過疎化が進んでる多くの地方都市が存続の危機に立たされている。地方創生の名の元に、かねてから過疎債や地方交付税によるバラマキが行われてきた。
商社やブローカーが地方自治体に押しかけ、行政と一緒になり無駄な箱モノ行政が行われた。
これは地方によくある光景である。
その結果、現在では財政維持ができずに滅び行く自治体が多数ある。
「プラチナタウン」に登場する町も、産業が無い地方都市だが100億を超える債務が残り、財政再建団体になろうかとしている。
町長が退任し希望を失った町役場は、町を去り日本を代表する総合商社に勤務する中年に希望を託すこととなる。
この話に似た光景はいくつもの地方自治体で見ることができる。そういえば、うちの父親の出身の田舎でも同じ光景が繰り広げられた。
人口減少の一途にあり、大都市からも遠く、目立った産業は無い町で、町長の横領によるリコールが行われた。
この話と同様に、東京で働く初老の金融マンが同級生から声を掛けられ、町長に立候補して当選した。
プラチナタウンでは、田舎ならではの自然と土地の安さから、町長は老人ホームの建設に奔走する。
これまた、目新しいプランでは無い。
米国のアリゾナ州は夏は50度を超える日もある砂漠地帯だが、Sun Cityという町がある。ここは砂漠の何もなかった土地に不動産デベロッパーが高齢者向けに人為的に建造した町だ。
病院、教会、ショッピングセンター、そしてゴルフ場やテニス場を完備しており、富裕層の高齢者専用だが商業的にも成功している町だ。
この町では、自動車の速度制限が厳しく、老人が自宅からそのままゴルフカートで公道を走り、ゴルフ場に向かう姿がよく見られた。
先進的な取り組みだと見ていたが、高齢化が進む日本で見習うことは多いと思ったものだ。
プラチナタウンが行おうとしているのは、民間の力を借りて財政を立て直すこと、地方創生であり、町の再建である。
もちろんそこには利権がらみの汚い連中が大勢いる。しかし、リーダーシップとビジネスで学んだ収益管理とビジネスプランで何とか、町民に希望を与え続けようとする必死な姿に心を打たれること間違いない。