›8 31, 2009

民主党圧勝とゲーム理論

Posted by skillstorage at 09:49 / Category: ネゴシエーション(交渉術) / 0 Comments

げーム理論に有名な囚人のジレンマがある。2人の共謀した囚人が2人とも黙秘を続ければ両方のメリットが最大になるにもかかわらず、相手を信頼せず相手の罪を両方とも告白してしまい有罪を被るという話だ。これは数学の世界でも研究されている。
選挙においてもゲーム理論は大いに発揮できる。例え議席を減らした少数派の党でも逆に政治力があがるパターンも存在する。

さらに今回の民主党の圧勝にはゲーム理論から考察しても十分予測可能であった。民主党を支持したのでは無く、実は自民党を不支持したのだ。
これはテレビでも多く指摘されているが、民主党は喜んではいられない。
有権者が自民党だけは投票したくないと考えた。しかし支持したい党は特に無い。仮にあったとしてもとても政権は取れない。
そう考えると別に支持していない最大野党に票を入れるという理論になるのだ。
そのような安直な投票が今後どれほど国益に影響を与えるのだろうか。民主党のお手並み拝見である。選んだのは日本国民だ。



›8 29, 2009

民主党=日教組のチラシ

Posted by skillstorage at 20:13 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

自民党からのチラシが入っていたが、なんだか民主党批判に必死でかえって印象が悪い気もするのだが。
自民党のHPには他のチラシのバージョンもあって、その中で最も過激なのは民主党=日教組というものだ。
民主党の支持基盤である日教組批判に注力しているチラシだ。
日教組の自虐史観教育に怒りを持つ者は多いだろうし、このチラシを見て日教組に怒りを覚えるものも多いだろう。もしかして日教組が民主党の支持基盤と知らない人もいるのかもしれない。
安直に「民主党に一回政権取らしてみたら良い」位の人もいるのかもしれない。
でも政党を批判するのではなくて、いきなり支持基盤の日教組を批判するの?

やはり、自民党には大きな不満、民主党には大きな不安というマニフェスト評価は的を得ているなぁ。
自民党の最後の攻めで結果は変わるのだろうか?
支持できる政党が無い人は?選挙に行って白紙で出して投票率を上げて良いことはあるのか?
宗教団体の信者が支持基盤というのは。。。

›8 16, 2009

続・資本論 (まんがで読破)|マルクス、エンゲルス

Posted by skillstorage at 00:16 / Category: 書評 / 0 Comments

まんがで読破シリーズはかなり読んでいる。古典書、名書をまんがにしたシリーズ本だ。その中でおすすめなのが「続・資本論」だ。マルクスが体系化しエンゲルスが書物にした歴史的名書である。米国では共産主義の失敗とかつての敵対国文化からほとんど注目されていないが、本当は今こそマルクスの資本論を読むべきだと思う。
現在の資本主義は末期症状を迎えており、資本主義の末期から共産主義が生まれるのだ。
さて、続・資本論の良いところは、マルクス、エンゲルスの主張や理論が随所で説明されているところだ。
貨幣についての説明から、余剰利益についての説明が続く。

ストーリーで、消費者向け製品をつくっている工場が中心に出てくる。ここの雇われ経営者は労働者を大切に大切にしたいという意向がある。他方、オーナーは徹底した資本家で非常に合理的な考えを持つ。
経営者は労働者の待遇を良くしたい思いから、機械を導入して生産を拡大し利益の拡大を目指す。順調に行くのだが、機械が生産の主役に変わり、労働者は誰でも良くなってしまう。
これは日本の製造業の現場で行われていることと同じである。労働者の価値が下がり、派遣社員は生産調整の手段となってしまった。

日本の製造業はロボットや製造装置に投資を行っているのが強みだが、逆に労働者の付加価値がそれによって下がっているのである。労働集約的に人手で生産が行われている中国などの工場の労働者よりも生産に対する労働者の付加価値率は日本の労働者は低いことになる。

そして、機械を導入するために設備会社に発注をするのだが、消費者向け製品をつくる工場と違い、生産向け製品をつくる会社というのは前者に経営が依存している。マルクスが「不均等的拡大」と呼んだ現象である。
日本でいえば工作機械メーカーや半導体装置メーカーや町工場だ。自動車や電機がリストラやコスト削減努力で黒字化しても、設備に依存しているメーカーは新規設備が増えないことから黒字転換しない。工作機械や装置メーカーは売上が7割も落ちている。

これらの産業が衰退すると労働者の賃金や職が減ることから消費者向け製品も売れなくなる。不況と恐慌の悪循環である。

現在の先進国がまさにその状況である。違うのは政府による過剰な財政出動と金融緩和である。本来需要が無いものを無理に需要を作り出し、潰れるべき企業を延命させているのだ。この対策が無かったら中小企業のほとんどが潰れてしまい、失業率は30%を軽く超え、先進国経済はガタガタに崩壊し、飢餓、暴動、戦争の勃発という事態にさえなるのではないかと思う。

しかし、過剰な政府によるセーフティネットはモラルハザードを生み、短期間で済むべき経済や産業の転換を遅らせてしまうことになるだろう。

さて、長くなったが続・資本論を読むと資本主義の限界がわかり、マルクス主義から多くを学べることに気付くであろう。



›8 01, 2009

新ナニワ金融道 4|商店街の崩壊

Posted by skillstorage at 23:15 / Category: 書評 / 0 Comments

夏休みに子供のころ育った町にある商店街に行ってみた。町はそんなに変わっていないのに商店街は大きく変わっていた。いくつかの店はそのまんまで、同じ人が経営していた。ずいぶん年を取ったが。
驚いたのは商店街の中に新しい民家としての住宅ができていたことだ。商店街が既に買い物をする場所ではなくなってしまっていた。残っている店もまったく人の入らなそうな婦人服屋が数件、本屋、布団屋、パナソニックの電気屋と魚屋くらいだ。

近くに大きいスーパーやショッピングモールが無いにもかかわらずこの低落だ。人口は逆に増えているのだが。

20年前のテレビドラマ「スクールウォーズ」では街一番のワルは父親の経営していた小さな店の前に大型量販店ができて自殺したのが原因でグレた。

新ナニワ金融道の4巻もまた商店街を中心にしたドラマが繰り広げられる。すでに崩壊した商店街では開いている店もまばらだ。通行人は単に駅への近道に商店街を利用するだけだ。そんな商店街でもカネ儲けの種はあるのだ。商店街への助成金、借地人の強すぎる権利、エセNPO団体、そしてサラ金だ。

そんな苦境の中の商店街のオッサンも不倫でなんだか人生で一番幸せそうな時期みたいなのも面白い。
商店街、そして喫茶シオフキを中心として繰り広げらる展開に目が離せない。


新ナニワ金融道 4 絶望銭色吐息!!編