›1 30, 2012

悲惨な日本電気(NEC)の大リストラ

Posted by skillstorage at 03:50 / Category: イノベーション / 0 Comments

かつて日本電気は通信機器、電算機器の開発で世界をリードし、高度成長期の波に乗って成長した企業である。その呼び名も日本電気のニチデンから今ではNECという名称が世界で知れ渡っている。
しかしながら、過去10年以上に渡り、NECのコアコンピタンスである情報通信技術力は急速に失速し、長期に渡り低迷している。

その間、NECはものづくりを辞め、ソリューションそして今はクラウドといったネット技術に舵を大きく切ることとなった。
ものづくり製造装置の子会社であったアネルバ、ニチデンマシナリーはキヤノンに売却、カイジョーはファンドに売却、レーザ技術はファンドからオムロンへと売却された。

そして、今回の11万人いるグループ正社員の4・5%にあたる国内で7000人、海外3000人リストラ発表である。
国内で7000人もの失業者を受け入れる製造業はもはや存在しない。

NECの時価総額はわずか4000億円であり、たかだかモータ部品メーカの日本電産の1兆円の半分にも満たないのだ。
技術力ではアップルに勝っておきながら、製品力、ビジネスモデルの敗退である。アップルはわずか1四半期で1兆円もの利益を挙げているのだ。

そしてこれはNECだけの問題では無い。ソニーも日立も東芝も、日本の家電メーカはもはや競争力を失い、ビジネスモデルの転換に右往左往しているのだ。
リーマンショック後だけで、電機メーカはこれまで次のように大リストラを行ってきている。
08年12月 ソニー、1万6千人の削減
09年1月 NEC、2万人超の削減
09年1月 日立製作所、7千人の削減
09年2月 パナソニック、1万5千人の削減
09年2月 パイオニア、1万人の削減
11年4月 パナソニック、3万5千人以上の削減
11年10月 TDK、約1万1千人の削減
12年1月 NEC、約1万人の追加削減

電機メーカ各社のものづくり分野の撤退、リストラは進み、国内産業空洞化は深刻化を増すだろう。

NECはライバルの富士通とも時価総額で2倍ほどの差をつけられてしまった。いっそのこと富士通への売却もしくは合併し、徹底したリストラをしたらどうだろうか。


›1 24, 2012

もし小泉進次郎がフリードマンの『資本主義と自由』を読んだら

Posted by skillstorage at 23:58 / Category: 書評 / 0 Comments

経済学者ミルトン・フリードマンの提唱する自由主義観(リバータリアリズム)は今でも健在だ。革新的でもあり、資本主義の問題の核心を突いている。

本書では、マンガで近い将来起こりうる大きな日本の問題に対して、小泉進次郎がフリードマンの政策を大胆に実行する姿を描いている。

物語は2015年最初の国債入札で、長期国債が大量に売れ残り、長期金利が急上昇する場面から始まる。
これまで護送船団だった邦銀がいっせいに国債を売り始める。長期金利が1%上がると1兆円の損が出るメガバンクが大量に売りに走り、外資系ファンドも大量の空売りをかけ始めた。国債は暴落し長期金利は10%を超え、邦銀は数十兆円の含み損を抱え、日経平均株価は6000円を割った。

小泉進次郎は総裁選挙「新たな小泉改革を行なう」という主張を掲げ当選した。

経済学者ミルトン・フリードマンの『資本主義と自由』には次の「10の約束」が提唱されている。小泉進次郎が演説でスクリーンに映し出したそこには次のような政策が書かれていた。
1.農業補助金の廃止
2.関税の撤廃
3.最低賃金の廃止
4.企業に対する規制の撤廃
5.政府による電波の割当の廃止
6.公的年金の廃止
7.職業免許の廃止
8.教育バウチャー
9.郵政民営化
10.負の所得税

あまりにも本質的な改革ではあるが、これは同時に既得権益者の利益を大きく損ねる政策でもある。次々に日本経済に襲い掛かる問題に小泉進次郎とその仲間は戦うこととなる。
マンガで読みやすいが、真の自由主義、そして資本主義の本質について考えさせられる大作である。


›1 05, 2012

製造業の海外生産移転戦略

Posted by skillstorage at 03:54 / Category: 経営戦略 / 0 Comments

先進国は景気低迷に苦しむ中、今後も雇用なき回復(Jobless recovery)でゆるやかに経済成長していくしかないだろう。
グローバリゼーションは、労働力の移転を容易にし、労働集約型産業である製造業は賃金の安い発展途上国に工場を移転し、国内サービス産業の労働者は賃金の安い移民を使う流れを加速させた。

今や日本でも国内産業の保護であるとか、移民の受け入れ拒否などと言ってはいられないのだ。何故ならば、関税撤廃など自由貿易の推進は経済学の観点から、確実に経済成長に導くものであるからだ。規制と保護貿易は自由経済下では経済発展の足かせとなる。

その結果、能力を持たない者、付加価値のない産業は安い賃金や発展途上国へと移管されることとなる。

昨年は「ウォール街を占拠せよ」の運動が注目を浴びた。資本主義のマネーゲームの支配者であり搾取者である、ウォールストリートの投資銀行は米国全部の富のを独占しており、残りの「99%」は虐げられているというスローガンであった。

日本では産業界の6重苦に苦しめられており、かつて日本の経済発展の礎であった製造業の国際競争力を低迷させた。

<産業界の6重苦>
1.円高
2.世界一高い法人税率
3.自由貿易協定(FTA)、TPPの立ち遅れ
4.電力不足
5.製造業の派遣労働禁止
6.温室効果ガス排出量の25%削減

もはや、国内で製造してもコスト競争力でウォン安で優位な韓国や賃金の安い新興国にはとてもかなわない。

日本の唯一の希望は超「円高」である。日本国内で安くモノを買えるということだけが円高のメリットでは無い。
海外で円を換金して現地通貨にするさいにも円高のメリットは享受できる。

超円高の今こそ海外に投資する絶好のチャンスなのである。
製造業は賃金と通貨の安い国家でものをつくり、それを先進国に輸出するしか活路を見いだせない。

BRICsをはじめとして、人口がとてつもなく多く経済成長の著しい国が存在する。
今後は「地産地消」として安い賃金であるBRICsやVISTAで製造から販売まで手掛ける企業がいち早くマーケットシェアを取れるだろう。

さて、日本の区や市など地方自治体までもが、製造業の海外移転をサポートしている時代となった。
(財)大田区産業振興協会は、タイにオオタ・テクノ・パークという工業団地をつくり、海外移転を促しているし、他の地方自治体でも同じような動きがある。

大企業の製造業の多くは、国内では研究開発と生産技術の一部しか残らず、生産を海外移転してしまった。
中小企業が活路を見出すのはもはや海外移転と新しいマーケットの開拓しか無いだろう。


›1 04, 2012

疲労回復にはサウナ

Posted by skillstorage at 03:57 / Category: 健康法 / 0 Comments

年末から年明けにかけてスキー場のリゾートホテルに宿泊した。かつてバブルの頃建てられたホテルは、2度の倒産を経て再建の途中である。
バブルを象徴するゴージャスな建物と外装に驚くと共に、設備の改修が満足に行きわたっていない侘しさも感じた。
かつては会員制の高級リゾートだったのが、驚くほど安く泊まることが出来たし、リフトで並んで待つことも無かった。

バブル経済はとっくに崩壊し、今では中国人など外国人富裕層が日本人よりも良い部屋に泊まり、優雅に過ごしていた。

毎年、元旦の朝刊各紙を読むのが楽しみであるため、国内の極寒の地で過ごしたのだった。マイナス15度の寒さでスノーボードを楽しみ、冷え切った体を温泉につかり癒し、食べ放題のビュッフェを堪能するのは至福の時であった。

今回は久しぶりのスノーボードで、体中が動けないほど酷い筋肉痛となった。次の日起きたら痛みが酷くて辛かったのだが、サウナで驚くような回復を得られた。
そこでサウナの疲労回復効果について調べてみたのだが、日本でサウナが普及したのは比較的新しいことが分かった。

北欧では古くからサウナが親しまれてきたが、サウナが世界に知られるようになったのは、フィンランドのオリンピック選手が疲労回復のためドイツに持ち込んだことによるらしい。その後、日本では東京オリンピックで選手の疲労回復で選手村に置かれることとなり、一般市民の使う温泉や風呂で設置されるようになったのは更に後のことのようだ。

熱い風呂に入り体が温まった後に、90度近いサウナに入り汗をたっぷりとかく。フラフラと限界に近づいたら、今度は水風呂に入る。血流が早くなり、疲労物質が老廃されていき、一気に体を冷やすことにより今度は血流を遅くする。血管は収縮され体の芯の熱さを封じ込める効果があるという。

これを何度か繰り返し、最後に水風呂に浸かって出るのだが、体の温かさは何時間も続く。

これによって驚くほどの疲労回復と筋肉痛からの解放が得られた。