›8 30, 2006

王子、北越TOB失敗

Posted by skillstorage at 17:15 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

王子製紙による北越製紙の公開買い付けが失敗に終わった。今回のTOBは、フタタに対するAOKIと同様、株主に対してメリットを訴えたものの失敗に終わった。

何故、多くの株主は売らなかったのか?

これは我が国の資本主義の根底の問題の気がする。

他方最終的には失敗したが、ライブドアのニッポン放送株取得、こちらは泥沼継続中のようだが楽天のTBS取得があった。

失敗した王子の方は広く株主にTOBを事前に知らせた。他方、最終的に失敗したもののライブドアのニッポン放送株取得自体は成功裏に終わった。

最もライブドアの場合、一部の株主に対してからだけ時間外取引で買い付け、さらに一般株主から市場で買い付けを行った。結局インサイダー容疑になったが。楽天も株主に広く告知せず買い付けを行っている。

今回多くの株主が王子に売らなかったのは、金銭的利益では売らないということだったと思う。北越との関係維持が株主にとってどのようなメリットがあるのか、こちらの方がとても不思議というか気味の悪さを感じる結果となった。

そもそも北越の株主、従業員の発言が自主防衛、既得権の確保にしか聞こえなかった。

会社は株主のものであり、経営者は株主の代理で企業の運営・執行をしているに過ぎない。従業員は使用者である。

その連中がまるで自分の持ち物かのように王子のTOBを拒むのが気味が悪かった。
もし自社の株の売買を拒むのであれば、経営陣・従業員が株主になればよい。もしくは株式会社であることを辞めればよいと思う。

ミクシィ上場(上場の目的)

Posted by skillstorage at 16:25 / Category: VC(ベンチャーキャピタル) / 0 Comments

ミクシィが来月上場する。上場時に得られる額は、公募価格*新規発行済株式数(4,500株)で約69億を予定している。
また、売出株主として、社長の笠原氏が350株、ネットエイジが700株、サイバーエージェントが1050株を放出する。
笠原氏は5億円以上を手にすることになるようだ。それでも残り45,350株もある。
(目論見書による)

時価総額は1000億円にも上るのだが、果たして現在で売上高18億、会員数340万人のサービスがこれほどの価値があるのか、とういう疑問も多いだろう。
だが、その考えは凡人である。純資産方式でいけば、会社の現時点での価値なんてたかが知れている。純資産はたったの7億だ。ところが、今後の可能性に期待して高い株価がついてくるのである。

さて、上場の目的であるが、まずは笠原氏が売り出しているように創業者メリットの享受がひとつある。そして調達した資金の使い用途はサーバ補強だけでも10億円以上とのこと。
残りの金の使い道が、経営陣の今後の課題である。もちろん狙いは沢山あるだろう。

企業が成長するには金がかかる。ユーザーが増えることによってサーバ費用、ネットワーク費用も莫大にかかる。技術も難しい。そのようなコストの向上に金を使うことがまず第一。

そして成長戦略については、かつてのYahoo!Japan、楽天、Googleのように買収、技術者取得、新技術の確立など幅広くあるだろう。

資金調達においてはネットベンチャーのため、調達コスト(厳密にはβ)が安定企業に比べて非常に高くなる。だが、そのコスト以上リターンが大きくなると株主になる人は期待しているのである。調達した金の使い道が無くて国債を買おうものなら調達コスト以上のリターンなど当然望めない。

ミクシィの上場には、創業者利得、安定、社会的地位、優秀な技術者の確保、VCの利益など様々あるだろうが、巷で騒がれているような想定以上の株価が付くのであれば、笠原氏とエンジニアのバタラ・ケスマ氏の将来の展望に大きな期待があるといえる。

実際もし自分がミクシィのようなサービス企業の経営者だとしたら?

これほどのロイヤリティ(利用時間の長い)の高く、多くの顧客を持っていたら、とてもわくわくするだろう。

ミクシィがここまで来るのも単に先行者だったというだけではないことも重要だ。SNSサービスはミクシィ誕生時に5社ほどが行っており、その時はGreeとも残りの潰れてしまったサービスともそれほど違いは無かったと思う。その後の使いやすさ改良(当時は機能がほとんど付いていなかった)、技術対応(サーバ増強、負荷分散など)を考えると、技術者ではなくあまりぱっとしない経営者ではあるが、実はすごいことを成し遂げてきたこともわかる。

さて、PERやEVAでどの程度だったらあなたはミクシィ株を買いますか?

EVA=NOPAT-投下資本にかかる資本コスト
   =NOPAT-{投下資本×WACC}
<企業が当期に資本コスト以上の経済価値を作り出したかを見る指標>


楽天の株価が低迷

Posted by skillstorage at 13:29 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

日経新聞1面に、楽天株価低迷とあった。記事の趣旨としては、楽天というインターネットベンチャー第1世代の時代は終わり、Web2.0に見られるナナロク世代の台頭である。

確かに楽天の株価は低迷している。それでもPER33倍などから判断しても高い株価ではある。他方ナナロク世代のドリコムはPER337倍である。
記事で不可解な点は、サイバーエージェントの藤田がこれからは技術の時代と言っておきながら、ナナロク世代で特に技術的に突出している企業が無いことである。
Blog自体は楽天もやっていることだし、SixApart以外で先端技術があるとは言いがたい。

いずれにしても、楽天自体は技術的に優れているわけではないと思う。楽天の強みは、多くの顧客を持っている点に尽きる。サービスの質ではナナロク世代のSNSに見られるサービスの方が優位ということであろう。

楽天はTBS買収では泥沼に陥り、次の成長戦略を見出せないでいる。その間、ECビジネスにおいて多くの追従者があわられてきている。ナナロク世代ではないが、技術力という点ではやはりGoogleだ。Googleはかつてのマイクロソフトのように楽天のようなECビジネスを淘汰する可能性を持っていると感じる。こちら記事参照


›8 29, 2006

パチンコやる人は時代に乗り遅れた人

Posted by skillstorage at 13:45 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

パチンコをやる人は怒り出しそうな内容だと思うが、それでも書こうと思う。

以前キャズムという本を紹介したが、そこでは製品を買うのが速い段階の層から、ビジョナリー(イノベーター)、アーリー・アドプター(実利主義者)、一般大衆、ラガード(採用遅滞者)とある。
これは製品ライフサイクル理論といって、製品が産まれてから死ぬまでの流れであり、マーケティングの基本である。


今回主張するのは、パチンコ屋の顧客はラガード(採用遅滞者)とういことである。

一般大衆、ラガードとうのがどういった連中なのかをイメージして欲しい。これらの層が国民の大部分なのである。ワイドショー、野球といった大衆向けメディアを好み、自ら主体的には行動せずあくまでも受け身で野球観戦(しかもテレビで)したり、新聞や雑誌を読んだり(決して紙面に出たり、執筆はしたりはない。投稿ぐらいはあるかも)。自己主張はあるが、それが国にしろ地域にしろ政策や施策に反映されることは無い。飲み屋で愚痴っている連中。中流階級からそれ以下の階級。特別な能力は無く、人生において努力もたいしてしたことは無い。新しい製品を買うときは十分に市場に認知されるまで買わない慎重さがある。というか新しい製品については情報もなかなか入ってこないし、判断もできない人たち。

まあ他にも色々書けるだろうが、イメージ悪いことばっかりになってしまいそうだ。逆に言えば実力があって、ビジョナリーのような先見性やチャレンジ精神があれば、わざわざパチンコのような利の悪いギャンブルなんてしないのではないか。

パチンコのCMを見て思うのだが、何故昔流行ったドラマなどがパチンコ台という最も重要な製品になるのか不思議でならなかった。例えば今更、冬のソナタ、北斗の拳、トゥームレーダー。おいおい、もう皆忘れかかっているじゃないか。

でも、後期大衆、ラガード(採用遅滞者)にとっては、まだ新鮮なのかもしれない。そう考えると、パチンコメーカーのマーケティング戦略はきちんとターゲティングして、パチンコに行く人のイメージを捕らえた上で製品化しているのだと思ったのだ。

あくまでも筆者の仮説です。


ネットキャシュ比率と自社株買い

Posted by skillstorage at 13:11 / Category: ファイナンス / 0 Comments

キーエンスが潤沢なキャッシュで国債を買っていることを前回書いた。

利益から生じたキャッシュが使い道が無い企業というのは、現金所持の比率が高くなる。指標で言えば、ネットキャッシュ比率というものがある。

ネットキャッシュ比率とは、(手元流動性-有利子負債)÷時価総額であらわされる。

この比率の高い企業は、資産を有効活用されていない企業と同等と見なされる。株主は多くの場合高配当を要求する。
また、敵対的買収の脅威にもさらされる。

配当を出すか、他の事業に資金を使うか、国債みたいな現金よりはかろうじてましな債権を買うか、あとは自社株買いという方法がある。

自社株買いについては以前説明した。ところでこんな記事が月曜の日経一面にあった。

企業の自社株買い倍増
上場企業が今年4月から7月までに実施した自社株買いは総額で1兆6,800億円に上り、前の年に比べ倍増しました。年間換算にすると過去最高の水準です。これは野村証券金融経済研究所がまとめたもので、背景には国内外で企業買収が頻発する中、経営者が自社株買いを買収防衛などの有効な手段として認識し始めたことがあります。また自社株買いの拡大は、株式市場の需給改善につながる可能性もあります。

自社株買いによって余剰なキャッシュを使い、さらに株価の向上、シグナル効果も期待できる。

全うな会社は、余剰なキャッシュでは国債なんか買わずに自社株買いと配当で株主に戻すのが筋だと思う。



›8 28, 2006

キーエンスの本業は? (有価証券報告書を読む)

Posted by skillstorage at 18:35 / Category: ファイナンス / 0 Comments

キーエンスといえば、無借金会社であり、超高い利益率(経常利益率50%越)で有名であることを紹介した。


その際、筆者は個人的に投資対象として興味は無いとは書いたが、今回深く有価証券報告書を見て愕然とした点がある。ホームページ上には財務データ、IRデータが開示されていないが、EDINETで見ることができる。
何で開示しないだろうかと思っていたのだけど。。。

営業利益率、経常利益率が抜群に高いというだけでは、実はその企業が優良かどうかは判断できない。売上を上げる為には設備投資など即ち資金調達が必要だからだ。調達した資金に対してどれほどの利益率を上げているか(ROICなどの指標で計る)こそが重要なのだ。

キーエンスでは無借金経営で、有利子負債よりも調達コストの高い株主資本から資金を調達している。株主に対する配当は税引き後に対して、有利子負債の支払利息は税引前であるし、資本コストとしても株主資本は高い。
ところで、利益の後に税金を払い内部留保に回すことになるが、損益計算書では実際の現金(キャッシュ)を追うことができない。だが、キーエンスの場合は一般的な製造業と比べて著しく高い利益率から現金が潤沢であることは簡単に創造できる。

問題は税引き後にその利益から産まれた現金をどのように活用するかまで考えないといけないのだ。
内部留保された利益はもし、利益率が高く、現金としても大きく蓄積されるのであればバランスシート(資産)はどんどん膨らんでしまう。
そうなると調達資金に対する利益率は低下するし、使い道が無い現金を大きく抱えてしまうことになる。

儲かっている企業でありかつ拡大・成長方針が明確に定まらない企業特有の悩みであり、一般の製造業者からみたらうらやましいことなのかもしれないが。

キーエンスがまさにそのような状態だと見ることが出来る。例えば、売上高1360億に対して、1180億もの有価証券を保有している。しかも投資目的ではなく、国債といった投資に対するリターンが調達コストよりも低い有価証券である。現金を持つよりは良い(現金は持っていても増えないから)という考えにも見て取れる。

ここはどのように解釈するかは投資家判断になる。

キーエンスの有価証券に対する投資によって財務キャッシュフローを増加させ、営業キャッシュフローから入ってくる潤沢な現金をなんとか減少させようとしているのだと見ることができる。

結果として本業では高い利益率を得ながら、調達したカネに対するリターンを落としている。

次にどの分野へ向かうのか、将来の成長戦略を構築を既存事業以外に見出せない企業では、実はこのような財務戦略をとる企業は結構ある。他にも数社まったく同じことをしている企業を知っている。


金利が上がると企業は借金を返済する。

Posted by skillstorage at 17:01 / Category: ファイナンス / 0 Comments

上場企業、有利子負債依存度が30%割れ・バブル後初
 上場企業の金利上昇への抵抗力が増している。総資産に対する有利子負債の割合を示す有利子負債依存度は2005年度末で27%台と、バブル後初めて30%を下回った。収益増などで総資産が膨らむ一方、余剰資金を借金返済に振り向けたためだ。実質的に負債がない企業も1700社余りのうち666社と3社に1社にのぼる。財務改善で、ゼロ金利解除を機に予想される金利上昇局面でも、投資などの成長戦略を継続しやすくなっている。

記事を読むと金利上昇=有利子負債からの調達コスト上昇と捕らえられている。しかしながら、金利上昇によってマーケットプレミアムも上昇するため、株主資本からの調達コストも同時に上昇するのが理論ではないか。

Re=Rf+β(Rm-Rf)

だが、実際には有利子負債からの調達コストが上昇になる。事実記事にあるように多くの企業が有利子負債返済に動いている。これは何故だろうか?

(1) 株主資本からの調達は増資時であって、増資後は資本コストの影響は受けないから
(2) 株主は実際には理論どおり動かず、金利の変動が株主資本からのコストとはならないから
(3) 株主資本は返済義務が無いから金利上昇による株主資本コストの上昇は無視できるから

わからないけど、色々理由はありそうだ。どこにメリットがあるのかも企業によって様々なんだろう。

しかし、いずれにしても金利が上昇すると企業は有利子負債返済するようだ。


›8 21, 2006

マキャヴェリズム(古典的リーダーシップ)

Posted by skillstorage at 09:42 / Category: リーダーシップ / 0 Comments

マキャベリズムとは、『君主論』を書いたマキャヴェッリのリーダーシップのあり方であり、古典的かつ典型的なリーダー像である。簡単に言えば、目的のためには手段を選ばない強固なリーダーシップで、強引に組織の人間(部下)を動かす。謀略主義とも呼ばれる。


マキャベリは、「すべての人間は利己的な利益だけを追及する点で共通である」と言い、一般大衆(組織の場合は一般社員)を愚民的に見なしており、それをどのように活用するか狡猾に戦略としている。良い意味では策士、戦略家として使われ、戦略の合理性によって組織を動かすリーダーシップである。


対比されるのが、浪花節である。
浪花節とは、庶民的な義理人情に訴え目標を遂行しようとするリーダーシップのあり方である。
義理人情というと良いイメージが出てくるが、逆に言えば組織内の根回し、政治的動き、利害調整といったやり方で覇権を取るのが義理人情で、理念に訴えるのがマキャベリズムとも言える。


時にマキャベリズムと浪花節が同居するリーダーも存在する。情に訴えつつも手段を選ばないことから矛盾したリーダーシップのあり方であると思う。


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›8 18, 2006

電子メールは使い物にならなくなるのか

Posted by skillstorage at 11:33 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

最近またスパムが多くなってきた。ニュースで読んだのだが世の中のメールの8割はスパムだとか。スパム対策ソフトをメールサーバーに入れても漏れは出てくるし、たまにまぐまぐなんかはスパムと判断される。
電子メールアドレスはなかなか変えられないし、変えても沢山の人にアドレスを教えるからまたスパムが届くという悪循環。ブロードバンドが普及していない状態だったら、毎日のメールの取り込みだけでいやになっているだろう。

ただ、まだ日本は良い。英語圏だと件名だけではなかなかスパムかどうか判断しずらいのも多くて、識別に手間が何倍もかかる。筆者も英語用のアドレスを持っているが、何度も海外の友人のメールを間違って削除してしまった。

Blogでもコメントスパム、トラックバックスパムが多くてうんざりさせられる。ほとんどがスパムという酷い状況だ。

そう考えると、もう今の電子メールの仕組みは限界が来ている気がする。多くの人はもっと辛抱ができず、一日50件くらいのスパムでも悲鳴を上げているようだから。
どんな電子メールの仕組みが良いかというと、SNSのように信頼関係がある間のメールだけをやり取りするしかないのかと思う。
ここらへんは、ちょっとしたアイデアでビジネスになりそうなので考えてみようかな。


›8 09, 2006

21世紀の恐竜、総合商社(双日がMSCB発行した訳)

Posted by skillstorage at 12:59 / Category: ファイナンス / 0 Comments

兼松、双日と劇薬MSCBによって資金調達をしてきた。あたかも資金調達ができ、その資金で経営てこ入れ(再建)ができるように見えてしまうようではあるが、この資金調達は既存株主の損害の上に成り立っている。
MSCBはライブドアの時にも話題になったが、既存株主は大損害を受け、そのため双日などは一部の株情報掲示板では炎上する始末である。
株主以外からみても、MSCBによる資金調達をする企業は信頼が置けないと見える。双日は経営てこ入れを行うのに社員の更なるリストラ、給与削減といった方法を取らずに、逆に出した利益を還元しないといけない株主をおろそかにしているようにしか見えない。

逆に言えば、このような手法を使ってしか資金調達ができない危ない会社にも見える。

双日の経営者はHPで次のように書いている。
(MSCBは、)「株価への影響を抑えながら資本調達を行うという当社の方針に最も適している、との判断」
http://www.sojitz.com/jp/ir/message/index.html

目的は株式価値の向上などとうたっているが、どこが株式価値の向上につながるのか。
優先株償却を何故MSCBで実施するのか。そもそもは期間利益によって行うと発表していた。もっともそんな利益は出せないということなんだろうが。


MSCB引受証券(野村)は総額3000億のキャシュを双日に与え、社債を株に転換させ、売り浴びせ(空売り)、株価が下落させ儲ける。双日は時価総額と同等のキャッシュが労せず入る。他方、株主は持分が希薄化し、株価も下落する。

そして被害を受ける株主の98%が個人・その他のいわゆる一般株主だ。
http://www.sojitz.com/jp/ir/stkholder/stock.html

株価は下落すると、割安株に見えてしまう。そこでPERやPBRなんか見て安いと思ったら大間違いだ。EPS(一株当たり利益)を単位とする指標を盲点とさせてしまうのもMSCBの恐ろしいところだ。

野村が社債から株に転換が進むに連れ、発行株数が増え、どんどんと一株当たり利益の価値が下落する。株価の下落にあわせて発行株数が増加するので、既存株主の損害は計り知れない。

恐ろしいことに双日を単なる指標を見て割安と判断している記事まで出ている始末だ。

考えてみれば、優先株は双日の有利子負債を恐れた(経営状況が酷いから)銀行がエクイティにスワップしたのが発端だと思う。銀行は優先株を早く消却したいと望んでいるはずである。商社の利益率はゴミみたいだし、とても期待収益を超える利益率が出せない産業だけあって損切りしたいのかと思う。そこで経営陣に既存株主犠牲を伴うMSCB発行を促したのではないか。

結局双日は財務指標である自己資本比率はデット・エイクティ・スワップやMSCBによってよく見せられるが、経営的には何も変わっていないということを見抜けない株主は大損をしてしまう。

さて、総合商社だが今までもさんざん商社不要論だとか出てきたが、21世紀になって恐竜は存続できるのだろうか。

これ面白い
「双日は地獄だぜ」


›8 08, 2006

成功するエネルギーの源

Posted by skillstorage at 16:19 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

起業、スポーツ、政治、どんな分野だって成功するには大きなエネルギーが必要だ。単なる行動力による成功なんてあっという間にマネされて終わりだ。
高いレベルの成功には努力が伴う。プロと呼ばれる人たちの努力はあまり語られないが、見てみると常人ではマネできない過酷なものだ。長い過酷な努力の末に成功がある。努力の伴わない行動力だけの成功なんてちっぽけなものだ。

頂点に立つプロは誰よりも過酷な努力を持続している。何故彼らはそれほどまでに過酷な努力を持続できるのか。

成功した連中はコンプレックスの固まりだったりする。自分の容姿、女や金に対する執着、あるいはいじめられた連中への見返しなど。そういった負のエネルギーはとても強いんだなと思う。コンプレックスに対して自己嫌悪に陥ったり、自暴自棄にならずにそのエネルギーをぶつける場所がとても重要なんだ。

僕も、他の人から見たらちっぽけなことかもしれないが、かなり人に対してムカついて何にも手が付かないことがあるけど、そんな負のエネルギーがマイナスに作用するんじゃなくて何かプラスに活かせないかと思った。そこで受けていた厳しいスポーツのトレーニングの最中にそのムカついたことを思い出してみると、今までは過酷でしょうがなかったそのトレーニングのノルマがすんなりとクリアできてしまった。

これには驚いた。

大きな夢や欲望があればそれに越したことは無い。ひたすら突き進めば過酷な過程だって乗り越えられる。でも日常のコンプレックスや怒り、不満だって何か目標にむかってそのエネルギーを使えばすごいパワーとなって作用するんだ。


›8 07, 2006

親友とは

Posted by skillstorage at 12:51 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

親友とはどんな友達だろうか。人によってはしょっちゅう「僕の親友は、、」とかいうやつもいるし、一般的には親友がいない人が多い気もする。
定義も単に価値観が似ている、趣味が同じ、相談し合える、いつも一緒にいるなどが一般的なんだろうと思う。
でも僕にとっての親友とは「一緒の夢を共有できる奴」だ。

そもそも大人になって夢を持って生きているやつ自体少ないのかもしれない。

僕にとって理想の親友は相変わらず、サンクチュアリの浅見と北条のような関係だ。もしくは同じ原作者のオデッセイに出てくる新美と石津の関係。

最近読み直したのだが、やっぱり素晴らしいな。両方ともストーリーとしては平和ボケした日本を変え、威厳のある国家へと変えようとする共有した夢のために、どんな苦労でも協力して乗り切ろうとするし、時には自分の命も犠牲にする。

まだ若かった頃読んだときも、こういうのが生きるってことなんだと思った。

だが、読み返してみると、うらやましいのはこういった夢を持つことよりもこういった親友を持つことなんだと愕然としてしまった。オデッセイでは死ぬ間際に「お前がいるから俺は死ねる」と呟く。自分の夢を親友に託せること、そして親友を信じて、自分が死んでも共有された夢は生き続けること。こういった人生に比べて自分はなんなんだと思ってしまう。

なにもそんな大きな夢でなくてもいいから、共有できる夢を持つ親友という姿は美しいな。

かつて一緒に音楽活動をした仲間たちとの間にはそういった共有したものがあったことを思い出して、今の自分を見つめなおした。誰かが言った。「夢は実現できるかわからないでっかいものでしょう。夢を諦め、実現できることを着実に見つけることが子供から大人へ変わるということなんだと思う。」

僕はそう思わない。どうやったらたどり着けるかわからない夢こそ、生きる証なんじゃないかと思う。実際大人になったって夢を持って生きている奴はいるじゃないか。大人になって親友を持つということは、まず自分がそういった夢が無いといけないのだと思う。


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亀田家の人気の秘密は

Posted by skillstorage at 11:21 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

試合の判定内容に関しては様々なところで批判的意見が出ているが、それでも亀田家(兄弟そして父親)が日本中にブームを巻き起こしたのは、単なるボクシングに対する人気ではなく、家族に対する感心の高さであることは誰もが納得するだろう。
この亀田家人気は社会的な要因が大きいと感ずる。

亀田家のような家族はほとんど存在せず、かつ多くの家庭が亀田家の関係を求めているのだと思う。
誰が見たって亀田家は特別だろう。スポ根家族だし、どこの家庭よりも子供に対して厳しく接している。それでも子の父親に対する愛情はどこの家族も遥かに及ばないほど熱い。そして家族一丸となって夢に向かって突き進んでいる。

一般的な家庭はというと、親と子の会話はほとんど無く、親父はマイホーム・パパと呼ばれるように、子の欲しいものを買い与えることが愛情だとしている。子は人生に対する特別な目的も見出せなく、やがて働く意欲も無いニートと呼ばれる無気力な若者が大量に出現した。親はというとマイホームのローン返済だけが仕事の目的になっている人も多く、ニートを産み出した責任というのも感じられない。

かつて巨人の星もマイホーム・パパに対する強烈な警鐘として広く受け入れられたが、亀田家はまさにその再現だ。

マイホーム・パパばかりだと日本は駄目になる。自分の家庭も家族一丸となって大きな夢を実現させたいという気持ちが亀田家の人気に繋がっているのではないか。

興毅がチャンピオンベルトを父に巻いたときには泣けた。父のボクシングが正しいことが証明できたと泣き崩れた。

亀田家のように大きな夢が実現できるような家庭はほとんどないだろう。それでも夢に向かって突き進む姿は僕にとっても家族の理想である。



›8 04, 2006

省エネでなく創エネ

Posted by skillstorage at 15:21 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

省エネがもてはやされている。電化製品にしても自動車にしても身の回りの電気を使う製品のエネルギー源を省力化できる製品に省エネという言葉が使われる。
この分野の製品は日本がダントツで世界一だ。
それはそもそも日本は石油が出ないし、資源の調達コストも高い為エネルギーを抑えた生活スタイルというのが日本人のライフサイクルに不可欠なところがあると思う。
例えばアメリカ人は日本人のエネルギー消費量は2倍だ。車も排気量の多いものが売れる。ガソリンが高くなってきてこの1年くらいでまたハイブリッドだとか感心が高くなってきているようだが。

だが、省エネでもやはりエネルギーは食う。

そこに来て原油高だ。中東の情勢も不安定だし、そもそも石油は限りのある資源だ。昔は石油は50年で無くなると言われた。実際には油田も見つかり50年では無くならないが、いずれにしても限りある資源だ。

代替エネルギーも見つかって安心しているが、ここで言う代替エネルギーは危険を伴う原子力発電だ。核廃棄物は非常に危険で環境面から問題がある。

そのようなことから更なる代替エネルギーが求められている。

もともとエネルギー現は水力、風力、太陽、地熱など環境にやさしいものは多々あった。しかしエネルギー生成効率が非常に悪く現実的ではなかった。

だが、技術の進歩でそれらのエネルギー元が使い物になりつつある。

そのような環境の中生まれた言葉が創エネだ。

創エネとは、環境にやさしいエネルギーを創出するための製品であり、太陽電池、燃料電池、風力発電が現在企業も積極的に研究開発している。

そして市場も急激に伸びている。

これは消費者にとっても歓迎すべきことだ。そしてエネルギーや環境に敏感な日本人は世界で優位に立てる。
ヨーロッパも環境には日本以上に厳しいが、創エネではなくむしろ物を大切に使うとか、環境にやさしい原料を使うといった利用面での取り組みのほうが主導だからだ。

アメリカは話にならない。ゴミの分別さえほとんどできておらず、資源は無限だと思い込んでいる国民がほとんどだから。
この分野で日本の製造業が世界的優位に立ち、再び日本経済が活性化することができると思う。そして、日本にとって世界で通用する唯一の分野だと思う。金融やIT、ネットなんていうのは所詮米国の受け売りビジネスでしかないから。


›8 01, 2006

キャズム

Posted by skillstorage at 18:46 / Category: マーケティング / 0 Comments

製品にはライフサイクルがある。製品ライフサイクルに則り製品が普及するそれぞれの過程で購入する人の層を導入期から順番にイノベーター、オピニオンリーダー(アーリー・アドプター)、前期大衆(アーリー・マジョリティ)、後期大衆(レイト・マジョリティ)、採用遅滞者(ラガード)といったセグメントに分類される。

消費者向け製品で言えば、芸能人、モデルが先駆けてオピニオンリーダーとなり、マスコミ勤務の連中などから広く都内層に広がり、やがてマスコミで取り上げられ一般大衆に広がっていくというプロセスである。

メーカーはそれぞれの製品ライフサイクルのセグメントに対し異なったマーケティングを行う。ハイテク製品分野においては、このライフサイクル上にある溝が存在することがわかった。これはジェフリー・ムーア氏が本「キャズム(溝)」という本で明らかにした。キャズムとは成長期から成熟期にいたる曲線における溝である。つまりこの溝を越えないと成熟期に入れない。
この溝は顧客セグメントの違いによって生み出される。この溝を越えない限り製品は最もうまみのある成熟市場に到達できないのである。

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