スマイル・カーブとは台湾のコンピューター製造業エイサー(Acer/宏碁電脳)
の会長スタンシーが提唱した概念である。
これはパソコン製造業界の描く付加価値曲線を表し、縦軸に付加価値、横軸
に製造工程(左からコンポーネント製造、アセンブリー、ディストリビュー
ション<流通>)のグラフを描くと、アセンブリーが付加価値が低いため、
ちょうどUを描きあたかもスマイル(笑顔)のように見えることから名付け
られた。
要するに付加価値の高い部分は川上のキーデバイスの製造と川下の流通(こ
れにはブランド、サービス、ロジスティックも含む)ということだ。
□ ファーストフード・モデル
また、エイサーはそのビジネスモデルがファーストフード経営に似ていると
ころも注目された。
ファーストフード業界では、食材の鮮度が重要で、品質管理にはかなり力を
入れている。パソコンにおいてもそれは同様で、コンポーネントは時間が
たつと流行からすぐ遅れてしまう。そのため、新鮮な食材を扱うかのように
重要なコンポーネントは空輸をするほどだ。
さらに、ファーストフード経営の特徴であるセントラルキッチン方式も採用
している。これは、ファーストフードは食材をある程度加工、もしくは調理
を済ませて配送し、販売店では最小の労力で調理することができる仕組みに
している。
エイサーもまたコンポーネントは販売店の近くの低賃金国家で生産し、素早
い配送を可能にしている。
ものづくり国家日本にはエイサーだとか台湾企業・韓国企業の電化製品は
なじみが無いのだが、実は世界的にはかなりの売れ行きを見せている。
エイサーは圧倒的な高品質を誇る日本企業、低価格の韓国企業との先進国で
の競争を避けるため、後進国に販売地域を集中させ圧倒的なシェアを取る
ような戦略も立てた。
また、ブランドも劣るためあえてOEMによるIBMへ供給する戦略も効果
を発揮し注目を浴びた。
□ ムサシカーブ
ムサシとは宮本武蔵で、刀の軌道が∩でスマイルカーブの∪とちょうど逆に
なっている。
これはソニー中村研究所の理論で、スマイルカーブと正反対の理論であり、
組立加工工場こそ付加価値を生むというものである。(参考まで)
エイサー
http://global.acer.com/
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アメリカ製造業がどうしてもかなわないと思っている日本企業がトヨタで
ある。
トヨタはアメリカでも多くの学者によって研究されている。
以前トヨタ・ウェイについても紹介した。
今回はリーン生産方式についてである。
リーン(Lean)とは痩せたという意味であり、リーン生産方式は無駄なもの
(つまり贅肉・脂肪)を取って全体のトータルコストを削減しようとする
ものである。つまり痩せるということである。
結局トヨタといえば、カンバン方式、ジャストインタイム(JIT)と米国で
は脅威の戦略、オペレーションを行っていると見られているようだが、極め
てシンプルなことをしているように感じるのだが。
日本の製造業の仕組みはボトムアップ(すなわち現場主導)であるのに対し
て米国ではトップダウン(マネジメントの戦略主導)である。
そんなことから、米国でのオペレーション手法であるMRP(資材調達計画)
などは、日本のカンバン方式と正反対、即ちPushとPullであるとこ
ろがある。
日本では必要なものを必要なだけ調達するという考え方が米国では作ったも
の次の工程には作ったものをさばく工程が必要と考えるわけだ。
とまあ、日本人がノコギリを引いて切るのに対して、アメリカ人は押す(つ
まり歯の向きが逆)のと同じような次元・発想が正反対である。
そんなことからトヨタの生産方式は米国では新鮮な驚きを持って受け入れら
れたのだろう。
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ブルウィップとは鞭(ムチ)のことであり、ブルウィップ効果とは、ムチが
しなって先っちょに行くほど力が加わるように、サプライチェーンにおける
変動は上流工程に行くほど拡大されることを表す。
顧客時点での変動は小売、卸、工場、工場のサプライヤーへと変動が伝わり、
その変動は増幅されていく。
これは小学校の頃やった伝言ゲームと一緒で、何故か伝言が婉曲されて伝わ
るにしたがって伝言の婉曲は増幅されていたのと似ている。
サプライチェーンにおけるこのような情報の婉曲は、需要予測、注文処理、
価格変動などが原因で引き起こされる。このようにして、実際の顧客の望む
需要を超えた在庫量が必要になってしまうのである。
以前シックス・シグマについて紹介した。
簡単に説明すると、シックスシグマは品質管理であり、モトローラによって
開発され、ジャックウェルチのGEが工場の品質管理のみならず、経営戦略
に取り入れる成功したことによって一躍注目を浴びた。
DMAICモデルとは、シックスシグマを管理するシステムモデルである。
DMAICはそれぞれ、以下の略である。
シックスシグマはシグマ6個のことでシグマは標準偏差のことを指す。
規定値を用意しておいて、実際に製造で作られた製品をサンプリングして、
正規分布を取り、そのばらつきを表すのが標準偏差であった。
品質特性値が正規分布に従えば、6シグマの外に出る確率は、100万回に
3.4回ということになる。それほどの精度を要求する。
シックスシグマとは品質保証を6シグマに抑えようとする方法である。
さて、理念がわかったとしてもその導入が難しい。
そこで、DMAICモデルがある。これは下記の頭文字をとったものである。
定義(Define)
測定(Measure)
分析(Analyze)
改善(Improve)
管理(Control)
さて、個人的な意見を言わせていただくと、このシックスシグマの理念は
単なる統計の問題である。そしてシックスシグマに品質精度を要求すること
も高品質な生産ができると思う。
だから何だ?
というのが実際にGEの製品を多く使っての感想である。
技術大国日本ではGEの製品を見ることは非常に限られていると思う。恐
らく病院にあるCATやMRIのような機器くらいじゃないだろうか?
だが、米国生活をしているとGEの製品は非常に多かった。アパートでは
備え付け白物家電がGE製だったこともあり、使うことを余儀なくされた
のだが、これがまたよく壊れた。というか製造元に言わせると壊れたので
は無くそういった仕様だと言われるのかもしれない。
ちなみに、電話機はコードレスにもかかわらず1時間しか充電が持たない。
なので1時間以内しか離せない。コードレスだから充電しながら話せないし。
洗濯機・乾燥機はやたらうるさい。しかも服がすぐ駄目になる。タオルにし
ても服にしてもすぐ毛玉ができてしまう。
まあ、これは品質的にはOKなのかもしれないが、日本の電化製品と比べて
しまうと設計ミスに感じるのだが。
それにも関わらず、日本の白物家電は米国ではまったく見なかったのは何故
だろう。
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工程能力(Process Capability)とは,定められた規格限度内で製品を生産
できる能力のことである。
その評価を行う指標が工程能力指数(Cpk)である。
(1)上限規格のみの場合:Cpu = (上限規格値 - 平均値)/3σ
(2)下限規格のみの場合:Cpl = (下限規格値 - 平均値)/3σ
(3)両側規格の場合:Cpu と Cpl の小さい方の値
.Cp で表示されるのは両側規格の場合に平均値が規格の中央にある時
Cp=(上限規格-下限規格)÷6s
(ここでsはシグマであり分散)
具体例で見たほうがわかりやすいと思う。
金属棒をつくる工程があり、平均3.47cmで分散が0.003とする。
規格値と上限・下限はそれぞれ、3.5cmプラスマイナス0.02cmとする。
つまり3.48cmから3.52cm以内が許容範囲である。
この範囲外は不良品となる。ではやってみよう。
Cp=(3.52-3.48)/(6*0.003)=2.222
Cp=2以上がシックスシグマの許容範囲とするとOKということになる。
しかしながら、平均値が3.47cmだから軸をずらして考えないといけない。
つまり分散値は基準値以下だけれども、平均値が果たして基準以下なのか
を考えないといけない。
3.47プラスマイナス0.003=[3.452,3.488]
である。
Cp=2以上がOKという前提でも軸がずれているので、軸をシフトして考えて
みると、
Cpk=min(Cpu/3s,Cpl/3s)
※小さいほうが適用となる
問題に果てはめてみると、
Cpk=(-1.111,5.556)=-1.111
である。
Cp=2以上がOKという前提にたいして、Cpk=1.5以上がOKという前提を与え
たとしたら、この値は基準値以下である。
さて対応策は、まず平均値をどこにもっていくかを考える。
Cpk=1.5以下をOKという前提のもとに、Cpu、Cplを算出すると、
平均値は3.4955から3.5045の範囲内であれば良いとわかる。
つまり結論としては、この工程はシックスシグマ基準を満たしていない。
満たすためには、平均値をずらしてやる必要がある。分散は基準を満たして
いるので問題は無い。
□ 手順
さて以上を踏まえて手順を見てみると、
(1)Cpを求める。Cpが2以上であれば次のステップにうつる。
Cpが2以下であれば、シグマ(分散)を減らす必要がある。
(2)Cpkを求める。Cpkが1.5以上であれば基準を満たしている。
Cpkが1.5以下であれば平均値を基準値に収める必要がある。
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多品種少量生産の世の中になった。創造してみて欲しい。
工場内にはいくつもの機械が複数の用途で使われる。ひとつの製品を組み立てると、また別の製品のために再セットアップも必要となる。完成品自体は誰が作っても同じものが作れる。
結局工場が生産性を上げる為には、製品を組み立てる為の機械の配置、人の動き、機械を使う順番、部材発注のタイミング、機械のセットアップを減らす、などなど。
要するに多品種少量生産の低価格商品は、設計や商品企画では差別化できない。差別化するためにはオペレーション管理によるコスト削減こそ重要なのだ。
ここで、製品ができるまでの工程を考えてみよう。単純な例でCが完成品を組み立てる機械でA->C、B->CとつまりAの機械、Bの機械からそれぞれそれぞれ完成品の部品(それぞれ必要な個数は同じとする)ができてくるとする。
A->Cは10分、B->Cは20分かかるとする。そうなるとB->Cが2倍の時間がかかるので、結局A->Cの生産性を向上しても最終製品ができる時間は向上できない。
実際には工程(ライン)はより複雑だ。このように最も時間のかかる工程、製品の完成を遅らせないためには絶対に遅らせてはならない工程の組み合わせのことを「クリティカルパス」と呼ぶ。
クリティカル・チェーンとはそのラインが鎖(チェーン)のように長く複数組み合わさったものである。
CCPMはクリティカルパスを管理する手法でCritical Chain project managementである。
工場の制約を見つけることによって生産性を向上する方法TOC(小説「ザ・ゴール」で有名)の中核をなす管理手法だ。
実際には複雑な工程が工場内に存在し、その組み合わせは無限に近く、パズルを解く感じである。そのパズルをコンピューターソフトのスケジューラーによって見つけ出す手法(アルゴリズム)がCCPMの現実的な対処法である。
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あなたの仕事に問題を感じているとすると、それはプロジェクトの問題である。
かつてプロジェクトとは「特定の目的を遂行する為の活動」と書いた。
またその際、プロジェクト管理の世界標準であるPMBOK(A Guide to the Project Management Body of Knowledge)についても紹介した。
但し現実的にはプロジェクトを管理するのはソフトウェアを用いないと厳しいだろう。日々修正作業は発生するし、プロジェクトメンバーへの通知、数値的な予測、集計など、人的作業では追いつかないからだ。
そして恐らく最もよく使われているのはMicrosoftのProjectというソフトであろう。別にProjectが一番優れているのかはわからないが、PCのほとんどがMicrosoft Windowsだし、ビジネスで使われる主要ソフトがMicrosoft Officeなんだから、一緒に使うのはProjectが楽なため良く使われるのであろう。
ところが、使っている人に結構話を聞くとその使い方が間違っている。
ProjectはPMBOKを満たしている製品であり、スケジュール管理ソフトでは無いのだ。ところが現実的にはスケジュール管理機能しか使っていない人が多すぎる。これはそもそもプロジェクトに対する概念、知識が無いからだろうと思う。
ところが、Projectは「時間」「コスト」「リソース」というスケジュールのコスト、リソース部分も同時に管理しないとプロジェクトでは無いという発想から生まれている。社内でスケジュールがあるとういことは、そこにはコストとリソース(人)が動くではないか。そしてそれらは一元管理されなければならない。さらにその3つは三位一体で相互補完の関係にあるのだ。
しかたなしにProjectでプロジェクト管理している人も一度プロジェクト理論から見直したほうが良いと思う。
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債務超過とは、バランスシート上の負債が資産を上回った状態のことを指す。
そもそも企業の決算はどうなっているか考えてみよう。
売上高からコストを引いた利益、販売管理費(給料など経費)を支払い、銀行の利子を払い最後に税金を払って当期利益が出る。そこから役員賞与、株主への配当を行う。それでも余った利益は資本の部に組み込まれる。
バランスシートは貸借対照表という名前どおり、左側の資産と右側の負債+資本はかならず一致する。
しかし、赤字を続けた場合はどうなるか。
税金は支払わないが、当期未処理損失となり資本を食い潰すことになる。こんなことが続くと資本の部の資本金よりも当期未処分損失が大きくなり、資本の部がマイナスとなる。資本の部がマイナスとなったら最後負債は資産合計を超える。
債務超過の状態では、資産を全て売却しても負債を返済することはできない。
B/S
┏━━━━━┳━━━━━┓
┃ ┃ 負 債 ┃
┃ 資 産 ┃ ┃
┃ ┣━━━━━┫
┃ ┃ 資 本 ┃
┃ ┃ ┃
┗━━━━━┻━━━━━┛
ソニー中村研究所の中村氏がスマイルカーブとは対極のカーブに対してムサシカーブと名付けた。
世界的にはムサシカーブではなく、スマイルカーブつまり製造工程において最上流、最下流こそが付加価値が高いとされている。他方中村氏は日本の製造業の強みはむしろ製造工程の真ん中に位置する製造・組立であると主張する。
そして「平成16年度ものづくり白書」の報告書によると最も利益率の高い工程は中村氏のムサシカーブそのもの、つまり製造・組立であった。
何故、これほど両極端になるのであろうか。
スマイルカーブの利益率の高い点は、上流工程の研究、開発、設計、そして下流工程の販売とアフターサービスである。
ムサシカーブが日本で見られる原因を自分なりに分析してみたのだが、まず第一に製造が複雑になって、製造・組立においても高度な技術、熟練度が必要となってきているため、技術力、品質で差別化できる要素がある。
第二に、日本が好景気に入り製造業の設備投資が増加したことが挙げられると思う。つくれば売れる(例えば液晶テレビ)のように、むしろ部材不足(パネルは過多ぎみだが)状況においては、部材設備を早く供給できる(つくれる)製造・組立メーカーは競争力があり利益率が高いと思慮される。
そして、製品開発、アフターサービスよりも需要不足のため供給が優先され、まだ価格競争になってきておらず販売において高い利益率が得られるところにあると思う。ワールドカップ、北京オリンピック、デジタル放送化以降にもこのような特需が発生するのであれば、そして日本が製造業として確固たる地位を占め続けることができるのであれば、ムサシカーブを描き続けるのかもしれない。
日本の製造業の空洞化、つまり製造業において部材メーカーは賃金の安い海外に移ったといわれていたが、それも違ったらしい。むしろ国内回帰の動きがある。
部材、材料は高度化され、成分の調整や処理がブラックボックス化されているので、国内メーカーが競争力が強い状況が続いている。
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環境に配慮した経営の一環として、製品の原材料・部品や事業活動に必要な資材などを環境への負担が少ないものから優先的に調達しようとする活動のことである。
ISO14001が環境マネジメントの規格として取得企業が増加しており、その先をいくのがグリーン調達である。
そもそも企業が環境に配慮するようになったのは、最近のことでありそれは企業の社会的責任(CSR)が重要であるとの認識が社会的に広まったからである。
グリーン調達を行う企業は使用禁止物質一覧などを作成し、社内はもちろん調達先にも使用禁止物質が含まれる資材は調達しないよう徹底したガイドラインを設ける。
ガイドラインは法根拠から使用禁止物質を決められるようにしているのが一般的だ。
例えば、鉛などはRoHS、ポリ塩化ナフタレンは化審法1種特定、オゾン層破壊部室は76/769/EEC、放射性物質は原子炉等規正法、六フッ化言おうは京都議定書、その他にもモントリオール議定書指定物質、EU指令などがある。
ISOとは国際標準化機構(International Organization for Standardization)のことであり、「サービスの国際的な交換を容易にし、知識・科学・技術・経済に関する活動において、国際的な交流を助長するため、国際的な規模の標準化とこれに関する様々な活動を発展・促進すること」を目的としている。また非営利団体で本部はスイスのジェネーブにある。あいそ、あいえすおー、いそなど呼び名がいくつかある。
ISO 9000に関しては、品質マネジメントシステムであり、企業などが顧客の求める製品やサービスを安定的に供給する“仕組み(マネジメントシステム)”を確立し、その有効性を継続的に維持・改善するために要求される事項などを規定している。この品質保証に関する要求事項の標準として規格化されたものが、ISO 9000シリーズである。
この規格に基づいて、供給側企業が社内で品質管理システムを自己評価し、第三者(審査登録機関)に依頼して客観的な評価を受け認証取得(審査登録)を行う。
ISOのシステムは、明確な方針・責任・権限の下、業務プロセスをマニュアル化して、それを仕組みとして継続的に実行、検証を行うことである。
ISOのメリット(1) 品質保証マークの意味合いで自社製品の品質をアピールできる。逆に今ではISO9000を取得していないと取引をできない会社も出てきている。
(2) 融資や損保の企業評価項目で優遇される場合がある。
(3) その他各種優遇制度が受けれる場合がある。
(4) 社内の業務フローの確立、実際の品質の向上、社員の品質への意識向上
が上げられる。
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歩留まり(ふどまり)とは、生産面における良品の割合のことである。つまり、不良品ではない製品の割合である。
電化製品、工業製品というのは、いつも同じ条件で製品がつくられるわけではない。
今から10年程度前、初めて液晶ディスプレイを購入したとき、それはパソコン用のディスプレイであったが、液晶表面に何箇所か色が付きっぱなしの場所(ゴマ粒程度)があった。一度気になってしまうとどうも気になってしまい、文句を言いに行った。
すると、それは液晶ディスプレイの特性であり、不良品ではないと突き放された。
それでも文句を言って結局交換してもらったのだが、また同じように光りっぱなしの箇所があってがっかりした。
今ではそんなことはないし、その後なんどもノートパソコンを購入したけどそんな酷い品質は無い。
しかし、当時は液晶はその程度の品質だったのである。
現在薄型テレビ(FPD)は様々なプレイヤーがひしめいている。液晶(LCD)、プラズマ、有機EL(OELD)、SEDとあり、まだ有機EL、SEDは市場に出回っていないが、その高度な技術と品質の高さは液晶、プラズマの比ではないと、もう5年以上期待されている。
それでもまだ市場にそんなテレビな存在しない。
せいぜい、展示会に試作品がある程度だ。
これは多くが歩留まりが影響している。良いものが売れるとは限らないとは、マイクロソフトが証明している。
マイクロソフトのWindowsはマーケティング面からの成功から、PC分野の市場で圧倒的な地位を取り、さらにUNIXなど企業の基幹業務に使われるサーバー分野でも多くの市場を取っている。
これも歩留まりの影響があると思う。MacやUNIXと違い、マイクロソフトのWindowsはハードウェアに依存しない。
その分だけ大量に売ることができるという面では歩留まり的な要素が高いといえる。
また機器では無いので、プログラムにバグがあっても回収しないでオンラインでパッチ(修正プログラム)を配布できる。これもまた歩留まりが高いのに似ている。Windowsはパッチだらけだ!
さて、薄型テレビの話に戻すと、液晶が圧倒的なシェアを取っている。当初は大型はプラズマと言われていたが、液晶が薄型テレビ市場の92%のシェア、プラズマが8%のシェア(日本)である。品質面では液晶とプラズマはメリット・デメリットがあり五分五分であるが。
液晶は品質面、技術面で劣っていても量産化技術が確立されており、歩留まりが高い。有機EL、SEDは歩留まりが原因で製品化できていない。
これもまた品質が良いものが売れるとは限らないことを示している。
本日の日経新聞で台湾のEMS企業が中国へ工場自動化機器(FA機器)の大量販売を予定しているという記事があった。中国における人件費の急上昇から日本の工場のような自動化、合理化が必要であるとのことだ。
工場生産分野では、日本企業が工場ロボット分野では世界の圧倒的な市場シェアを持っていて、ファナックを初めとしたロボットメーカーは大きく発展している。
だが、あくまでも大規模な工場設備であり、人ができない作業を行うロボットであった。
これからは人が行うライン作業の分野が大きな市場となる。この分野こそが日本が最も得意である。そしてこの分野の技術が無くなれば、日本の技術国家としての地位は揺らぐ。
そして刻々と工場内設備が日本から輸出され、コピーされ、同等機能の製品が中国も独自に生産できるようになってきている。
そう考えると、日本製造業は工場生産設備を売りつつ、いっそうの努力を行い更なる自動化、革新技術の研究開発が今重要となってきている。
昨年度から今年度にかけて、急激に利益を伸ばしているのが日本の製造業である。
製造業の中でも、自動車、半導体、液晶が特化している。
その中で半導体、液晶には特有の景気サイクルが存在する。
半導体は材料であるシリコンになぞり、シリコンサイクルと呼ばれ、液晶はLCDのクリスタルからクリスタルサイクルと呼ばれる。
よってどの製造メーカーもこれらのサイクルに景気が左右される。これらの業界の特徴としては、新世代の製品が定期的に誕生することである。市場に登場後は装置も完成品も価格が上昇するが、各社が大型の設備を増産し生産のキャパシティが増加すると、需要と供給のバランスが逆転し、値崩れが起こる。これらが世代ごとに製造装置が改良されることによって、定期的に景気の波が引き起こされる。
このサイクルは約1年で起こると市場で想定されている。このため設備産業、装置メーカーにとってはサイクルに合わせた研究開発、販売、資金回収が大きな経営課題となる。また景気の波に左右されない経営を行うことも各社目指している。
シリコンサイクルは緩和されつつあるが、急成長の液晶テレビ分野においてはシリコンサイクルという想定困難な景気の波に現在各社悩まされているのが現状である。
ガソリンという資源はそもそも限りがあるし、排気ガスは削減の方向に動いているとはいえ環境にとって有害で、車の生産量が増えれば増えるほど、環境を破壊する。
そこで日本の自動車メーカーを中心に電気自動車と燃料電池車の開発が進められている。さて、この2種類のガソリンに変わる代替エネルギー自動車はそれぞれどのようなものかを見ていこう。
ちなみにソーラーカー(太陽光発電車)もあるが、やはり電力不足である。
□燃料電池車
燃料電池はそもそも電池というよりは、発電機である。水素と酸素からエネルギーを作り出し、その電力を利用する。小学校で水に電気を流して水素と酸素に分解したのとちょうど逆のプロセスである。
まだ実用化には至っていないレベルだが、2次電池というLi(リチウムイオン)電池搭載型ハイブリッドなどが研究されている。
低コスト化が課題である。
□電気自動車
電気自動車はガソリン車に比べエネルギー消費量、効率が非常に良い。また、電気自動車は効率以外にも燃料電池と比べ、搭載設備費用も安く済む。
問題は充電する電池のコストだが、こちらもどんどん安くなっているようである。
かつては燃料電池が優勢といわれていたが、電気自動車が逆転してきているようである。それは、携帯電話などの急速な普及から充電方法やLi電池をはじめとした電池の研究とコスト削減が進んだからだ。
いずれにしても早く、害のあるガソリンの車がなくなって欲しいと思う。都内に住んでいると空気が悪くて鼻毛が早く伸びるし、そもそも健康に悪い気がする。
製造業においては、原価計算が必要となってくる。コスト管理だ。原価計算は百社百様と言われるが、上場するにあたっては、精確で正当な原価計算が必要となる。
具体的には、原価管理が財務会計と連動している必要がある。単に部材費用を原価に入れるだけでなく、OH(間接費)を適切な基準で配賦する必要がある。
□製品別原価計算
製品別原価計算においても、生産形態に応じた原価計算方法が複数存在する。
1. 個別原価計算
個別に直接費および間接費を集計する方法
多品種少量生産、オーダーメイド生産向け。
2. 総合原価計算
2-1. 単純総合原価計算
一定期間に発生したすべての原価要素を集計し、製品単位に均等に算定する。
リピート生産形態向け。
2-2. 等級別総合原価計算
一定期間の発生源かを適当な等価係数によって按分し算定する。
単一製品大量生産向け。
2-3. 組別総合原価計算
組直接費と組間接費に集計し、組間接費を各組の製品に按分し算定する。
(組とは製品群を指す)
複数製品大量生産向け。
2-4. 工程別総合原価計算
発生費用を工程別に集計する方法。
標準品の工程別大量生産向け。
液晶テレビを取り巻く企業は非常にコストに厳しい環境にある。液晶テレビの価格下落を見ればわかるだろう。研究開発や設備投資を回収するのさえ困難な環境にある。
かつてのテレビ(CRT)であれば、一部のメーカーが保有技術で独占的に売っていたが、今の液晶テレビ業界は、パネルメーカーは設備がものをいうスケールメリットの世界であり、売り先は選ばない。セットメーカーは部品の標準化を進め、これまたどこでも売れる体制をつくっている。
要するにかつてのテレビと違い、部品を買ってきて組み立てればつくれてしまうのだ。
米国では、そのようなメーカーが調達の合理化(サプライチェーン・マネジメント)とオペレーションの合理化によって利益を確保しながらシェアを拡大する戦略をとっている。
デル(Dell)モデルだ。
例えば、ウエスチングハウスはかつて有名メーカーだったウエスチングハウス(同名)の商標とロゴを取得し、ブランドを購入したが中身はただの組立メーカーだ。
ビジオ(VIZIO)という新興ベンチャーも同様に組立メーカーだが、急速にシェアを伸ばしている。
日本でもバイデザイン社を始めとして、組立メーカーが保有技術を持たずに、しかも自社ブランドで液晶テレビを格安販売している。
しかし、格安販売メーカーはギリギリの戦略を取っているとも思える。液晶テレビは組み立てればつくれるが、そこには高度な組立技術もあるはずである。高圧電流やガラス管(ランプ)があるので、品質基準が大手メーカーと比べるとどうかと思う。
一度でもリコールだしたら大変なことだろうと思うが。
2007 年 3 月1日より中国版 RoHS(電子情報製品汚染予防管理方法)が施行された。
2007年3月1日以降生産の対象商品を中国で販売する場合、中国版RoHS対応表示が義務付けられる。また中国に製造装置や製造用部材を持ち込む際には、規程を満たす必要がある。
RoHSとは有害物質の規制法案であり、欧州で施行されたRoHS同様に鉛(Pb)と水銀(Hg),カドミウム(Cd),6価クロム(Cr6+),ポリブロモビフェニル(PBB),ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE)の6物質を規制対象とされている。
実際には店頭で並ぶ製品には未だRoHSと表示されていないし、形だけ先行したようだ。そもそも中国の役所はアレだから。明確な基準は無いし、力があれば裏でどうとでもなりそうである。
ものづくり白書に企業の課題として熟練労働者の退職と労働力確保が書いてある。つまり労働力・技能といった目には見えない経営資源の喪失が重大な問題として認識されつつある。
だが私は少子高齢化といった国内構造的問題以外にも、企業側(メーカー)の構造にも問題があると思う。
国内メーカーのほとんどが労働集約型の労働力に依存している。つまり機械やロボットが作業できない、代替出来ないから人間を使っている。よって賃金は低ければ低いほど良いという前提があるだろう。他方、開発サイドは知識集約業務であるため、本来成果に応じて給与を上げなければならない。日本のメーカーであれば、本来開発者は高賃金のはずであるが、同一企業内で労働者の賃金格差をつけたくないだとか、労働組合の反発とかから大部分を占める低賃金労働者の基準に近くなっているようだ。
このことから賢い人間は国内メーカーでは働きたいとは思わないだろう。知識集約業務を行っても成果に応じた賃金が得られないのだから。それよりも、サービス業・金融・商社といった低賃金者があまりいない業界の方が高給を得られるから。もっとも企業の国際競争力の観点からは日本メーカーが圧倒的なのだが。
製造業でもものをつくらない製造業(ファブレスメーカー)は、労働者は高付加価値の知識集約業務に専念できるため高賃金を得られる傾向がある。キーエンスなどはまさにその例だろう。
自分が理想と思う日本のメーカーは、世界中から超優秀な知識労働者に開発させ、世界中の低賃金の労働者に生産させる会社である。もっともこのような体制をつくると労働者間の格差が問題となるので、現実的にはファブレス企業として開発体制に特化し、労働集約業務はEMSや外注にアウトソーシングということになるだろう。
マクロの視点で考えると、90年代のように国内製造業の空洞化に拍車が掛かる内容ではあるが、少なくとも現在の知識労働者が低賃金、労働集約労働者が高賃金(例え請負や派遣を増やしても充分高い)の体制は限界があると感じるのだが。
ものづくり白書によると、工場用立地が増加している。2002年から増加しており、立地件数は02年の2倍以上、敷地面積も2倍以上である。
これは、国内製造業の回復のための設備投資の一貫とした用地取得である。07年も国内製造業は増収増益傾向にあり設備投資意欲も旺盛である。ところが、利益率の増加は過去数年間の伸びから鈍化している。
国内製造業の復活と盛んに報道されたが、大企業は確かに利益率も向上し、売上も伸びているが、製造業の大部分を占める中小企業にいたっては大企業ほどではないことをデータが示している。
但し、利益率は悪くとも親会社(メイン顧客)への生産義務(生産しないと他社に取られるという焦り)から、中小企業も旺盛に設備投資をしているのではないかと思う。
設備投資をすると、キャッシュはその時点で出て行くが、その後金利負担と減価償却費(会計上の費用)負担が響いてくるだろう。
さらに、昨年の今頃と比べて経済状況はどうか。昨年は絶好調という雰囲気が、今年はサブプライムローンによる信用収縮から、萎縮している状態であろう。
中小企業にとって痛いのは、日本よりも韓国・台湾といった製造業国家の方が国から手厚い施策により優遇されている点である。
また、研究開発費の伸びについても、中国・韓国と比較すると伸び率は停滞している。
液晶テレビ、半導体は特にそうだが、日本の技術がそれらの国に移管が進んでいる。上場企業をウォッチしていると、液晶・半導体の装置メーカーがそれらの国の顧客からのコストダウンが効いてきているように感じる。
もちろんこれはマクロ的に感じる事であり、個別には大企業の恩恵や県などの施策を享受している企業が伸びている。
聯想集団と鴻海精密工業、サンミナのPC事業を買収【WSJ】
香港(ウォール・ストリート・ジャーナル)電子機器受託製造(EMS)大手の米サンミナSCI(Nasdaq:SANM)は、パソコン事業撤退に当たり、一部資産を聯想集団(レノボグループ,0992.HK)、残りを売上高で世界最大のEMS、鴻海精密工業(2317.TW)に売却することで合意した。
電化製品のブランド名は形だけのものになりつつあるのか?
中身はブランド名のついた企業とはまったく違う会社で作られている時代になった。
その原因は、色々ある。
・デジタル化が急速に進み製品の機構の重要性の低下
・多品種・少量生産・商品ライフサイクルの短縮化に垂直生産で対応できなくなった
・部品のデジタル化に伴う汎用化
・デジタル製品の高級品から汎用品への変化
・グローバル化・物流の効率化
・情報伝達スピードの向上
上げればきりが無いが、日本製造業の伝統的な、商流から企画・設計・製造までの垂直型の生産方式は過去には技術の内部蓄積、品質と大切にされたが、これからはこのやり方では生き残れないだろう。
企画・設計・製造・物流それぞれを全て水平型に、専属企業にアウトソーシングしないとスピード、価格、生産、販売で勝てない。
かつて製造はOEM(相手先ブランドでの販売)という考え方だったがより進化され、EMS化され、ODM化となってきている。
EMS(Electronics Manufacturing Service)とは電子機器製造受託サービスのことである。自社ブランドでの生産を行わず、アセンブリ(組立)に特化する。最近では、資材の決定もEMSが行うケースになりつつある。これはコンポーネントがデジタル化した影響であり、労働集約業務である。
ODM(Original Design Manufacturer)は相手先ブランドによる設計・生産を行う企業であり、 顧客の要求する商品を自ら設計し、相手先(顧客)ブランドで製造、供給する企業である。OEMと似ているが、自社での販売をまったく行わない下請け的要素が特徴である。
iPod等のmp3再生機、Wii、NintendoDS、PSP等ゲーム機、iPhone、Nokia、モトローラ等携帯電話、簡易型カーナビシステムのPND(Personal Navigation Device)、HP、Dell、東芝、ソニー等のノートPC、ネットワーク機器、バカチョンデジカメなど至る所でEMS化している。
液晶テレビも一部EMS化、ODM化が始まっており、デジタル部品の組合せで作れるのでこの流れは変えられないだろう。既にVISIOというメーカーは自社で生産していないが、一時的に米国での販売台数トップに躍り出た。これは品質でなく価格を重視した戦略で量販店を押さえた結果である。
かつての電化製品は、分解すると複雑な機構、部品が沢山あった。それらの多くが内製であり、モーターを専用につくり、機構(からくり)を自社でつくりあげて、コンパクトで高品質な製品ができ、それが日本の強みだった。
一世を風靡したウォークマンにしても、ばらして同じものをつくろうとしても多くの時間を要した。時間がかかるので、参入障壁が高かった。リバースエンジニアリングと呼ばれるやり方であった。
ところが、mp3プレイヤーのように買ってきたものを組み合わせればつくれてしまう。iPodの成功は先行者メリットというよりも、優れた部品の調達(筐体やイヤホンは高品質のもので、電子部品はどこでも手に入るもの)とソフト(iTune)、音楽の買い方の転換(ダウンロード)である。
さて、中国が世界の工場となっている。ブランドは欧米・日本でも生産は中国化という流れは変えられない。
2000年は中国の世界の電子機器シェアは10%弱だったが、今は30%弱まで増加している。
EMSは市場全体が拡大している。
EMS代表格のHon Hai(Foxconn)は急激に成長しているが、2007年はさらに38%も売上高を延ばし5兆円企業になったようである。
・EMS企業リスト
Foxconn http://www.foxconn.com/
jabil circuit http://www.jabil.com/
flextronics http://www.flextronics.com/
solectron http://www.solectron.com/
celestica http://www.celestica.com/
Venture http://www.venture.com.sg/
Sanmina-SCI http://www.sanmina-sci.com/
elcoteq http://www.elcoteq.com/
・ODM企業リスト
全て台湾企業だ。
ASUSTeK http://www.asus.com/
Quanta http://www.quanta.com.tw/
Compal http://www.compal.com/
TPV tech http://www.tpvholdings.com/
Inventec http://www.inventec.com/
Wistron http://www.wistron.com/
Innolux http://www.innolux.com/
こうして見てみると製造業(セットメーカ)の強みは技術力で無くなりつつある思う。
企画力、物流支配力、販売力、ブランド力、管理能力(アウトソーシング能力)といったトータルの能力、プロセス管理能力が問われているのだと思う。
ここ5年ほどの間に中国進出した製造業が数多くある。80年代、90年代に進出した企業と比べると法制度やインフラ環境が整備され、かなり進出しやすい環境にあるようだ。
進出は大手企業から始まり、その下請け業者が生き残りをかけて追従した。2000年に入ってからは、低賃金労働者の活用や中国本土の工場向けの生産で進出した企業が多いだろう。
かつて日本で生き残りを図った部品メーカーは、工場の省力化、自動化といった生産性合理化を図る努力をした。中国進出リスクと国内の高い人件費を合理化で削減することを天秤にかけた訳だ。
ところがその後の経済状況の変化を見ていると、中国進出した企業のほうが成功例が多い感触を感じる。それは製品がそれほど高度化せず、高い技術力を要せずつくれる製品が多いことと、多品種少量でリードタイムの短い製品が多くなったことがあると思う。
中国進出のメリットというのは労働集約型の作業であり、これは高度な技術を要しない製品に適する。多品種少量の短リードタイム製品というのも、作業の段取り(セットアップ)はやはり装置よりも人を動かすだけのオペレーションということで適するのである。
そのようなことも背景にありEMSが成功し、また部品メーカーも中国で成功した企業が多かった。
しかし時代は急速に変化しているように感じる。まずは賃金の上昇スピードがあげられる。中国での生産メリットというのは低賃金で労働者数が圧倒的に多いことだ。それが今崩れている。
新規に中国工場で人を集められなくなってきているのだ。また賃金の上昇スピードも5%、10%など非常に高く、今年に入ってから労働者保護の法律も強化されている。
そのようなことから、低賃金、労働力を中国に求められなくなってきているのが現状だ。
そのため、付加価値の低く、簡単な製品製造は他の東南アジア、アフリカなど移転が進むだろう。一度中国に進出した企業がまた他国に移るのは大変なので、かつての日本のように設備、装置の導入も進んでいく。
更に注目しているのは、中国の上がってきた技術レベル、教育レベルを活用するために研究開発や技術の拠点としての参入だ。
これも間違いなく進むことであり、注目している。
画像処理市場が成長しているようである。ここでいう画像処理とは主に外観検査であり、人間の目視に変わる機械・ソフト・システムのことを指す。
例えば、電子部品、自動車部品と世の中に大量に出る電化製品、自動車、医薬品などは、製造の過程で不良を識別するため、多くの人員が目視で検査している。国内では検査員を集めるのが容易でない(老眼では検査できないので若い人が必要といわれる)が、海外(とりわけ中国)では10代の労働者が大量に目視で検査しているのが一般的だ。(組立も人がやっているのだが)
このような分野はFA(Factory Automation)分野と言われるが、にわかに注目を浴びているのは、部品が微細化してきており目視では検査できず、顕微鏡を使うにしても大量に必要でコストが掛かるという点、人件費が向上している点、外観検査装置が安くなってきている点、外観検査の機能が向上している点、人の検査では品質が一定にならない点などが上げられる。
そもそも検査なので付加価値を産まない工程ではあるが、部品等の製造には欠かせない工程でもあるため、有る程度の投資が必要という認識が生まれてきたのかもしれない。これまでも外観検査導入を試みた企業は多いようだが、多品種少量生産の時代になり、検査装置導入よりも人のほうが手っ取り早く、段取り代えも楽だったために導入が進まなかったのかもしれない。
PCB(print circuit board)や半導体分野では、そもそも人の目視の能力では限界であり、早い段階で画像検査装置が導入されていた。
最近で画像処理分野が盛り上がる背景のコストの安さ、機能の向上に関しては、PC(パソコン)の価格が劇的に下がり、処理能力が劇的に向上したことが大きいと思う。また、画像処理アルゴリズムも向上され、市場が形成されたことにより、これまで自社開発していた画像処理ライブラリ(アルゴリズム)が、特化した企業から買えばシステムを構築することができるようになったことも大きいと思う。これはIT(SI)業界の発展と同じで、システムエンジニアはプログラム能力やハードウェア知識よりも顧客の業務知識が重要になったのと同じ現象に思える。
他の画像処理市場では、車載(ITS)分野やセキュリティ分野が注目される。これらも価格下落と機能向上が利用価値を生み出している。