AISAS理論とは、マーケティングにおける消費行動のプロセスの頭文字をとったものである。
リアルの世界では、AIDMAモデルと呼ばれる消費行動プロセスであったが、インターネットによって消費行動プロセスは激変した。
AIDMAは、
・Attention(注意)――マス広告などによって注意を引かれる
・Interest(関心)――商品に対する興味を持つ
・Desire(欲望)――商品を欲いと思うようになる
・Memory(記憶)――商品やブランドを覚える
・Action(行動)――購買行動を起こす
であったが、
AISASでは、
Attention(注意) ――マス広告・Blogなどから注意を引かれる
Interest(興味) ――商品に対する興味を持つ
Search(検索) ――Yahoo!、Google、Amazonなどで検索する
Action(行動) ――購買行動を起こす
Share(情報共有) ――Blogや購入サイトにカキコする
見比べるとわかるが、ネット特にWeb2.0によって消費行動プロセスが激変している。
特にネット以前では、
Memory(記憶)しておいて、店に行ったときに思い出して買う、もしくは探し出す手間というのが莫大な時間がかかった。ここが一番時間のかかるところである。
数時間~数週間、数ヶ月とかかる。
ところがネットでは違う。
興味を持ったらすぐSearch(検索)し、購入できる。せいぜい数分~数十分である。
さらにWeb2.0では口コミが重要な意味合いを持つ。広告よりも口コミを信用するからだ。
Blog、SNSの最大の特徴は口コミだと思う。このShare(情報共有)というのが重要だ。
さらに言えばAction(行動)というのは、オークションによる購入。比較サイトから最安値の店を探し出しての購入、もしくは海外からの購入といった多様な選択肢ができた。
デジタル製品である音楽、映画に関しては購入という選択肢だけでなく、ダウンロードという選択肢もできた。iTuneやNapsterのような有料のものから、Winny、シェアー、CabosといったP2Pによる交換で無料で欲しいものがゲットできるようになった。
資本金が大きいことは信用面、企業の体力面(資金面)で大きなメリットがある。他方、法律上資本金が大きいことによるデメリットも存在する。
増資によって資本金を増大させようと思う前に、デメリットも押さえておこう。資本金1億円が壁として立ちはだかる。
資本金が1億円超となると、税額控除や特別償却の適用を受けられなくなることがある。
事業税の外形標準課税の適用を受ける。
交際費の損金が一切認められない。(資本金1億円以下は年間で400万円の交際費が認められる)
資本金1億円以上は国税局調査課所管となる
各種登録免許税が高い
資本金1億円超の会社の子会社も同様な扱いを受けることもある。
今後の改正によっては、資本金1億円以上の場合公正取引委員会の下請法により買掛支払サイトなど問題が出てくる可能性もある。
フロント企業とは、暴力団・ヤクザ関係者がその背景を隠して経営する企業のことである。企業舎弟や暗黒企業と呼ばれたりもする。
企業の利益及び得た資金は、ヤクザのシノギ(資金)として上納される。近年、業績低迷の上場企業へファンド出資という形で入り込んだり、外資系銀行を経由してのマネーロンダリングなど、手口が高度化している。
ここ数年で、上場している企業で、リキッドオーディオ、大盛工業、アドテックス、メディアリンクスが取り上げられたが、それ以外にも多数存在のニオイがプンプンする。
フロント企業とまったくわからない企業も多数存在すると言われている。それらの企業は民間情報会社の与信を取ってもわからないと言われている。もちろんフロント企業の連中もパンチパーマでは無く、小指もついていて、ドスの関西弁でも無く、普通のサラリーマンの風貌であるのでますます判別が困難である。
だが、大抵服の下には刺青があるのが特徴らしいが、普段のスーツ姿からでは判別不可能だろう。
企業の製品開発スピードの向上が叫ばれている。競合よりもいち早く新製品を投入できるからが市場を取れるかどうかがカギとなっている時代である。
このような考えはそもそもIT・ソフト開発において行われていた。いち早く製品を投入するためには、バグがあってもかまわない。
その結果ベータ版がまかり通り、品質が低下した。
昔のソフトであれば、少ないメモリを有効活用するためにプログラミングに気を使ったものであるが、今ではメモリなんて気にもしない。APIや関数やオブジェクト指向という考えも以下に早く製品化するという考えがある。
製品化においては慎重であった。ソフトと違い、品質が悪いとリコールにつながるからだ。ソフトであれば修正プログラム(パッチ)で済むのと、実際にモノがあるのとの違いだ。
その結果ソフトはプロトタイブモデル、ものづくりは上流で完全に仕様を決めるウォーターフォールモデルが主流である。
さて、有限要素法は、数値近似解析解析手法の一つであるが、実際の機械設計の分野で開発スピード短縮の手法として使われる。
モノ・材質に対する認識を簡素かでき、原理を知らずとも近似解を求め複雑な形状もで解析できるのが特徴である。
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慶弔(けいちょう)とは、祝い事ととむらい。結婚・出産などのよろこび事と葬式。
似た言葉に冠婚葬祭があるが、慶弔は企業にとって社員への補助、福利厚生的な意味合いで慶弔金や見舞金といった贈与を行うことを指す。
慶弔見見舞金にはざっと下記のようなものがある。
(1) 結婚祝金
(2) 出産祝金
(3) 弔慰金
(4) 傷病見舞金
(5) 災害見舞金
逓増定期保険はあまり一般的には耳にしない名前の保険であるが、企業の節税対策として有名な保険である。
特徴として、一定の期間を経ると保険金額が増加する保険である。
ただし、定期保険なので保険期間内に被保険者が死亡すると保険金が支払われるが、保険期間が満了した後も生きていた場合、保険金は一切支払われず、契約が消滅してしまう。
まあ節税対策に使うのがメインだろうから、そのような特徴はその場合関係ない。節税としての特徴は下記のとおり。
1.保険料が全額損金算入可能
2.途中解約時の解約返戻金額が高額かつ、一定期間まで増加する
全額損金というのが大きい。法人税分実質的にキャッシュが増え、返戻金は一定期間後には実質的に100%を超える。これは国が税金を取れなくなるからだ。もっとも保険会社の運用益から税を徴収することになるという考えになるが。
全額損金算入可能というのは改正される可能性がある。その場合半額が損金となり、節税メリットは大きく低減してしまう。
本来の保険としての価値が少ないのであるから、この場合逓増定期保険が生き残れるのだろうか?
日経ビジネス3月12日号に大黒屋の裏口上場が紹介されている。
上場には上場基準を満たすための管理体制、証券会社に引き受けてもらうだけの魅力が必要である。
そのために途方も無い努力をするものである。
ところが、この裏口上場のスキームでは、ジリ貧死亡間近(というか上場企業でなかったら倒産)の上場企業をハコとして使い、買収される形で実はハコを乗っ取るというスキームである。
具体的には、ディーワンダーランドという上場企業だが売上4000万円、営業損益-121百万円というとんでもない会社がハコとなり、ファンドを通して大黒屋オーナーなどが出資した金を元に大黒屋を買収するというスキームが描かれていた。
また、そこにはジリ貧の多数の上場企業が入り込んでいる構図も明らかにされている。
ここまで怪しげなことをわざわざしながら上場企業というステータスを手に入れたいのか疑問が残るが。
そういえば米国でも中国企業が同じようなスキームで米国市場に裏口上場するスキームが流行っていると記事で読んだな。
業績が低迷し資金調達が必要な企業がエクイティによる機動的な資金調達としてMSCBがある。だがMSCBは確実に割当先が空売りし儲け、既存株主が希薄化と株価下落による打撃を受けるとして非難が激しい。
その点を若干解消する手立てとして、ゴールドマンサックスの「エクイティファシリティ契約」とメリルリンチ「エクイティコミットメントライン」が開発されている。
行使時期を限定し、転換のタイミングを発行体側に権利として保有させることにより、MSCBの柔軟な調達の特徴と株価下落、空売りによる被害を低減させるのが特徴である。
行使を希望する場合、企業は一定期間内に行使を強制することができる。他方、株価動向などを勘案し行使を希望しない場合、行使を禁止することができる。
だが、株価が下落し続け運転資金調達が必要な場合には行使せざるを得ない可能性があり、その場合はMSCBに限りなく近くなると思う。
企業の資金調達手段はB/S(貸借対照表)に計上される。大きく負債における借入金、社債と自己資本(純資産)における資本金、剰余金である。
銀行などからの融資は負債側に計上される。社債は直接金融であるが借入金同様に負債に計上される。
自己資本側は、返済不要な資金調達であり、税引き後利益のうち配当など株主に還元した余りは会社の繰越利益剰余金として積み上がっていく。
もしくは増資として資本金となる。
自己資本の毀損とは、自己資本(純資産)が食いつぶされている状態である。利益は繰越利益剰余金となるが、赤字の会社は繰越損失として自己資本が減額される。
自己資本の毀損が続けば、自己資本はどんどん食いつぶされやがてマイナスとなり、負債が資産を超えると債務超過となる。
中小企業(資本金1億円以下)が設備投資を行った場合の優遇処置として、中小企業投資促進税制と中小企業等基盤強化税制がある。
中小企業投資促進税制はほぼ全業種に採用可能だ。
□特別償却制度
特別償却制度とは、取得価格の30%を、通常の減価償却とは別枠で特別に償却できる制度である。
設備投資は現金払いになるが、減価償却は多年度に渡るので設備投資をした年というのは資金繰りが非常に苦しくなるのが世の常だ。
できる限り損金で落として、損失を現実のキャッシュアウトとそろえるべきだ。
□税額控除制度
税額控除制度とは、法人税額から税額を控除できる制度で、その分だけ納付する法人税額が少なくなる。
・取得の場合:取得価格の7%
・リースの場合:リース費用の総額の60%×7%
制度を使うか使わないかは、トータルの節税の現在価値と資金繰り状況から判断すると良いだろう。
設備投資には資金調達が伴うが、多額の資金調達をしても全額損金にできたら税金を払わなくて済むので資金にゆとりができ返済を前倒しにできる。
DCF法によるキャシュの現在価値に直す観点で考えても償却は早いに越したことは無い。
粉飾の論理を読んだ。
カネボウ、メディアリンクスの粉飾について詳しく書かれている。どちらも基本的なスキームとしては商品を販売し、翌期に買い戻すという手法で売上を計上した点だ。
メディアリンクスなんかは、上場前から粉飾で、販売する商品自体も存在せず、架空の売買だった。
その仕組みを多くのIT企業が利用し、CTC、ライブドア、NTTコムウェアなど多くの信用有る企業、上場企業、新興企業がその仕組みを利用していたことが明らかになった。
要するに、IT企業は売買の仲介に入ってわずかな手数料と莫大な売上高を計上していた。
さらに、IT企業の特性として、原価性がわかりずらい点や、下請け外注を利用した前渡金などのの科目による損失の資産化による持ち越しなど、手法が多様である。
ライブドアの場合は、売上計上できない株式売買による資産計上すべきところを売上と利益に計上した点であるが、スキームが多様している。
さらに、ファンド(投資組合)の匿名性もフル活用して、仕手屋や乗っ取り屋が新興上場企業に群がっている構図もわかる。
上場する際の審査に問題がある点も多いと感じた。怪しい監査法人は、粉飾を知りつつ監査証明を出しているのが現状だということもわかった。
しかも未だに粉飾続行している上場企業、乗っ取り屋などに支配されている上場企業が多数あることをうかがわせられる。
怪しい第三者割当による増資なんかは、ファンド名が海外が多く金の出所が投資家にとって不明瞭な点が多いので、相当注意する必要を感じた。
末期症状の粉飾企業は、最後に手形を乱発するのが定石になっているが、これなんかは投資家は知りようも無い。
自分で調べる限り、相当怪しい上場企業が存在する。というか、健全であった企業も悪意のある連中に介入されてしまうところも出ている。
手口も勉強になるが、投資家としての視点でも勉強になる本であった。
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Googleにも16億5000万ドルで買収され、画期的なイメージであったYoutubeだったが、なんかもう下火になった感じなんだが。
というのも、これは日本の放送業界がYoutubeに対し著作権を追求しているので、一般消費者がテレビ番組をアップロードするのが下火になっているから。以前ならテレビ終了後にガンガンとアップされていたのが、最近では新しいテレビ作品が見れない。
自分の周りでももうYoutubeでみたい動画が見れないと使う回数が減ってしまった人が多い。
結局、違法P2Pの代替製品みたいな位置づけだったのかなと思う。技術的には動画をアップするということ自体はたいしたことが無いし。
コンテンツが命のサービスで、コンテンツが閑散としてしまってはね。
そういえば、Youtubeの創業者お二人だけども、株式交換で手にしたGoogle株も売却して、うまいタイミングでサービスつくって売却できたと思う。
株式交換とは、子会社株と交換に親会社株を交付して、その交換相手の会社を100%子会社にすることである。
株式交換は、親会社側も子会社側も株主総会の特別決議(議決権の2/3以上の承認)が必要であり、また株券提供公告、反対株主の買取請求権の行使期限などで、議決から株式交換実施まで1ヶ月以上の手続きがかかる。
・簡易株式交換
親会社側の発行済株数の5%以下で、特定の要件を満たせば親会社側の株主総会を省略できる。
モバイルのGreeなんだが、大成功したモバゲータウンにクリソツ
こういう会社が未だにいることに憤りを感じます
DeNA側もGreeに対しては相当怒っている模様だったが。
川田COOは「モバゲーの特徴がすべてEZ GREEに組み込まれていて、しびれているところもある」
早く訴訟にならないかなー、と思う今日この頃。別に恨みとか無いんだけど、最初に必死でつくった人が可哀想
ストックオプションとは、会社の役員や従業員が、一定期間内に、あらかじめ決められた価格で、自社株式を購入できる権利である。
株価が上がれば上がるほど、社員や役員が得られる利益も大きくなる。通常の株券を保有するのと違い、株価下落時には行使をしなければ良いので、株価下落リスクが無い。
そういった面では、株は社員・役員へは購入させたほうがモチベーション面では効果が高い気もする。だが、株券を持たせると配当支払、議決権が発生するので実際の株券は会社が上場してからのタイミングにすべきという考え方もあるだろう。
ストック・オプションを役員・社員へのモチベーション(モラール)向上のために実施する場合、下記のメリットがある。
・現金不要(株を将来刷れば良いだけ)
・使用人と株主の利益の一致
・株価という明確な指標・目標
・税制上優遇される(社員・役員は税制適格要件を満たし、売却時課税で低い税率で済む。行使時には課税されなくて済む)
企業が発行する株式を、複数の種類の株式に分けることによって創業者メリット、株主メリットを発揮することができる。
実際には、その会社の事実上の支配者(筆頭株主)の思惑どうり円滑に運営させるために種類株を発行する。
・優先株式
利益もしくは利息の配当または残余財産の分配を他の種類の株式よりも優先的に受け取ることができる株式
・配当優先株式
利益配当に関して優先した取扱いを受ける株式
・普通株式
通常の株式
・無議決権株式
議決権のない株式
・黄金株
議決に対する拒否権を持つ株式
・譲渡制限株式
保有株式の第三者譲渡を制限された株式。非上場企業であれば、株式の転売を通常禁じるようにしているが。
梁山泊の豊臣春国容疑者ついに逮捕されましたね。ビタミン愛にも捜査が入り、これから一部の新興上場企業にもメスが入るのでは無いかと思います。
上場企業は厳しく暴力団との係わりを禁じているのにもかかわらず、投資組合や経営幹部へと入り込んで来ているところに恐ろしさを感じますな。
日本版SOX法とは、JSOX法とも呼ばれるが上場企業に対し内部統制の監査人による監査証明の義務化を指す。
法とはついているが、法律があるわけではない。
日本版SOX法により、現在上場企業が内部統制の確立、コーポレートガバナンスの徹底を行っておりその管理コストが異様に上昇している。
しかもまだ日本版SOX法は開始されていないので、その指針が確立されておらず、試行錯誤で準備に励んでいる。
日本版SOX法の内部監査を選任で行っている知人に何人か聞いたが、そのような内部統制の徹底が形骸化しないか危惧している。仕組みで徹底しても日興コーディアルのように利益操作を行ったり、個人情報が漏洩したりすることは抜け道はいくらでもあり、倫理の問題でもあるからだ。
いずれにせよ、効果があるか無いかわからいまま、管理コストが上昇している気がしていると語る人が多い。
新規に上場する企業、とりわけ中小企業にとってはこの管理コストの上昇は大きなダメージとなり、上場計画中止に至るところも出てくるだろう。
これは企業にも個人にも言えることであるが、手持ち現金は十分に確保しておくべきである。
企業においてはいわゆる運転資金が重要視されるが、その中でもやはり現金および現金同等物は十分に確保しないといけない。
というのも、資産は十分に持っていても、それが流動性(換金性)が無いばかりに現金の支払ができないということが良くあるからだ。
上場企業も今の時期資金繰りに困っている会社が多く見受けられる。そうなると資産を激安で売却する必要に迫られたり、怪しい社債、第三者割当、詐欺といった被害に合う。
一番強いのは現金である。最も持ちすぎても問題だが。
個人においても同様である。ここ数日の全世界株安、円高といった現象で、信用取引をしている個人投資家は証券会社から「追証」を求められるため、手持ちの株の売却に走っている。
かわいそうなことに追証のために含み損を抱えたまま売らないといけない。
もし現金があったら何にも困ることは無く、逆に安い状況なので買い進めることができるのに。
というのも今回の世界株安はファンダメンタルズに変化は無いというのが、世界各国政府の主張なんで。
要するに、「貧乏人は益々痩せ、富める者は益々太る」ということやね。
インスペック社はホームページのIRに公開時の目論見書から短信から有価証券報告書まで用意されているので、見てみると恐ろしい体質であったことがわかる。
何しろ債務超過が続いていた会社だったのである。債務超過解消も単に利益の内部留保ではなく、増資であったことがわかる。
インスペックはVCが入っていたが、普通の会社であったら債務超過で潰れていただろう。こういった状態で銀行は金を貸さないだろうし、営業キャッシュフローは無い状態だったのだから。
ここでもVCの力は発揮された。そして上場に至ったわけである。
債務超過が解消されてからは、飛躍的に伸びた。
恐らく研究開発が実ったか、製品需要(液晶関連)ニーズが上昇したかである。
現在は上場しているが、リスクマネーの投入が無かったら存続できなかったであろう会社である。
上場時からはこういった過去の財務体質からか、製品の魅力に欠けたからか株価は大幅に下げた。
そして今期中間決算では、またしても営業利益が赤字になっている。
そう考えると、上場までにVCが財務から管理まで体制をサポートし、上場したら終了してしまったようにも見える。
液晶テレビを取り巻く企業は非常にコストに厳しい環境にある。液晶テレビの価格下落を見ればわかるだろう。研究開発や設備投資を回収するのさえ困難な環境にある。
かつてのテレビ(CRT)であれば、一部のメーカーが保有技術で独占的に売っていたが、今の液晶テレビ業界は、パネルメーカーは設備がものをいうスケールメリットの世界であり、売り先は選ばない。セットメーカーは部品の標準化を進め、これまたどこでも売れる体制をつくっている。
要するにかつてのテレビと違い、部品を買ってきて組み立てればつくれてしまうのだ。
米国では、そのようなメーカーが調達の合理化(サプライチェーン・マネジメント)とオペレーションの合理化によって利益を確保しながらシェアを拡大する戦略をとっている。
デル(Dell)モデルだ。
例えば、ウエスチングハウスはかつて有名メーカーだったウエスチングハウス(同名)の商標とロゴを取得し、ブランドを購入したが中身はただの組立メーカーだ。
ビジオ(VIZIO)という新興ベンチャーも同様に組立メーカーだが、急速にシェアを伸ばしている。
日本でもバイデザイン社を始めとして、組立メーカーが保有技術を持たずに、しかも自社ブランドで液晶テレビを格安販売している。
しかし、格安販売メーカーはギリギリの戦略を取っているとも思える。液晶テレビは組み立てればつくれるが、そこには高度な組立技術もあるはずである。高圧電流やガラス管(ランプ)があるので、品質基準が大手メーカーと比べるとどうかと思う。
一度でもリコールだしたら大変なことだろうと思うが。
昨年上場した製造業プロデュース社の資本政策を見てみた。ここのところ株価急降下しており、また上場後非常に高い株価がついて資金調達ができたにもかかわらず、もう既に資金繰りが苦しそうなので興味を持った次第だ。
EDINETの有価証券報告書には資本金等の推移ということで過去の資金調達が詳しく書かれている。
最初の5万円での第三者割当は、おそらく額面である5万円である。ここから株式分割を3回行うのであるが、分割前の数値に直すと株価が恐ろしいほど上昇していることがわかる。
ただ、この頃はまだただの町工場レベルだったろうと思う。
まず最初の5万円であるが、創業者への割当とういことで税法上認められる株価で算定したのであろう。
その後、VCなどからの資金調達ラッシュが続く。上場までのVCからの資金調達は総額9億5千万円という計算結果になる。
資本金には半分入れ、半分が資本準備金として組み入れられたはずである。
驚くことに株価は最初の5万円から、半年で12倍になっている。(分割前の株価に直すと)
その後も株価は上昇を続け、さらに株式分割を行った後は、24倍になっている。このような株価で引き受けたということはもう上場が見えたということだろう。
その頃には、取引先のような事業会社からの出資も見える。
上場前にストックオプションを行使して、潜在株を減らしさらに株式分割を行っての上場である。
最終的な上場時に株価は最初の100倍を越えている。
上場前においても高い株価によって資金を調達することにより、創業者のシェア維持が保てた格好になる。
ちなみに、上場前でも9億円以上の調達をしている。
後のVCほどうまみは無いが、リスクもなかったということだろう。
創業者にとっては大成功だった資本政策だったと思う。
VCも上場させるために必死に支援しただろう。だが、上場後はVCは処分を急いだはずだ。
VCが売り出す株が一般投資家が買う形になる。
また、今期でやたら管理部門の人員強化と人件費の上昇が見れるが、それは上場前はVCが支援したが上場後は自社でやらないといけないための強化なのかなと思う。
昨年の設備投資は旺盛だったし、日経平均も良かったので上場時期は非常に良かったと思う。
これからが勝負だと思う。上場した資金は工場の拡大に使った。営業キャッシュフローも無い。
国内も国外も設備投資動向は不明確だ。
しかし上場前に約20社のVCや事業会社から金(しかもすんごい高株価で)を集めるってすごいなと思う。結果的にはVCも儲かったでしょう。まだ保有しているところもあるので、株価が下がり続ければその限りではないけど。
会社法は、株主の基本的な権利について、次の3つを掲げている。
・剰余金の分配を受ける権利
・残余財産の分配を受ける権利
・株主総会における議決権
このようなことから以下の種類株式があげられる。
・剰余金の配当につき内容の異なる株式
・残余財産の分配につき内容の異なる株式
・議決権を行使することができる事項につき内容の異なる株式
・取得請求権付株式
・取得条項付株式
・全部取得条項付種類株式
・一定の事項に拒否権のある株式(黄金株)
・取締役、監査役の先任権を有する株式
・譲渡制限株式
会社が発展すればするほど、株価が上昇する。
それが本来の企業の目指す方向である。ところが、事業承継においては相続問題が発生するのでそう簡単な話ではなくなる。
例えば、ある会社のオーナーが資本金1000万円の会社の100%を所有していたとする。相続税評価の株価が10倍になっていたとすると、単純に発行価格の10倍の額面になっていることになる。
相続税評価の株価で買ってくれる人なんか通常の会社では存在しない。
そうなると事業承継に伴って相続時に最高税率50%の課税が発生して、後継者を悩ませることになる。
そんなことを回避するために、これまでの納税対策としては株価の減少を目標としていた。つまり、利益を出さない、純資産を低下させるといった方法だ。
これは企業の本来の発展の姿とは矛盾する経営となる。
ところが新会社法など、新しい法案を利用することによって、会社を発展させても事業承継における納税対策を可能とするスキームが生み出されている。
例えば、相続株式の金庫株の特例がある。
未公開株式の相続人が、相続開始から3年以内に、相続により取得した未公開株式(相続株式)を発行会社に金庫株として譲渡した場合、課税上の扱いをみなし配当とせず、譲渡損益にかかる課税となる。
改正前であれば、みなし配当は所得税率により最高43%の課税+譲渡益への課税だったものが、譲渡益の20%で済むことになる。
結局株価が高ければ、納税額は上がることに代わりが無いが、それでも税率のメリットが享受できる。
尚、金庫株実施においては、自己株式が取得できる価額の範囲は、分配可能額となる。