›12 28, 2011

サーフサイドハイスクール

Posted by skillstorage at 21:29 / Category: 書評 / 0 Comments

何度も見返すようなお気に入りの映画、音楽、本は誰しもあると思う。それらを鑑賞すると、その時代の良き体験が思い出され、感傷にひたることもある。

自分にとって「サーフサイドハイスクール」は学生時代に読んだ漫画ではあるが、その後も社会人になってからも何度か買いなおした思い出の作品だ。
そしてこの作品は、話の展開が最高に盛り上がったところで休止してしまっていたのだ。
何度読んでも、話の最後で釈然としない気持ちになっていた。

ストーリーは、湘南の海の近くの高校2年生3人組を中心に展開していく。
サーファーで、ちょっとトロいが女にもてて、ヤリチンの阿部、東京からの転校生で二ヒルでもてない三田、寡黙で毛深い永島。

ドタバタ劇なストーリだが、話の後半の展開は恋愛ストーリーでもある。
永島が恋した年下の女の子サーファーのみほちゃんが登場するのだが、みほちゃんは阿部のようなチャライ男が大っ嫌いだった。

ところが、ちょっとしたきっかけで阿部に恋をしてしまうのだ。それを察して愕然とする永島。2人の関係に戸惑う三田。

三田がサーフィンで初めて波に乗れたその時、みほちゃんの登場で話が急にストップしてしまっていた。

もうかれこれ15年位前の漫画で、その後の展開の想像を何度もしてみたものだ。

そして今回新装版で出たこの本には未公開のその後の続きのストーリーと、新たに書き下ろした恋の結末が収録されている。

15年もの月日を経てようやくすっきりした気持ちになった。
高校生の頃の自分とは全然違う、湘南近くの高校生活への憧れを、いい年したおっさんになっても抱いている自分がいる。

当時付き合っていた友人達は今頃何をしているのだろうか。彼らの存在は、自分の記憶の中でその当時のまま時間が止まっている。

そして決してもう過去には戻れないのだけど。


›12 27, 2011

「体を温める」と病気は必ず治る―クスリをいっさい使わない最善の内臓強化法

Posted by skillstorage at 22:01 / Category: 健康法 / 0 Comments

寒い季節になった。風邪を引いたり健康を害している人が続出している。

体温を上げることが健康に良いことを昔から知られており、温泉やサウナや岩盤浴は人気が高い。熱を出すことによって風邪が早く治ることも知られている。

「体温が1度下がると、病気と闘う免疫力は30%以上落ちる」
「35度台の体温を1度上げて平常の36度台にするだけで、免疫力は5~6倍強くなる」
「汗をかき水分を体から排出することで毒素も排出される」

このような事実から、日頃から体温を高めることが健康にとても良いのだ。

朝も夜も冷え込む季節で、いつも悩まされるのが、足と手の冷えだ。
最近では、足浴をしてから眠るようにしているが、とても気持ちがよく、すぐに快適な眠りにつけるようになった。

この本では、日頃から体温を上げ、発汗をする手軽な方法が沢山紹介されている。

寒い冬だから、体を温めて健康を維持しよう。



›12 13, 2011

運転資金回収期間と売上債権

Posted by skillstorage at 04:50 / Category: ファイナンス / 0 Comments

「モノを仕入れて販売してお金をもらう」というのが商売の基本であるが、業界や商慣行や販売する企業と購入する企業の力関係によって支払いの条件は大きく異なる。
売上債権とは製品を販売・納入・検収したのちに売掛金であり、残り顧客から支払われない期間が長ければ、その間の運転資金を確保しなければならず、また借入の金利負担、資本コストの負担が発生する。

売上債権回収期間が長ければキャッシュフローに大きな影響を与え、場合によっては倒産することにもなる。

半導体装置メーカのエス・イー・エスは売上債権回収期間が2000年時点で200日と他の半導体装置メーカと比べて著しく長かった。海外の半導体装置メーカの売上債権回収期間が100日以下と比べると資金繰りが非常に悪かった。同社はその後倒産している。

エス・イー・エスの倒産の原因はリーマンショックによる急激な受注の落ち込みから資金繰りがつかなくなったことにあった。それ以前に、エス・イー・エスの事業である半導体製造プロセスにおける前洗浄(ウェット・ステーション)は大日本スクリーン製造と東京エレクトロンで市場の8割以上を占有していたため、業界3位以降は規模の経済に勝てず収益が悪かったという点も挙げられる。同業界で4位であったカイジョーはこの市場からその後撤退している。

さて、売上債権に関しては、日本の企業は海外の企業に比べて支払条件が極めて悪いことで有名である。例えば半導体業界では、検収後6カ月~9か月などという売掛金の支払条件がまかり通っている。ただし、海外の装置メーカは半導体業界では寡占や独占するプロセスを持っている企業は前金90%、検収後10%という支払条件で取引を行うなど、企業の力関係が大きく影響している。

運転資金は(売上債権+在庫-仕入債務)である。
運転資金回収期間(年)は、増加した運転資金÷当期未処分利益によって求められる。

半導体装置メーカの例でいえば、企業の成長は売上債権の回収期間に多大な影響を与えていたことが分かる。

キャッシュ・イン=当期純利益+原価償却費累計
キャッシュ・アウト=運転資金増減+設備投資累計

欧米企業の多くが、日本企業の半分以下の債権回収期間であり、さらに日本と比べ低い実効税率、無配当といった企業のキャッシュフロー政策が設備投資による事業拡大に多大な影響を与えたのだった。


›12 05, 2011

寡占市場における競争力(半導体装置産業の例)

Posted by skillstorage at 00:47 / Category: 経営戦略 / 0 Comments

資本主義経済において企業は陣取り合戦のように市場のシェアを取ろうと努力する。成長市場においては多くの企業がひしめきあっているものの、市場が成熟するに従い、企業の多くが淘汰され、M&Aによる買収、合併により市場は少数の企業により寡占化されることとなる。

自動車業界においては、米国も半世紀前には100社以上がひしめいていたものの、米国企業はほぼBIG3と呼ばれる3社に集約された。中国においては尚も100社以上の自動車メーカが存在するのはその市場の成長性ゆえである。自動車産業も世界的には成熟期に達しており、世界的にM&Aが行われ、少数の企業に集約されることとなるだろう。

家電メーカにおいては、国内では成熟市場どころか衰退産業になっているにもかかわらず、今だに電機メーカが過酷な競争を繰り広げている。日本国内でのM&Aが遅れているためである。

さて、半導体業界におけるとりわけ半導体装置市場は過去急速に成長し、成熟した産業である。半導体装置メーカは日本における主にNTTの設備投資に支えられ、世界的なシェアを取っていった。「日の丸半導体」だとか、「半導体は産業のコメ」と80年代には呼ばれたものである。

その後、日本的経営の保守性や機密の外部流出から、海外勢の猛攻撃を受け、積極的にM&Aを行った海外企業の台頭などの市場環境にさらされることとなった。

半導体装置メーカは前工程と後工程に分けられる。ダイシングというシリコンウエハーを切る工程によって前後工程が分けられるのだが、前工程は完全な寡占市場である。前工程の半導体装置メーカには、米国AMATという巨人を筆頭に、オランダASML、東京エレクトロン、米国Lam Research、米国KLA-Tencor、大日本スクリーン製造、オランダASM International、日立ハイテクノロジーズ、ニコン、米国Novellus Systemsがある。

半導体製造工程には、設計、マスク製作、ウェーハ製作、ウェーハプロセスから成り、洗浄・乾燥、フォトリソグラフィー(レジスト処理、露光)、真空蒸着、スパッタリング、CVD、エッチング、ダイシング後は、ダイボンディング、ワイヤーボンディング、モールディング、欠陥検査・修正といった半導体装置メーカがいる。

半導体装置メーカの巨人AMATはエッチング装置、スパッタリング装置、CVD装置、CMP装置、Cuめっき製造装置、エピタキシャル成長装置に特化してそれぞれの装置で市場シェア1位を取るような企業である。半導体装置メーカ2位のASMLに関してもセグメント化された市場に特化しており、ステッパー、スキャナ装置で市場シェア1位である。

このように半導体装置メーカというのは、半導体の工程の一部に特化して、その工程の装置において圧倒的なシェアを取ることが競争力となっている。実際、半導体製造前工程においてほとんどの各工程の1位企業が市場の半分以上のシェアを取得している。

「徹底解析 半導体製造装置産業」等によると、半導体装置メーカは各工程で市場シェアが60%を超えると限界利益率が60%を超え、シリコンサイクルの底辺においても10%の営業利益を獲得できている。またトップ企業の市場シェアが40%未満であると限界利益率40%を切り過当競争に陥りやすくなっている。

このように資本市場において市場というものは寡占化される傾向にあり、市場において1位かつ圧倒的なシェアを取ることが競争上重要である。まさに規模の経済(スケールメリット)の働く世界だ。
企業の競争も戦国時代の陣取り合戦もまた似たようなものに見える。