›1 15, 2008

サルになれなかった僕たち―なぜ外資系金融機関は高給取りなのか

Posted by skillstorage at 23:36 / Category: 書評 / 0 Comments

「モンキービジネス」投資銀行(IB)で働くことをこういうらしい。

IBは銀行よりも証券会社よりも上位の存在である。日本でも外資が荒稼ぎしている。市場も破産したゴルフ場も銀行も荒らされまくっている。

この本ではIBで働き、絶望し、辞めていった2人の若者によるエゲツナイほど赤裸々に語った物語だ。
読むとIBの仕事がわかる。

ほとんどの仕事が資料を綺麗にまとめるために、フォントだとかグラフのデザインだとか本来どうでも良いことに随分時間が取られている。
やっぱりな。
彼らにとって提案書は見栄えが何よりも大切なんだろう。

IBの給料が他の仕事に較べて圧倒的に高いのには訳がある。会社がそれだけの利益を上げているからだが、なぜ利益を上げられるのかという根本的な問題は、実は競争が無いから、IB同士横並びだからだ。IBをやるには資金もいるし、新規参入が非常に難しい商売だからだ。

企業が成長するにあたり、M&A、資金調達が避けられないとすると、IBを使うしかない。

IBに限らず高給な仕事は競争が少ない。日本でも生保、損保、銀行と高給な仕事がバブル期には圧倒的な人気があり、今でも製造業、サービス業に比べ遥かに給与が高い原因は保護されていて充分な国際競争にさらされていないことが原因だと思う。

総合商社にしても同じ理由で給与が高いと思う。

給与水準はなかなか変えられない労務環境であり、これから国際競争が激しくなると日本では製造業だけが生産性が高く国際競争力が高い。生産性が高い反面労働は過酷で賃金は安いという酷い有様だ。

さて、IBだが、ゴールドマンサックス(GS)のすごさが雑誌「エコノミスト」にあった。サブプライムローン問題で米国金融会社が軒並み大赤字を出したのに、GSはなんと空売り(ショート)を仕掛け利益を出した。
2万人以上いる社員の平均ボーナス(給与含まず)は年間7000万円を超えている。(実際はピラミッド社会なのでトップが大きな取り分を得ているのだろうが)

賃金は年収1億を超えるのが当たり前のようだ。

日本の製造業の平均300万円の収入とは天と地の差だ。

この本を読んで分かったが、世の中に役立つとかそんなことは賃金に関係ない。生産性も関係ない。そして、頭の良さも関係無い。

ウォール街のインタビューでチャーリー・シーンやマイケル・ダグラスがIBの連中の性質に驚いていた。「金のために生きている連中」こんな人間が存在することに驚いたという風であった。超高収入のハリウッドスターさえも驚かした、金の亡者。人間性の喪失。

金融は本来さげずまれた商売だ。IBに限らず高収入な仕事が人気が高い世の中だが、何故高いのか良く考えてみると良い。

サルになれなかった僕たち―なぜ外資系金融機関は高給取りなのか
サルになれなかった僕たち―なぜ外資系金融機関は高給取りなのかジョン・ロルフ ピーター・トゥルーブ 三川 基好

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08年の投資(デカップリング、新興国需要)

Posted by skillstorage at 23:03 / Category: 資産運用 / 0 Comments

07年のサブプライムローン問題で米国経済は景気後退(Recession)に突入した。近年の世界全体の金余り(バブル経済)の行方が心配されている。

物価高騰(インフレーション)、資源高騰、株安が心配されいている。

だが、心配は日本、米国だけだと思う。米国は確かに悪い。もともと所得が200万円の低所得者が数千万円の家をローンで買い、金利が10%とか尋常ではなく、家の価値の値上がりを期待した買い物をしていた。さらに家を担保に車などを買う、多重債務者による多情消費に加え、貿易赤字。もうドルは刷れない(ドルの価値の下落)。ドルの金利低下。
だが、米国はまだ日本よりも良いと思う。それは移民がどんどん増え、人口が増加するからだ。人口増加が経済発展の基礎だ。

昨年末からデカップリング(Decoupling)という言葉が良く聞かれるが、米国との経済の非関連性という意味で使われる。これまで世界経済は米国の消費に支えられていた。米国は積極的に貿易赤字を出し、ドルを刷り、貿易黒字国家(日本、中国)が外貨準備高としてドルを保有した。日本の場合は日米安保理という政治的背景からドル保有を崩せない。
ところが、米国の消費に頼らずとも、BRICsなど新興国の消費が向上しているため、米国の経済悪化は世界的に大きな影響を受けないだろうというのがデカップリングだ。

日本は残念だが駄目だ。人口は減少し、老人が増える。高い税率に高い労働賃金。政治的な構造改革は期待できない。グローバル企業であれば、とても日本で活動したいとは思わない。円の世界での相対価値は下がり、デフレが続いたので日本の物価は世界的にずいぶんと安くなった。それでもGDPの上昇も消費増大も期待できないので、魅力の無い市場だ。

さて、日米はかなり悪い状況であるが、世界的には昨年から今年は最も経済が繁栄する時代にいるのだと思う。紛争はそれほどなく、発展途上国の政治状態も安定している。北京オリンピック需要もある。

IMFのMapper を見ると、世界のほとんどがGDP成長10%以上(赤)だ。成長が止まるのは日本、米国、西欧だ。

これを見ると、日本、米国は売りだ。新興国に投資すべきと分かる。


›1 03, 2008

田中森一の新書「バブル」

Posted by skillstorage at 11:40 / Category: 書評 / 0 Comments

田中森一といえば、山口組の弁護士でありであり、闇社会の守護神と恐れられたヤメ検弁護士であるが、最近本が多く出版されている。

反転-闇社会の守護神と呼ばれて」が大ヒットになったからだろう。

バブルでもまた、検察として正義を振るっていた田中森一と山口組に仕えた田中森一の両面を開けっぴろげに披露している。

正義も悪でも真実はひとつ、山を登るのに正道と裏道があるようなものだと田中森一は考えている。
最近わかるような気がする。ヤクザもマフィアも無くならないし、警察のような正義と思われている者が強くなるとまたヤクザ人気も復活するという歴史を繰り返してきたからだ。
今上場審査においても反社会勢力の排除が絶対の事項に挙げられているが、それでもヤクザは巧妙に上場企業に入り込み、支配する。真っ当な企業もまた金のため、保身のためにはヤクザを利用する。

そういった世界に生きているんだと自覚する。

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島田紳助はなぜ好きな事をして数十億円も稼ぐのか

Posted by skillstorage at 11:18 / Category: 書評 / 0 Comments

島田紳助に対する評価が高いので読んでみた。確かに島田紳助はスゴイ。
以前の事件からすると、カッとなりやすく自己中心的な人物と思っていた。その性格に変わりは無いだろうが、それは悪い側面であり、逆に高い能力も有することがわかってきた。

テレビでは巧みな話術を見ることができるが、テレビタレントというのもまた島田紳助の側面でしかない。島田紳助は投資家・実業家として、株・外国為替・不動産投資、飲食店経営を行い、テレビ活動以上の成果を出しているのだ。

自己の現状に満足している人がいたら恥を知るだろう。

島田紳助の成功には彼固有の能力があるのかと言えば、そんなことは無いと思った。
むしろ島田紳助は学力も教養も無かったのだ。しかし、地道な努力、分析、研究、そして目標を立てることによって、金の成る木を今収穫しているといったところだ。

結局成功のためには、身も蓋も無いようだが、日々の心がけと努力という姿勢が一番大切なのだと改めて実感した。

島田紳助はなぜ好きな事をして数十億円も稼ぐのか―蓄財術は島田紳助に学べ!
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交通事故死者トヨタの愛知県がトップ

Posted by skillstorage at 10:15 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

全国の交通事故死者が減ったとの事だが、609人前年より減っても5743人も死んでいる。
自分もいつ巻き込まれて死ぬかわからないな。

ところで以前から気になっていることがあるのは、愛知県の死者数の多さだ。東京都よりも多いのはおかしいと思っていた。運転者の忙しさや道の広さも人口も違う。

名古屋でタクシーの運ちゃんとかから、「愛知県はトヨタで成り立っているから(警察の)取り締まりは甘い」といった話をよく聞いた。真偽はわからないが、この事故死者数が証明しているのかもしれない。

儲けている企業が税金を多く払い雇用も多く、政治力が強まる。広告費を多く払うからマスコミも悪くは書かない。ますます力を増すという図式がある。

米国では Money Talks, Bullshit Walks ということわざがあるくらいだ。

金を持つと慢心し、横柄になり、金でなんでも解決しようとしてしまうもんか。

1月1日から働く者、怠けて休む者

Posted by skillstorage at 10:05 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

元旦には年始売り出しセール、福袋とショッピングモール、新興デパートが売り出しを開始したので、3箇所はしごした。
どこの店もごった返していた。
コンビニだけでなく、ドラッグストアやデパートももはや年中無休・正月も休まず働くのが当たり前の時代になったようだ。

他方、町のパパママストア、商店街、老舗デパートはどうしているかというと、休んでいる。2日から福袋セールなんてやったが、元旦に金を使い込んでいるんだから、機会損失はでかいだろう。
2日のセールも見に行ったが、元旦に同じものを買ったなんてケースが多かった。

儲かっていないところこそサボり、儲かっているところほど地道な努力をしているものだ。

サービス業なんていうものは、人の休んでいるときに働き、人が嫌がることを進んでやることに付加価値があるということを自覚すべきだと思った。

ところで元旦にセールでも10時オープンばっかりだった。米国じゃサンクスギビング後のセール(日本の正月セールスのようなもの)なんかは、朝の5時から開始される。
そう考えると、まだまだ日本のサービス業の生産性は低いなーと思った。