›1 21, 2015

認知療法のABC分析

Posted by skillstorage at 01:00 / Category: 政治経済(Political Economy) / 0 Comments

楽観主義者と悲観主義者ではものごとの捉え方が大きく違う。
前回書いたように、楽観主義者の方が健康で、営業成績が良く、勉強からスポーツまで高いパフォーマンスを発揮するという研究結果がある。
そもそも、楽観主義者の方が幸せだ。それならば、楽観主義者になってしまえば良いのだ。

悲観主義者と楽観主義者のものごとの捉え方の象徴は半分だけ水の入ったコップだ。
「もう半分しか無い」と捉えるか「まだ半分もある」と捉えるかだ。

例えば、マラソンのような長距離を走るのは苦痛の連続だが、残りの距離をどのように捉えるのかで心の持ち方が大きく違い、パフォーマンスや精神状態に大きな影響を及ぼすことは容易に想像ができる。

ABC分析とは捉え方のステップ名のことである。
A:Adversity(困った状況)
B:Belief(それについての思い込み)
C:Consequence(結果)

例えば営業マンの苦境を想定してみよう
A:「営業成績が激減し、会社内で危機的な状況だ」
B:「なんて自分はできないんだ。会社をクビになるかもしれない。」
C:「もうやる気がでない。」(酷ければ、クビになった後の生活や就職活動まで思考を巡らすかもしれない・・)

この思い込み、認知の方法を変えると幸せになれる。

B:「悪いのはたまたまだ。そもそも商材や景気が悪い。自分のせいではない」
C:「これまでどおり粛々と営業を進めよう」

精神的にも全然違う。そしてできる営業マンは、それが天性のものか意識的なものかこのような楽観主義を効果的に取り入れているのだ。

›1 19, 2015

オプティミストはなぜ成功するか|良いことを毎日3つ書くと幸せになれる

Posted by skillstorage at 03:47 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

ペンシルバニア大学のセリグマン教授らが提唱した「ポジティブ心理学」という新しい分野がある。人々がどうしたらもっと幸せになれるかの研究が行われているのだ。セリグマンらの研究では、毎晩寝る前に今日良かったことをを3つ書くことを1週間継続するだけで、その後半年間にわたって、幸福度が向上し、抑うつ度が低下するという結果が出ている。

さて、セリグマンによれば幸せな人がオプティミスト(楽観主義者)であることはもちろん、スポーツ、学業、仕事、セールスにおいてもオプティミストが圧倒的に成功しており、また健康な人の割合もオプティミストが高いとのことだ。

これを初めて読んだ時、正直驚いた。

日本では、成功者は人一倍苦労してきているし、成果を上げる人は現実を直視するペシミスト(悲観主義者)だと思ってきたからだ。
しかし、データが示すようにオプティミストの方が人生幸せに決っている。

営業マンの世界でも、現実を直視したら逃げ出すような場面が多い。しかし、楽観主義者のように現実を過剰に捉えず、理想を求める人や組織の方が成果が出せるだろう。
営業マネージャなら、恐怖で営業マンを動かすよりも、常に前向きな希望によって組織を動かすべきだろう。

有名な例として、アフリカのブッシュマンに靴を売りに行く話がある。ブッシュマンは誰も靴なんか履いてない。それを見て、靴は売れないと思うか靴が売れるチャンスと思うか。

オプティミストになることでメリットは沢山ある。夜寝る前にその日の良かったことを3つ書くだけだ。試してみよう。


›1 03, 2015

30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由|杉本宏之

Posted by skillstorage at 09:25 / Category: 書評 / 0 Comments

杉本宏之氏といえば、かつてエスグランドというワンルームマンション販売を経営し、一世を風靡したやんちゃな若き起業家というイメージがこびりついている。
川崎の不良チーマーで悪さをしていた高校生が、卒業後不動産会社に入りのし上がっていく。不動産会社を設立後、時流に乗り上場、そして無謀な経営拡大の末、破産してしまうのだ。
彼の父もまた、不動産会社を経営したものの倒産し、金持ちから生活保護にまで転落してしまう。

まるで父子同じ人生を歩んだかと思っていた。

本書では、上場後の贅沢三昧な生活から一転し、リーマンショック以降の崩れ落ちるような経営不振から債権者による追い込み、自己破産から借金をして会社設立し、再起するまでの壮絶なストーリーが繰り広げられる。

杉本宏之氏に対する怒り、怨念、妬みを抱えている多くの人がいるだろう。何しろワンルームマンションの販売に嫌な思いをした人や大損した人は大勢いるだろう。
投資用ということで頻繁に電話を受けたことがある。投資ローンが降りやすい上場企業社員や公務員へ徹底した売り込み電話を行う販売手法だ。
借金させ投資不動産を買わせるのだが、投資は自己責任だ。購入した多くの人が逆ざやや借金やメンテナンス費用の重さに耐えられない。

不動産デベロッパーは、少ない自己資本から過剰流動だった銀行融資でレバレッジを掛け物件開発し販売し、大きな収益を得ていた。
エスグラントでは業績を更に拡大させるため、ひたすら拡大路線を進めた。リーマンショックで融資が降りず、前期史上最高益をあげていた不動産デベロッパーが次々と破綻していく。

窮地に陥ったエスグラントは、貸し剥がしと債権者からの取り立てに苦しむこととなる。下請けの建設会社は、どうしても金が必要だ。しかし払う金が無い。下請け会社の社長は「おまえを殺して、俺も死ぬ」などと詰め寄る。
上場会社で無い中小企業の社長は、個人保証や連帯保証人付きで銀行借入をしているのだろう。会社が潰れることは、自分や家族の破産だけでなく、他人まで破産させるかもしれないのだ。必死で回収しようとするだろう。

それでも払わない。払えない。

このような状況でも杉本宏之氏は僅かな希望を失わず、苦しみながらも前に進む。
しかし、客からの預り金まで銀行に回収されたのを期に、とうとう諦め破産するのだ。

400億もの借金だ。多くの人を苦しめたことだろう。
倒産し、自己破産した後も、因縁を付けられ、絡まれることも多々あったようだ。

自己破産後も免責されない税金を支払うため、知人に借金をし、妻と子供には逃げられても、生き続け、更には多くの人の協力を得ながら復活へ動き出す。

過去の部下、経営者仲間、友人達の協力を得ながら前へ進む。
窮地に陥った時に、どれだけの仲間から支えられるのかが人間力だと痛感した。

恨みを持つ者も多いが、慕い、助け舟を出す者達がいることは素晴らしい。
起業家には怪しい組織や人物も近づくが、彼の周りは新興企業の経営者から、著名な政治家、経営者まで多くの人脈があった。
ホリエモン、サイバーエージェント、グリーなどから老舗企業の年配の創業者までの人脈。起業家はサラリーマンとは決定的に違うものを感じる。

事業を失敗し、もう表舞台に上がれず細々と生き続ける者がいる一方、こうして多くの仲間に助けられ再起する者がいるということを多くの人に知ってもらいたい。そして、再起できる日本社会は捨てたものじゃないと痛感させられた。