩み、利益低下の問題が出てきている気がする。
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チャイナフリーとは中国製品や部品が含まれていませんよ、という品質保証的な意味合いで使われる。
現在は家電のみならず、食料、衣服などあらゆる製品が中国製(Made In China)となっている。
世界の工場、農場となっている訳だ。
ところが中国は品質面で大きな問題を抱えている。
南米に販売した薬では大量の死亡者を出したり、おもちゃに鉛が含まれて死亡者を出したり、すぐ壊れる品質だったり、食材には害虫や寄生虫が含まれたりと多くの問題を抱える。
ダンボールで肉まんをつくっていたと北京のテレビ局が報道した。その後、この報道はやらせと報道された。しかし共産国家のためその報道自体がやらせではないかと世界中から疑われている。
環境問題も酷く、空気は汚染され、中国で行ったサッカーの試合では、外国人選手が具合が悪くなったという報道もされた。
そんな大気汚染の国家でマラソンなんかできるのか?
マナーも著しく低く、対戦国への韓国人のような罵倒をしたり、道端でタンを吐いたり、路上での偽物販売など多くの課題を抱えている。
そうはいっても、これからも製品の多くが中国で大量生産されるだろう。iPod、パソコン、携帯電話、ゲーム機からやがてEMSは薄型大型テレビもすぐに受託生産するだろう。そのうち車まで受託生産するかもしれない。
そうなるとますますチャイナフリーと叫ばれるかもしれない。
米国の経済が何で成り立っているかをそもそも考えてみよう。
家を買うから、車を買い、家具を買い、テレビや家電を買う。家を買うから経済効果が波及する。
本来家を買うのは人口増加が元にならないとおかしい。
人口増加以上に家が売れるのであれば、家を投機商品として買っていることになる。
米国のここ数年はまさにこれだったのだと思う。低金利(といっても日本より遥かに高いが)のため、家に投資された。
住宅ローンの担保を取らず、債務保証能力の著しく低い人まで貸すことになったのがサブプライムローンであった。
このように連鎖的に考えると、楽観論を唱えている人の根拠は崩壊するのではないか。
ところで、日本でも都心の住宅ブームがピークを迎えている気がします。これもやはり低金利のため住宅価格の高騰に向かった結果と思います。
「企業の発展の影にサポインあり」
最近サポインという言葉がちらほら使われ始めてきた。
サポインとは、サポーティング・インダストリーのことで、日本の製造業を支える,中小企業のモノ作り基盤技術を指す。
中小企業といってもとりわけ下請け企業のことを指す。
これは日本独特の商慣行であり、親会社はそもそも資本も血縁的にも無関係な下請け会社に対し、完全に経営コントロールを行う力を持って、「生かさず、殺さず」使ってきた歴史がある。
親会社の業績が悪いと、下請け会社を殺して(倒産)しまうことも多々あった。
このようないじめから、下請け企業の数は減り、そもそも高い技術力を有していた下請け会社がなくなることにより製造業の体力が落ちてしまうという問題に直面している。
下請けという直接的な表現を使わず、サポインなどというマヤカシの言葉が登場してる事事態問題なんだろうと思う。
下手をしたらVC比率が高い余り上場できないケースさえ想定される。上場のためにVCを入れたのにVCが足かせになることはよくあるケースだ。米国では創業者が追い出されるケースが多いが、日本ではプロ経営者が少ない事もありそのようなことはまずない。
VC比率の高さの弊害はIPO公開前は証券会社から指摘される。ディスカウント以外にロックアップといい、一定期間市場で持ち株を売却できないよう公開前に契約する事だ。
VCは売り逃げたいのでロックアップを避ける傾向にある。
IPOがゴールだと思っている創業者もIPO時に出来るだけ早く売りさばいてしまいたいと思うので、こちらもロックアップの要請がある場合がある。
ベンチャー企業が株式公開を進めるにあたり、VCの保有比率が高いと後々問題となる。最初に直撃するのが、VCディスカウントだ。
これは証券会社が公開時売り出しの際、VC比率が高いと売り圧力となるため、新規公開時の公募価格を妥当と思われる価格から割り引いて算出することである。
最近では、個人投資家も目論見書をよく読むようになり、VC比率が高いところを嫌う傾向がある。VCはIPOの時の初値にぶつけて売却するケースが多いから。買う方はたまったものではないでしょう。
IPOがゴールのような経営者も多いが、オーナー比率の低い企業はIPO後の成長戦略で大きな苦労を強いられるのだが。
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中小企業基盤整備機構のVCと企業へのアンケートによると、ハンズオン支援に関しての実施状況と企業側の希望度合いにミスマッチがあると思った。
企業側がVCに要望するハンズオンで圧倒的に高かったのは、販路の拡大である。販売先の紹介や事業提携先の紹介である。他方VCの実施度合いでは、販路の拡大というのは非常に低い。
ここら辺から企業側の不満も出るのではないかと思う。
そもそもVCは企業への接触時(営業時点)では、さんざんと販路の拡大だとか事業提携をサポートするようなことを臭わせるものである。
アンケート結果から見るに、そういった期待をVCには抱いてはいけないということだ。
逆にVCの実施状況で一番多いのが、経営状況の監視(財務状況のチェック、達成度の確認・監視)だ。次は事業計画に対する助言。
しかし企業側の要望度合いは非常に低い。そんなことVCに監視とかされたくないというのが経営者の本音だろう。
オブザベーションライトとは、議決権は無いが、VCが投資先企業の取締役会等の経営上重要な会議に出席し、意見を述べる事ができる権利のことである。
社外取締役として経営参加するまでには至らないが、ある程度経営を監視、サポートするという意味合いの権利といった位置づけだ。
VCが単なる出資にとどまらず、投資先企業の経営状況のモニタリングや社外取締役の派遣など積極的な業務執行の支援を行う手法である。
VCにも種類があり、銀行系、証券会社系など金融機関が母体にあるものから、独立系、地域系、業種限定系など色々ある。
基本的に銀行系ではハンズオン支援は無い。そもそも銀行という間接金融(融資)が主体だからだろう。間接金融だけでは投資機会を逃す、ハイリターンが得られないといったことからVCをやっているような意識が高い気がする。
他方、独立系、小規模になるなるほどハンズオン支援に力を入れているように見受けられる。
銀行系との差別化やそもそも投資先にコケられたらたまらんといったことが背景にあるのではないか。
VCでリードと呼ばれるのは、投資先企業へのサポートを一任されたVCのことを指す場合が多い。他には最大の出資者という意味合いのこともある。いずれにしても口を出すのが一番多いVCである。
具体的には、社外役員として取締役会に出席して、経営を監視したりサポートしたりする。
対象企業の2番手以降のVCは何をするかというと、基本的には何もしないことが多いと思う。リードにその企業の育成をまかせて、フリーライダーとして上場益を狙う。
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VCから出資を受けたものの、VCのファンドの期限内にIPOが果たせなかった場合、当該企業もしくはその経営者にVCの保有株を買い戻してもらう事が必須の条件となる。
買戻しのことをバイバック(Buy Back)という。
当該企業もしくは経営陣が買い戻しできない場合は、事業会社等に売却する事になる。
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業務管理費の返金による損失計上など問題を抱える請負派遣ビジネスだけれども、これこそまさに労働者搾取というビジネスモデルだと思います。
日雇いというビジネスモデルは昔だと、訳有りで東京だと下町の山谷当たりで探す労働者を思い出します。学生の頃自主制作映画で撮影したところ、コワモテのおっさんから脅されてテープを破棄された経験があります。
要するにヤクザが利権を持っていて、治外法権的にこの場所に逃げ込んだ連中が日雇いで働いていたのだと思います。サラ金などから逃れてこの場所に来れば、追い込みをかけられないという特殊な場所だったらしいです。
さて、近年ではニートやフリーターの増加から定職を嫌う若者層が出現し、将来を考えずにフルキャストやグッドウィルのような派遣や日雇いや請負をやっているケースが増加している気がします。
定職に付かず、このような仕事に一旦足を踏み入れるとまともな就職先はなかなか見つけられずにずるずると年を重ねて、それでも低賃金で働かざるを得ない環境になるのではないでしょうか。
若いうちはまだ定職との賃金差もそれほどないでしょうし、自分の時間を持てるというモラトリアルを優先してしまいがちですが、年を重ねるにつれ搾取されていることが実感できるのだと思います。
しかし、こんな事態だどもリクナビネクストなど転職サイトは派遣、請負ばっかが広告主ですな。
仕手師や総会屋と付き合いの会った田中 森一の本に仕手の手口が書いてあった。
まあ、自分が仕手をやろうと思っても同じ手口になるだろう。
こんな具合だ。
1. 乗っ取りたい、もしくは型に嵌めたい企業を選ぶ。
2. 対象企業は、オーナー所持比率が高く、浮動株の少ない銘柄から選ぶ。
3. 株価の低迷しているボロ株を選ぶ。
4. 仕手仲間とグループを組んで買い集める。
5. 証券会社等に、対象企業の良い情報を流すよう仕向ける
(風説の流布ですな)
6. 株価が上昇したところで売り抜ける。仕手連中が買い進める中、いち早くリーダー核が売り抜けるのが一般的らしい。
(これは村上ファンドのライブドアや楽天にやったのと同じパターンですな)
7. オーナーに高値で買い取らせる場合もある。
(これはライブドアがフジテレビにやったのと同じですな)
8. 乗っ取る場合もある。
なんだか昔の手口も今の手口も基本的なところでは変わらないと思った。しかし情報のオープン化やインターネットの発達、法律強化により仕手にとって便利な面と悪い面がありそうだな。
捕まったり、活動できなくなった仕手も多いだろうけど、闇で仕手を仕掛けているプロもいそうだと思う。
ずいぶん前に「インクス流!―驚異のプロセス・テクノロジーのすべて」を読んで感激したのを覚えている。インクスという会社は金型屋で、試作をつくるメーカーなのだがそこは昔ながらの大田区にあるような金型屋とは全く違うというのをテレビなどでも良く取り上げられていて面白いと思った。
昔ながらの製造業は、昔ながらのやりかたでまだ生産しているが、属人的(職人の能力に支配されている)ためなかなかプロセス改革ができないでいる。
もちろん岡野工業のように職人でないとできない金型もあって、少人数にもかかわらず世界最高のものをつくる金型屋もある。
そういった会社がすばらしいという風潮のほうが強いのだが、品質や高度な技術という側面で見たらすばらしいだけに過ぎない。
製造業のすばらしさは、生産性・スピードといった別の側面からも見ないと図れないと思う。
後者の側面から見ると、インクスというのは画期的だし、すばらしい。
まず、職人を排除して、アルバイトでも金型をつくれるようにした。生産工程の標準化だ。それから、工程の徹底した合理化によるスピード化。
金型といっても光造形による試作なのだが、数時間で試作ができてしまう。
そして、一番重要なのは、このような徹底した欧米流の合理化を実現した企業が無かった事だと思う。
さて、その工程の標準化や合理化を進める道具として3D CADとコンピュータ化がものを言う。この分野は日本は遅れている。インクスではファラオと呼ぶメインコンピュータが全て支配しているということだった。
さて、3D CADは複雑な形状をつくる金型などで普及してきたが、まだまだ製造業には普及していないのが現状だ。
CADとコンピュータの統合にしてもしかり。
その背景には、既成概念の切替ができないという点が一番大きいと思う。これは日本人の保守的特性なんだろうと思う。
3Dでは2Dのような三角法による書き方が不要になる。立体をオブジェクトとしてそのまま書いていく。
それができないのが日本人的特性なのだろう。
ドラフターと呼ばれる手書きの設計から2Dは、結構すんなり日本は移行できたらしい。これはただ手で書いていたのはコンピュータ上に書くだけの違いだ。つまり、日本人はカイゼンというのは世界一得意なのだ。
でも、イノベーションには弱い。
3Dで書けない。既成概念を変えることができない。
3D CADはなかなか普及しないのは日本だけで、海外では進んでいる。中国でも使われてきている。2Dでは検証不可能な解析だとか、干渉チェック、合理的な製図が日本では進まない。
そういった一面があることを聞いて、日本の唯一世界に通用する産業である製造業の将来が心配になった。
3D CADに限らず、意識の改革の必要性をひしひしと感じます。
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信用収縮はクレジット・クランチと呼ばれ、担保や支払い能力の信用力が落ちるため金利上昇や企業の資金調達の低下など問題を引き起こす。
最近新聞によく掲載されている、サブプライムローン(高リスク住宅ローンの債券市
場)の大幅下落が信用収縮を引き起こしている。
米国では住宅ローン専業の金融機関のアメリカン・ホーム・モーゲージが破綻した。ファンドや金融機関の債権、融資の停止から運転資金の調達が難航した結果のようだ。
さらには、ヘッジファンドによる空売りから、従来の金融システムとはかけ離れたスピードで破綻へのスピードが加速される。
考察すると、好業績で世界で余ったカネが集まる一方、マイナス情報には市場はとてつもないスピードで反応するという特徴があるように思える。
このような信用収縮は関連業種に広がり、やがて非関連業種や世界経済にも大きな影響を与える事態となる。
つまり、資本主義とは経済成長がベースに成り立っているのだ。
これはあくまでも悲観論かもしれないが、実態として金利上昇や株価の低迷など、大きなカネを動かすファンドを中心に引き起こされている。
株価や債権の急落時に買い支える者がいるかどうかに注目しています。
最近新聞で「金余り」という言葉が良く使われる。
金余りとはあぶく銭のことであり、これは80年代のバブル景気と同じ事ではないか。
違いは、一般家計や業績の悪い企業にはカネが回ってこない点だが。
不動産価格の高騰にしてもファンドや海外投資信託へのカネ余りは共通だと思う。
以前のバブル崩壊のような酷さは日本では起こらないだろうが、米国のサブプライムローンなんかは不動産担保を原因としており、他先進国も日本以上に不動産価格が高騰していることを考えると、バブル崩壊を彷彿させられるのだが。
ハードランディングをなんとか避けられるようにして欲しいな。
社員など同族以外に自社の株を安く提供したい場合に使うのが配当還元方式による株価算定だ。
配当還元方式とは、過去2年間の配当金額を10%の利率で還元して、元本である株式の価額を求めようとする方式である。
配当還元価格=年配当金額÷10%×1株あたり純資産/額面価格
=1株あたり純資産×配当率÷10%
今の時代カネ余りである。そのようなことから金融業界ではいろんなスキームが出来ている。
ファンドによるMBOやTOBだってカネ余りから来ていることだ。
ところが買収される側や業績の悪い企業にはカネは回ってこない。
世の中景気がよいので、業績の良いとこはカネを集められる。但し、企業よりも事業を行っていないファンドのほうがカネを集められる。
本来おかしなことなのだが、それが現実だ。
中小企業にとっては銀行やサラ金からしか資金を調達できないかと思っているかもしれないが、このようなカネあまりの現状をうまく活用した方が良い。
ファンドがカネを集めているが、ベンチャーキャピタルもファンドでカネを集めてきて投資している。
カネは集まるし、中小企業も景気が良くなってきているし、さらに株価が冴えていないという現状はまたとない投資機会なのだ。
そんなことからやっきになって投資先を探しているだろう。カネはいくらでも集められるのだから。
業績が良かったらこの際ベンチャーキャピタルから集めてしまうのもいい手だ。中小企業にとっては資金繰りは命だから。個人補償も無いし、返す必要の無い金でもあるし。
業績が良くないとムリだが、何かビジネスアイデアがあるのならば乗ってくるかもしれない。
話がうまくいきそうだったら、株価の算定になる。ベンチャーキャピタルは少しでもやすく株価を設定し、議決権(シェア)を多く取りたい。かといって多すぎても駄目だが。
低迷している上場企業の株価と比較(類似比準やPERでの比較)とかどうとでもなるDCFとかで株価を下げてくるだろうが、ベンチャーキャピタルにカネを出してもらおうと思ったら、株価の算定は複数見積でやるべきだ。
銀行系から独立系から色んなところに声をかけて高い株価で出してもらう事が重要だ。1社出してもらう事がきまれば、日本の金融らしく横並びで他社も競って出してくるだろう。
最初の1社に声をかけるときには、1社目だと悟られない事も重要だ。
カネを出すところは、1社だったら非常に怖がる。赤信号と同じように、たくさん渡っているなら、カネを出そうというのが奴らの精神構造だ。
あと、焦ってはいけない。じっくり時間をかけて株価を算出しよう。
業績がよければ時間を延ばすほど株価は上がる。相手はカネが余っていて寝かせたら損なのだ。早く出したがる。
あとファイナンスも勉強しないと、丸め込まれますね。
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リクルートは訳のわからない怖さがある。人材輩出企業と言われるが、それは認めざるを得ない。
たいしたビジネスモデルでは無く、マネも簡単にできるし、いい加減なイメージの会社ではあるが、儲けている。
それは人材の能力が高いからだろう。そして、江副が最も力を入れたのが人材を稼げる人材に育てる社風をつくることだった。
江副は能力は低かったようだ。それがまた驚いた。自分よりも遥かに優秀な人材があつまる企業。
理想的だと思う。
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田中 森一については以前から興味があった。凄腕のヤメ検であり、山口組など裏社会の弁護士として有名だからだ。
田中 森一がつけているバッチは菱形(山口組の紋章から)とまで言われていた。
読むとやはり貧しい島育ちであるが、検事出身なので正義感に強く真面目な人間かと思っていたがどうもそうではなかった。
地方大学に入学し、そこではかなりヤンチャで自己の理念というものも無く、向上心と虚栄心を満たすために勉強し検事になった感じだ。
検事時代には政治圧力には一切屈せず。それは正義感からというよりも、自己満足の世界のような気がする。
東京地検にうつってからは、現場主義とはかけ離れた官僚主義による検事のシナリオを最優先させる行為や学歴主義に嫌気がさす様になる。政治犯罪も、政治家や官庁の圧力によりもみ消され悲観することとなる。
そんな人間性故に裏社会にすんなり入っていったのも理解できる。検事にとっては暴力団なんて怖くないんだろう。
しかし、20代後半から彼の人格と能力は開花したのだが、その後の能力の高さ、スキルアップについては非常に参考になる。
もっとも、今の僕らの世代には田中 森一のようなハングリー精神は無いだろうけど。自己実現の追及だとかエゴの強さとはまた違うものだと思った。
地検の国策調査や過去の政治家や住友銀行がらみのもみ消された事件の全容を知る事ができ非常に面白い。ヤクザや総会屋など裏の世界も知る事ができとても興味深いと思った。
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宮内 亮治といえば影のライブドア支配者という認識である。ホリエモンとは結局仲たがいしたが、どのような人物か興味があり読んだ。
他の本で紹介されている宮内 亮治像とはずいぶん違った感じだ。
やはり高卒で貧しかったせいか、非常に向上心に強い。他の本ではフェラーリやヴィトンのスーツなどずいぶん成金ぽい面も強調されていたが、本人は否定。
仕事命みたいな主張が一貫している。
しかし現実にポルシェ、フェラーリ、六本木ヒルズ住まいだったので、やはりカネは好きなんだろう。
本書を読む限り反省の色無し。
合法だと思ったが、捕まった位の言い訳がましさ。
ビジネスセンスはあるのだろう。ただ、もう新しいビジネスを始めておりそれは中国でのアウトソーシング事業のようだ。犯罪者が返り咲けるのかちょっと興味有る。
頭来ますね。マイク・ホンダは日系3世だけども、日本人では無い。彼の発言は中国共産党の圧力団体そのものだ。事実政治献金を受けている。
慰安婦問題など、そもそも軍による強制連行では無いことがわかっており、治安や衛生面を考慮して軍が運営していたのだが。
その後、一部の慰安婦出身の韓国人が恥ずかしさから、強制だったなどと言っていたのがこんな騒ぎになった。
もちろん元慰安婦も政治カードとして中国、韓国の反日団体に利用されているが。
原爆落として大量虐殺した米国にここまで言われるとは憤りを感じます。