›4 29, 2010

スティーブ・ジョブスと孫正義の感動のスピーチ

Posted by skillstorage at 14:12 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

感動という言葉はあまり使いたくないが、感動に出会うために生きているのだなあと思う。
幸せの定義は人様々だ。哲学者の書いた「幸福論」もいくつか読んだが、ある人は「平凡な人生こそ幸福」とあり、別の人は「波乱万丈な人生こそ幸福」とあった。
置かれている環境や時代によっても変わるのだろう。感動したときにこそ幸福を感じる。たとえそれは短期間、短時間であっても人生観を揺るがす感動を得たときは幸せだ。

スティーブ・ジョブスがスタンフォード大学の卒業生に向けたスピーチと孫正義がソフトバンクの新入社員に向けたスピーチには感動した。
既に見た人も多いだろうが、何度でも見たらよいと思う。

将来の目標も希望も無かったら生きがいは無い。不安を抱えているだけなら人生を辞めた方が良いと思ってしまう。
両者のスピーチは、とても大きなことを成し遂げようとする気概や人生の氏名の大切さを教えてくれる。



›4 27, 2010

自分の居場所

Posted by skillstorage at 20:06 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

昔見た映画で今でも脳裏に焼き付いているシーンがある。「ヒート」という映画でロバート・デ・ニーロとアル・パチーノが共演して話題となった映画だ。
1996年の映画で学生時代に見た。プロの強盗の主人公は家庭を持たず失うものが無いのが強みだったのだが、ある女性と出会い強盗から足を洗い一緒に逃亡して穏便な生活を送ろうと決意する。空港で待ち合わせをして向かう途中にどういう訳か急に思い立って、引き戻して犯罪の道に戻ってしまうのだった。どうしても仁義を通さないといけない理由があった。

幸せを犠牲にしてでも、自分の居場所に戻り、信念を貫いた姿勢に強烈な印象を受けたのだ。

この映画に限らず、似たような映画は多い。現実にも同じような話はある。
例えば、弁護士で安定を捨てて庶民の味方になってヤクザを相手にしたり、闇金と戦ったりする者。中小企業の2代目だが大企業で安定した立場なのに、わざわざ債務を背負ってまで事業を承継する者。従業員を守るために多重債務や生命保険に入ってまで事業存続にこだわるオーナー社長。

傍から見たら理不尽な行動に感じるが、それでも信念を持ってそれを貫きとおす姿勢。
身近にもそのような人から話を聞いたことがある。しょせん人生は一度切り。他人から見たら不幸だとか火中の栗を拾うように思われようが、人生終わるときに何かしらの達成感を持ちたい。苦労と同時に人助けのやりがいがあり、そここそが自分の居場所だ。

そんな話だった。

金に困らないが、やるべきことがわからない。これは幸せに見えても不幸なのだと思った。もしかしたら自分の居場所はもっと過酷なところにある可能性もあるのだなぁと。

›4 26, 2010

7割以上の企業が赤字

Posted by skillstorage at 19:14 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

国税庁調査(時事通信)によると2008年度分で黒字の会社の割合は30%を割り込んだようだ。金融危機の影響はバブル崩壊と同じかそれ以上の衝撃をもたらしたようだ。2009年度はさらに悪いだろう。
赤字でも存続できるが、そのためには資金が必要だ。緊急対策による制度融資、補助金、助成金などにより辛うじて生き延びている企業も多い。
それでも将来は暗澹たる状況ではなかろうか。
企業の開業よりも圧倒的に廃業が多い状況だ。
だが、新興国の台頭や少子高齢化で人口が減り国内市場が縮小する日本においてはビジネスモデルの転換が求められている。
大企業は海外市場を目指している。生産も新興国に移している。ついていけない中小企業は極めて厳しい将来となる。いくら革新的な製品を出しても伸びるマーケットは海外に求めざるを得ない。
日本の労働者も経営者も自分の価値が世界基準で見る必要がある。
海外の低賃金の労働者よりも付加価値が高くなければ仕事を奪われる危険性が大きいことを認識しないといけない。
海外の企業や労働者には負けない価値を提供できるように相当の努力が求められる。国や企業に助けてもらおうなどという甘い考えは捨てて、どこでも生きていける能力を身に付けるのが、これから始まる壮絶な戦いに生きる術だと思う。

AIDMA理論

Posted by skillstorage at 12:32 / Category: マーケティング / 0 Comments

営業の方法論、過程論は古くから研究されておりAIDMA理論が有名である。
AIDMAとはそれぞれのアルファベットの意味があり、以下の略になる。

Attention= 注意を促す(きっかけづくり)
Interest= 興味を引かせる
Desire= 欲しいという欲望を湧かせる
Motivation= 購入したいという動機を持たせる
Action= 購入決定

日ごろの営業活動も分析し、各プロセスに分けて考えるとどこが弱い、どこを強化しないといけないかが明確になってくるだろう。
その際にAIDAMA理論は役に立つ。

›4 21, 2010

新興国に上場する日本の新興企業

Posted by skillstorage at 18:52 / Category: VC(ベンチャーキャピタル) / 0 Comments

新興国の株式市場に上場する日本のベンチャー企業が増えている。日本には多くの新興企業向け市場がありながら上場者数は激減しているのと対照的である。
日本のベンチャー企業が今後上場を目指すところとして、ロンドンのAIM、シンガポールのカタリスト、韓国のコスダック、香港、シンセンなど多くの選択肢が増えた。

わざわざ海外で上場するのはいくつかの理由が考えられる。
・海外がメインマーケットである
・将来本社を海外に移す
・海外の市場の方が資金調達ができる
・日本の新興市場の上場審査が厳しい

これまで日本は世界2位のGDPの大国であったが考えを改め、小国なら当たり前のように海外を目指し、世界で稼げるビジネスモデルを獲得していかなけらばならなくなったのだと思う。

›4 20, 2010

引きこもり、ニート増加中か

Posted by skillstorage at 19:46 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

愛知県豊田市で、30歳の長男が父親ら一家5人を殺傷、自宅に放火する事件が起こった。長男は15年間ひきこもりで、インターネット契約を解除されたのが動機だという。

ひきこもりをもつ家庭は26万世帯いるという。幸い自分の学生時代の同級生でひきこもったり、ニートになった者はいないが、友達の友達では結構いるようだ。
卒業後就職せずにフリーターで過ごしたが30代になり就職先が無い者。派遣社員だったが切られてしまった者。会社を辞めて夢のために頑張ったが挫折してしまったもの。
理由は色々だろうが、新卒でちゃんと社会人にならないとほとんど敗者復活の可能性が無いのが現実社会のようだ。
それに加えて、働かなくても生活できてしまう環境が日本にはある。親の元で生活すれば衣食住には困らない。
最低賃金制度があるから、アルバイトでもそこそこ小遣いは稼げる。
ネットカフェで長時間格安で時間を潰せる。

今回事件を起こした引きこもりはどんな人物だったのだろうか。想像するにほとんど外出はせずに、1日中インターネットやネトゲをやり、その仮想の中で友達がいたんだろう。掲示板に書き込んだり、チャットしたり、きっと同じような境遇の者たちが傷をなめ合うような心地よい環境だったと思う。
ネトゲは更にハマるそうだ。ゲームの中でCGでつくられた自分のアバターが存在し、同じ目的に向かって仮想の中の友人と協力したり会話したりしながら遂行していく。
かなり楽しそうだ。現実世界では共通の目的や夢に向かって協力する友人などなかなか持てない。仕事は共通の目標を遂行するが、社会では上下関係があるため友達関係のような対等な関係というのはまずあり得ない。嫌な人とも付き合うのが現実社会だ。

かなり想像を膨らましたのだが、突然に父親からインターネット契約を解除されたことによって、バーチャルな社会との繋がりが切られたことによって激情したのだろう。
実の家族を殺すなど想像もできず、恐ろしいことだが、相当な怒りだったのだろう。

働かないでも生活できる環境があり、バーチャルな世界で生きることができたら、その方が幸せな人もいるのかもしれない。
しかし、そのような環境を許してはいけないと思う。現実社会で、必死に働いて稼いで、税金を納めるという当たり前のことが社会生活の基本なのではないだろうか。

一般職の応募者に男子学生が殺到

Posted by skillstorage at 19:28 / Category: HR(人事) / 0 Comments

自分のイメージでは一般職というのは女性の仕事だ。古くさい考えかもしれないが、お客さんが来たときにお茶くみをして、事務処理をして定時に帰る。10年以上前の大企業では社内結婚のために女性を一般職採用させていたところも実際には多い。そのため一人暮らしをしておらず、自宅から通え、家柄に問題が無く、容姿が悪くなければ良いというのが多くの大企業の一般職のイメージだったと思う。
男女雇用機会均等法で大きく変わり、女性の総合職採用も当たり前になった。それでも一般職という仕事が無くなったわけでは無い。

ところが一般職の応募に男子学生が殺到しすごい倍率だという。

志望理由は、「遠方への転勤がないから」、「残業が無いから」など仕事よりも家族やプライベートの充実を優先しているものが多い。

ところで最近「絶対内定」という本を古本屋で手にした。以前も手にしたことがある。筆者は住友商事のサラリーマンだったバブル時代にシャインズという歌手でデビューし一世を風靡した。ずいぶんと昔のことだが、仕事も遊びもバリバリにできる大人のイメージがあった。(自分はまだ子供)。その後、就職専門の塾(予備校?)を設立したり、ハーバード大学の大学院に留学したり、今ではハーバードの講師もやっているようだ。

絶対内定という本を読むと分かるが、内定をもらうための本のようであり根本は全く違う。自分を見つめなおし、人生の自己実現を達成するための本であり、就職はそのための手段ということがわかる。そのため自己分析に多くの時間を費やすように書籍はつくられ、就職活動をする学生が読むというよりもむしろ大学新入生がいかに大学生活を過ごすか、新入社員がいかに自分の天職を見つけるかとか、そういったコンセプトの方が強いと思うのだが、実際には就職中の時間が無い中で読まれるのだろう。

自己分析をすることで、自分が本当に何がしたいのか、どんな人生を過ごしたいのかが見えてくる。そのためにはどんな仕事をしていけば良いのか、どんな会社に入れば良いのかをよく考えさせてくれる。何も目的も夢も無ければ、与えられた仕事をこなすだけで、腹の出たメタボなオッサンになってしまうという危機感を与えてくれる書だ。

そんな本を読んで、自分を見つめなおし将来の目標のために高いハードルを課していたところなのだが、古本屋で手にしたこの本の後ろの方に読んだ学生の書き込みが見られた。
「最低限の生活ができればいい。嫁さんと子供がいる幸せな生活」

これが人生の最大目標だった。就職活動する学生がそんな目標だとは。もっと大きな夢や希望が無いのだろうか。一般職の応募者に男子学生が殺到するのもこんな理由なのかもしれない。なんだかがっくりきてしまった。

›4 17, 2010

社長!大丈夫!その借金は何とかなる!

Posted by skillstorage at 22:46 / Category: 書評 / 0 Comments

ある元銀行員が言っていたのだが、「真面目な社長ほど自殺する」そうだ。
借金を返すための借金をさらに金利の高いところから借り、追い立てられ、まじめだから返そうとしたり、社員を守らないといけないと思ったり。多重債務に追い込まれたり、すべてを失ったりと、銀行員も自分が貸したわけではない(過去の担当者が貸した)社長を追い込むというか返済を迫る嫌な仕事も多いようだ。

さて、本屋で平済みで目立ったので手に取ってみたらとても勉強になった。
社長が追い詰められたり不安になるのは、借金を返せない状況と対策がつかめないからだろう。
変に怖がったり、対処方法がわからなければ不安になるものだ。
こんな言葉も本書にあった。
「借金」「資金ショート」「不渡り」「銀行」「倒産」「破産」
に対する恐怖心はすべて、社長の知識不足が生み出しているもの。

読んでみてすぐに、心が楽になる言葉に溢れている。

「最悪でも何とかなる」
「方策はいろいろある」
「安全な場所に避難できる」
「これまでと同様に家族と幸せに生活していける」

方法としても、さすが専門家で500社以上の中小企業の再生をしてきただけのことがあり、DPO(ディスカウント・ペイ・オフ)、第二会社方式、民事再生など手法が満載だ。

借金を返せなくても何とかなる方法は腐るほどある。
「銀行交渉」
「リスケジュール」
「在庫処分」
「売掛金・受取手形の回収」
「買掛金・支払手形の引き延ばし」
「手形ジャンプ」
「給料カット」
「税金・社会保険」
「人員整理」
「M&A」
「マーケティング」
「ビジネスアイデア」
「業務改善」
「DPO(ディスカウント・ペイ・オフ)」
「第二会社方式」
「会社分割」
「事業譲渡」
「民事再生法」
「DIPファイナンス」
「破産」
「特別清算」
「廃業」



›4 15, 2010

潰れてしまった会社としぶとい会社

Posted by skillstorage at 18:51 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

注目していたベンチャー企業や中小企業が潰れてしまうケースがここ数年多い。例えば中小企業庁に出ている「元気なモノ作り中小企業300社」というのは特別に選ばれた企業なはずだが潰れてしまったり、瀕死の状態の会社が結構あることに驚かされる。もちろん順調な会社も多いのだろうが。

他方、長年つぶれそうだと思われている会社が未だに潰れずにしぶとく生き残っている例も山ほどあり驚かされる。決して順調にはなっていないのだが。

自分が注目していたベンチャー企業がいくつか潰れたが、その原因を考えてみると、ひとつの事業に経営を集中させ絶好調だったがその事業が何らかの原因で傾いてしまったため立ち行かなくなってしまった、もしくは絶好調だった時に調子に乗って設備投資や拡大を身の丈以上に行ってしまい資金ショートしてしまった、そのどちらかが多いようだ。
急激に業績が悪化して潰れてしまうのだが、注目されていたり絶好調だった会社の社長というのは意外にも瀕死の状況ではとても弱くなりまともな経営判断ができなくなってしまう傾向もあるようだ。プライドや過去の栄光の重石とどん底の経験が無い為だろう。

ところが、昔から潰れそうにも関わらずしぶとく生き残っている会社というのは、瀕死の状況の対処に慣れていて経験もあるし常に倒産を意識して対処方法を考えているので生き残っているようだ。

企業が潰れそうになった時、固定費を徹底して下げる姿勢、つまり大切なものでも売却して現金を作ったり、給与削減、人員解雇までも徹底してできるだろうか。金融機関に頭を下げて支払を交渉したり、無理な融資をお願いする。そして現金を獲得するために、どんなものでも売って利益を出せるだろうか。

成功していた企業の社長というのは、このような泥臭く、人に嫌われ、やりたくない仕事ができない人が多いのかもしれない。

›4 14, 2010

iPadの衝撃(分解してみて驚愕)

Posted by skillstorage at 19:45 / Category: イノベーション / 0 Comments

自分はAppleのファンでは無かったが、iPhoneを持った時の衝撃を忘れられない。
モノで感動したのは人生でも滅多にないのだが、昔の人が初めてテレビや、ソニーのウォーククマンや自動車に出会ったときのような感動だったのかもしれない。
今や体の一部のような感じで、常にiPhoneのアプリやiTuneで取りこんだ番組を見たり聞いたりしている。

iPadを持ち始めたユーザが増えてきているが、見ているとどうしても欲しくなる。米国に行く人に買ってきてもらったりしている人もいるようだ。

iPadについての情報を集めて衝撃的なのは、使われている電子部品で日本製が少ないことだ。日本企業のセットメーカー(ブランドとして消費者が手にする製品を作っているメーカー)は弱体化してしまった。製品企画力も技術力も韓国や中国に追いつかれてしまったからだ。それでも中身の電子部品は日本製が圧倒的に強かった。
今でも日本の電子部品は最先端なのだろうが、中国などの部品メーカーがつくる汎用品がほとんどでiPadのような高機能な製品が十分つくれてしまうのである。
iPadを分解しているサイトがネットで色々あるので調べてみてほしい。

Appleは性能についてアピールは全然しない会社だ。CMや広告もアプリケーションソフトや使い勝手を訴求している。これが日本のメーカだったら、性能である処理能力や色などを訴求していただろうと思う。

かつて日本ではソニーにはこういった夢を与えてくれる製品を出してくれたようだ。30代以下の人にとってはそんな印象は無いかもしれない。せいぜいゲームか。
技術的な性能や中身の部品なんかどうでも良いから、感動を与えてくれる製品をつくれる日本企業は現れないものだろうか。

›4 12, 2010

失業の時代

Posted by skillstorage at 20:14 / Category: HR(人事) / 0 Comments

中国の温家宝首相が公開の場で、「中国の失業者は2億人」と発言した。先進国では失業率が10%超えや20%超えが珍しくない。
日本の失業率は小さく見えるが、企業が解雇できないだけで社内失業者は多い。
実質仕事が無い人がとても多い世の中なのだ。

正直、中国で2億人も失業者がいるのは驚いた。先進国で失業者が多いのは主に人件費の安い中国など発展途上国に仕事が奪われているからであって、中国で失業が多いというのはとても不思議だ。中国の生産現場に行くと大量に若い人がいて、労働集約的な組立や検査業務を行っている。
つい2,3年前は人が足りないといっている日系大手の工場があった。

いったい何故、中国でも失業者が増加しているのだろうか。経済低迷下では失業率増加は合理性があるが、中国は経済成長率も10%を超えるほどの勢いだ。
そうなると生産性の向上により、大量の労働力が不要になったと考えざるを得ない。

確かに中国の製造業が今取り組んでいるのは、工場の生産性の向上であり、設備投資を行って自動化・省力化を凄まじい勢いで進めている。その背景には人件費の向上があり、中国は他のASEAN地域のベトナムなどに比べると人件費が高く、賃金上昇率も高いという問題を抱えている。

日本ではこの前、日本電産の永守社長がブログで民主党の政策を批判し、コア技術である研究開発も含めて海外に出ていく趣旨を発言し、話題になった。
永守氏は批判を恐れず、堂々とこのような発言をするが、同じ考えの製造業経営者は多いはずである。高すぎる法人税、賃金、解雇の制約、円高、国内市場の縮小と日本で生産するとグローバル競争で勝てなくなるという危機感は強い。

製造業が国外に出ていくと、下請や設備メーカはついていくことができない企業は仕事を失うことになる。たとえついていけても現地の労働者を雇わなければ現地企業との競争に勝てない。結果として日本の労働者は職を失うことになるだろう。製造業の労働者が失業したり賃金低下すると今度は小売やサービス業の売上に甚大な影響を及ぼしかねない。

「年収300万円台」というキーワードが数年前に流行ったが、もはや賃金低下の問題では無くなり、失業の時代になるのではないかと懸念される。

ディストレスト投資

Posted by skillstorage at 12:39 / Category: ファイナンス / 0 Comments

ディストレスト(破綻)という言葉が注目を浴びている。ヘッジファンドの投資の戦略として取られることが多くなってきているようだ。
これまでも利回りの高さに対する破綻率の低さから、ジャンク債が注目されたことがあったが、ディストレスト投資はより積極的に経営に関与する手法だ。

経営不振企業は経営再建するのに資金が必要である。債権を発行することとなるがヘッジファンドなどの投資家は割引購入後、一部を株式化し保有することとなる。経営再建が絶対に必要となる。また長期的な投資にもなるし、株の保有のように流動性が高くないため換金性が悪い。
それでもディストレスト投資が注目されるのは、ハイリスク・ハイリターンが期待できるからだ。
経営不振企業が沢山あって投資対象が多いというのも注目される要因ではなかろうか。

日本にも株価が数円で推移している企業が山のようにあるが、米国でもペニー(1ドル以下)で推移している企業は山のようにある。
企業の再建というのは非常に大変なことだが、その企業の経営陣ではできないことも外部から来た人間ならできることがある場合は多い。

考えてみると、末期症状の企業の経営陣は自身の保身ばかりを考える傾向があるようだ。その一方で企業を立て直すことが本来一番良いシナリオのはずである。
日本でも企業の再建として非上場にして経営の自由度を増して再上場させるという名目でMBO(Management By Out)が一時期流行ったが、犠牲になった株主からの訴訟も相次いだ。高い株価で買って、低い株価で非上場になり無理やり買い取らされたのではたまったものでは無い。究極のインサイダーなどとも呼ばれた。
企業再建を専門にするコンサル会社も登場したが、再建は非常に難しいプロセスで思うように実績が上がらなかったり、倒産してしまったところも少なくない。

ディストレスト投資もまたそれくらいのリスクのある手法ではないだろうか。

›4 11, 2010

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

Posted by skillstorage at 20:58 / Category: 書評 / 0 Comments

読む前に考えてみてほしい。20歳のときに知っておきたかったことを。

私の場合高校に入ってすぐにバイトを始め、大学時代も沢山のバイトに明け暮れた。社会人になってサラリーマンにもなったが、ずっと知らなかったことがある。
それは経営者の気持ちである。
労働の対価に金を当たり前のようにもらっていたが、金を稼ぐのはどれほど大変か。

この本もまた、著者自身が「社会に出たときに知っていれば良かった」ことが本書のベースになっている。

起業家精神について、起業家に必要な能力やスキルについて、重要なことを教えてくれる。成功の裏には多くの失敗もあり、起業家を志すにはリスクと失敗時の振る舞いが重要である。

若ければ若いほど、失敗を多くできる。大きな失敗もできる。リスクが無ければ大きな成功は得られない。サラリーマン根性から脱皮することが成功にとって大切だということがわかる。


›4 10, 2010

敗社復活

Posted by skillstorage at 22:01 / Category: 書評 / 0 Comments

起業して順調に成長し年内に上場にするような絶好調の時期に恐るべき事態が起こった。創業社長の川端秀一氏はアイデアと経営力と行動力によって業界から注目され、上場前だが成功者として認知されていた。
当時はそうとう浮かれていたのかもしれない。信頼する社内の相談相手は高校時代の親友で卒業後十数年間連絡を取らなかったものの会社にとっても社長にとっても必要不可欠の人物だった。
ところが、その人物は私生活はとてつもなくだらしが無い。金と女に多くの問題を抱えていたが社長は黙認していた。しかし、やっぱりそんな男だから会社の金と銀行関係でとんでもないことをしでかして失踪してしまった。

突然訪れた窮地。追い込まれ相談した信頼できると思っていた男が、実は恨みを抱えていて復讐の時期を探っているタイミングだった。

更なる追い打ちを掛けられ、破産の道に進むこととなる。精神的に追い込まれ死を意識するが心のよりどころの筈の家族にもまた逃げられてしまうのだった。

これほどの人物だから、冷静であれば窮地を脱することはできたはずだ。しかし、追い込まれ人間不信に陥った状態では、普通の人間でもできることもできず、事態はさらに悪化してしまう。

建てたばかりでこれから住もうと思っていた家は乗っ取られ、財産も家族も会社もすべて失う。それがあっという間の出来事だ。

読んでいても、何故、もっと冷静に対処しないのかと思うがそんな精神状態では無い。
他にも「社長失格」など起業家が倒産に追い込まれた事例を見てきたが、有能なものでも追い込まれると非常に弱いということがわかる。

実際に体験はしたことがないし、したくもないが、同じような状況を想像してみると果たしてもっとまともに行動できただろうか、自殺しなかっただろうか、など色々考えてしまう。

川端秀一氏のすごさはどん底から這い上がるところにある。
裏切られ、全てを失い、金も無いのに復活するところにはこれまで築いてきた取引先や腹心の部下の救いの手があった。そしてローズネットを立ち上げ、またもや上場準備段階なほどに瞬く間に成長していく。
突っ走らなければ、失敗や失ったもののことで頭が一杯で気が狂いそうになる。誰だって日常の仕事や家庭で悩んで何も手につかなくなった経験はあるだろう。しかし川端秀一氏のどん底の経験はそんなレベルでは無い。不安や後悔を忘れて敢えて無理をしても仕事に没頭し、多くの人に助けられる姿を読みながら想像して涙が出てきた。


再起するのはさすが起業家だ。最悪の状況まで行った人間は強い。自分は「感動」と「勇気」をもらった。



›4 07, 2010

マイレージ、マイライフ|リストラ請負人の映画

Posted by skillstorage at 18:31 / Category: 書評 / 0 Comments

ジョージ・クルーニー主演の「マイレージ、マイライフ」が公開されている。
主人公は企業から委託を受け、社員の解雇を宣告し、新たな人生プランを提示するのが仕事だ。
米国のリストラはとてもドライという印象があった。そもそも入社時に解雇される場合の契約も行い決して訴えることができないと聞く。
そもそもリストラやレイオフは当たり前のように行われているので、問題になることも少なく、解雇通知を受けるとすぐ会社のパソコンにはアクセスできなくなり、段ボールに荷物をまとめて追い出されるというイメージがこびりついている。

しかし、まさかリストラ宣告をする業務がアウトソーシングされているとは思いもよらないところだった。
主人公は年間のほとんど毎日飛行機に乗り、全米中の企業を訪問する。リストラを宣告すると当然取り乱したり憤慨する社員がいる。だが、主人公はそれが自分の天職だと信じ耽々と仕事をこなす。
ちなみにリストラされる社員は役者ではなくて実際に企業にリストラされた素人を登場させたと聞いた。臨場感溢れるなあ。

人から嫌われる仕事でも何だか信念を持って取り組んでいる姿を見せられて、そういった仕事は色んなところにあることを思い出した。
主人公は独身で人間関係を好まない。だがやがて変わっていくこととなる。


›4 06, 2010

不安を取り除き前に進むべき

Posted by skillstorage at 19:19 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

リストラ日記や失業ブログが注目を浴びている。深刻な不景気で不安を抱えている心理が伺える記述に感情移入してしまう。
不安と恐怖で前に進むことができない。そんな心理状況の人も多いようだ。
ところが色々読んでみて気付いたのだが、恐怖の心理状況はこれから何が起こるのかわからない不安、失う不安が原因のようだ。
リストラ対象の人は働き盛りの年代で、生活費も非常にかかる。住宅ローンと子供の教育費を抱え、近所・親戚・友人の眼が気になる。
そういったことが不安から恐怖につながっているようだ。
逆に、失ってしまった人は開き直っている記載が多く、中には新しい生活と人生に希望を見出し、とても前向きな人も多い。

前向きになるためには、最悪の状況を把握しその場合の対処を考えて不安を取り除くか、最悪の事態など考えずにがむしゃらに頑張るかのどちらかしかないのではないか。中途半端にぐだぐだ考えて、何も行動を起こせないのが最悪だ。

本当にすごい人は、やっぱり自分を信じてがむしゃらに前に進んでいる。そこまで強くなれないなら、不安を取り除き、とにかく前に進むしか無い。

藤巻健史の「金融情報」はこう読め!

Posted by skillstorage at 19:17 / Category: 書評 / 0 Comments

藤巻氏の金融危機後の資産運用の指南書だ。基本的には資産運用戦略として金融危機前と方針は変わっていない。日本の国債発行の多さから長期金利の上昇、インフレ、そして米国株のさらなる上昇。日本国内においても株、不動産といった資産インフレも想定している。
よりテクニカルには新聞記事の読み方といった点に着目している。金融機関から発表される予想だとかはポジションとークとして客観的に読まないといけない。
金利や個別企業の上昇に対する言及は、その企業がそうありたいと願っていることが多い。つまり発表どおりに多くの投資家が動けば儲かるポジションを持っていると考えるべきということだ。
これは大物投資家(ソロスとかジム・ロジャースとか)になればより発言の影響が大きく、ポジショントークの可能性が高いと日々思っていたことだが、金融機関の発言もやはり気を付けるべきと思った。

藤巻氏は金融危機で大損した人とよく言われるらしい。これまでの書物でかなり具体的に投資戦略を書いていたためかと思う。

本書では企業の株価の上昇の可能性を業績だけではなく、置かれている状況から見る手法についても述べられている。
例えばトヨタは創業家の社長に変わることによってこれまでの膿を出すはずだから、交代後は期待できるとか、米国の自動車販売台数の落ち込みは自動車保有者数とその買い替えから考えても、金融危機後は異常でまた販売台数は上がるとか。

本書の書かれたあと、残念ながらトヨタはリコール問題で創業家社長が米国議会の証人喚問まで呼ばれたり男泣きしたり、世界的なバッシングでさんざんなのだが。

長期金利の上昇に関しては、一貫して主張されているが、そのタイミングがわからない。ただ、長期金利の上昇による国債価格の下落を個人投資家でも利益を出す商品や金融機関についても書かれていて、新しい投資方法を加えられるのは良いかと思う。金利の変動で儲ける手段はあまり個人投資家にはなじみが無いので。

しかし長期金利の上昇も、国内金融機関の国債買いがとてつもない額に積み重なっている。そのため市中に金が回らない。企業も負債での資金ニーズが無い。なんだかいつ爆発してもおかしくないような状況に日本はなってしまいつつあると思う。


›4 05, 2010

ヒーロー(英雄)の条件

Posted by skillstorage at 20:16 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

大学卒業生の20%が就職が決まらない。日本の大企業は新卒を採用し育てる。中途採用は大企業、中小企業あるが、社会人経験の無いものにとっては採用は非常に厳しい。つまり新卒で就職できないと、アルバイトから正社員に転換してもらうなど可能性が非常に限られる。
90年代後半も不況だった。その時就職できなかった者も数多くいるが、その後正社員に成れた者は限られていた。2000年代はITバブルが終わり緩やかな高景気だったにもかかわらず正社員に転換できたものは限られていた。
非正規社員の派遣でも給与は良く、仕事も多かったので危機感が無かった者が多かったのではないか。
彼らは今35歳周辺であろう。
自分の周りにはいないが、ネットの掲示板や報道を見る限りその数は非常に多い。
彼らは、ニート、引きこもりか派遣社員など将来を考えると深刻な状況に陥っているようである。

正社員の状況にしてもあらゆる業種で不景気は深刻だ。エリートサラリーマンでも将来を危惧している者がとても多い。
金融危機以降にリストラによる人員削減も様々な業種で行われている。

危機的な状況にあるのは40代以上だろう。企業にとっては賃金負担が大きいが、40代以上の者は多くが家庭もあり住宅ローンを抱え、教育費もかかる。
そして何よりも危機意識として感じているであろうことは、失業すると転職先も賃金も現状を大幅に下回るものしか期待できないことだ。
ここに不景気でマイナス成長の国の恐ろしさを感じる。

優秀で安泰だろうと思っている人でさえ危機感と将来のことから心配で震えている人が多くいる。立派な企業に勤めている者でも、外資系であればいつ日本から撤退するのか、リストラされるのか心配し、製造業ならいつ日本の工場や研究所は海外に行ってしまうのか。
そんな心配をしている人ばかりだ。失いたくないものを背負って生きているのだろう。

男の子は誰もがヒーローに憧れた。大人向け映画でもヒーローは多い。ふと思ったのだが、ヒーローには共通点がある。
どんなヒーローも最初からヒーローでは無い。ヒーローになるためのきっかけが必ずある。大きな挫折や困難を何度も乗り越えて初めてヒーローになっている。
ヒーローに憧れるのは、そんな人間的な成長に感動するから何だろうと思った。

過酷な環境にある人はヒーロー映画を見てみると大きな発見があるはずだ。
ヒーローは必ず行動する。何もしなかったり逃げ出したらヒーローにはなれない。打開策や復活方法を見出すことは難しい。現実を直視するのは怖い。どこへ向かえば良いかもわからない。それでも前進しないといけない。負け続けても最後に勝てばヒーローだ。自分の信念を貫いて行動する者だけがヒーローになれるのではなかろうか。

困難、苦労はチャンスで、人間的な成長のまたとない機会なんだと考えるときっと前向きに積極的になれるはずだ。

›4 01, 2010

マーク・モビアス |新興国投資家

Posted by skillstorage at 19:08 / Category: 書評 / 0 Comments

新興国への投資家で有名なマーク・モビアスの本を読んだ。
新興国への投資は危険を伴う。政治的も社会も経済も為替も不安定だからだ。90年代後半を襲ったアジア危機では新興国は大きな打撃を受けた。
中南米やロシアも何度も危機があった。

だが、新興国投資は先進国投資では得られない大きな飛躍機会がある。新興国という言葉は最近の用語で、これまでは発展途上国、低開発国などあからさまな表現で呼ばれていた。逆にいえばそれだけ成長するチャンスがあるということだ。

マーク・モビアスもまた他の成功した投資家と似た共通点がある。まず勤勉だ。金融知識が無ければギャンブルになってしまう。
また、実際に危険な地域でも新興国の企業を徹底して足を使って回って調査する。これはジム・ロジャースもバイクや車で世界中を回りながら投資をしてきたのと似ている。
新興国投資は定期的にブームが来る。だが多くの投資家は株価の上昇ブームの時に、企業のこともその国のことも知らずに参入するギャンブラーだ。そして多くが失敗する。何か買い物をする時は、その商品について調べるはずだ。家だろうが車だろうが保険商品だろうが家電だろうが。
そんな当たり前のことを行わないで、株価やブームやチャートを見て投資をするのは大やけどの元だ。

有る意味マーク・モビアスの投資方法は当たり前のことを徹底して誰よりも行っていることが最大の投資方法ということを教えてくれる。


二流の地方都市か一流の東京か

Posted by skillstorage at 18:53 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

地方都市だけでなく、神奈川、埼玉、千葉の新興都市はずいぶんと開発され、人口も増えたがその新興都市の価値は上がったのだろうか。
何故そのような土地に住むかと言えば東京に通勤するのに1時間程度で行けるにもかかわらず、土地が安いという理由だろう。
目的地は東京だ。
逆にそれらの都市を目的地とした導線というのはほとんど存在しない。それらの地域を目指して行くことが無い。
例えば新宿と柏で考えると柏から新宿には通勤や買い物目的で大量に訪れるが、新宿の住民が柏に行く目的が無い。
ほとんどの東京沿線の近郊の都市というのはそんなものだろう。

道路や鉄道の発達で便が良くなると、それらの土地は逆に多くの者が東京に買い物に行きやすくなってしまうというジレンマを抱えている。
人は増えるがあくまでもベッドタウンで、買い物・通勤と金を使うところは東京がますます儲かる。高級品なら同じものが売っていても銀座や青山に買い物に行くだろう。

都会はブラックホールのように周りから人を呼ぶ。人口が減少するとどうなるか。
ベッドタウンから都心に人が移動をはじめベッドタウンには空家が目立つようになる。

都内も地方もまだまだこれからもマンション開発が進む。日本は確実に人口が減っていく社会構成なのだ。地方都市が北斗の拳に出てくるような廃墟マンションにならなければよいのだが。。