›10 30, 2010

ヤクザが店にやってきた

Posted by skillstorage at 16:26 / Category: 書評 / 0 Comments

テレビドラマで「闇金ウシジマ君」が始まった。この作品は借金などで苦しむ底辺の生活や暴力をリアルに表現している。
漫画本版はさらに過激で、その暴力のすさまじさから読後に暗澹な気分になる。ネットでの感想なんかを読んでもトラウマになるような人までいるようだ。
実際の暴力や恐怖の世界を知らないが、そんな世界はとても見たいとは思えない。

さて、川崎市は多摩川を渡って東京都と面している都市で、有名な焼肉屋が沢山ある。無類の焼き肉好きなので川崎に行くことが多いのだが、海の近くには韓国人街に焼肉屋が沢山あり、また川崎の平間駅近くは東京都のキヤノンや川崎のNECの近くであり、有名な焼肉屋が多く立ち並んでいる。そんな場所にある店にたまたま行ったら「ヤクザが店にやってきた」がオーナーの店だった。この店の近くには複数の有名焼き肉店があるのだが、芸能人やら格闘家やらが大勢来ることで有名な店もある。

川崎で別の店だが焼肉屋に行った時にヤクザの集会をしていて怖かった経験がある。店の中の入り口付近には若い衆が数名立ちっぱなしでいて、個室ではどうやら人事が行われていた風だった。小指が無く、見るからに恐ろしい男が立ちっぱなしで睨んでいた。別室で怖い思いをして食べたのだが、その後その店にいったらまたヤクザがいた。

こんな店ばかりではないだろうが、ヤクザと徹底して戦う店があるということは驚きだった。置いてある著書を貪るように読んでしまった。
ヤクザが怖いのはイメージであり、ウシジマ君に出てくるような世界ではなかったので良かったが、ビビる人間や金を払ってしまった人間は徹底して追い込まれるのかもしれないとも思った。強靭な精神で断固として戦う姿勢こそが、ヤクザが寄ってこない方法なのかと思った。
それにしても屈服しない精神は普通の人ではあり得ないのではないか。

実は、以前それらしき人物から電話がかかってきたことがある。怒鳴るような大声で、自分の経歴やら住所などを言われた。その時点でまず恐怖を感じたのだが、要求はどうやら同和の情報を買えとかそんなことのようで、一方的に電話を受けながらインターネットで調べたらすぐに対策が出てきてその通りの応対でお断りした。その後、何も言ってくることはこれまで無かった。

脅しには徹底して戦わないと付け込まれるのだろう。これはヤクザだけでは無く訪問販売などにも共通していると思う。


›10 29, 2010

人的サービスレベルの低下

Posted by skillstorage at 19:58 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

ここ最近のことだけれど、牛丼チェーンやファミレスに行くと安くておいしいので感心させられる。と同時に、サービスが悪いので腹立たしい思いを毎回する。
働いている人は、昔に比べて中年層が増えている気がするのだが、とにかく人手不足感を感じる。
安くてうまいので人が結構入っているのだが、まず待たされるときに店員が出てこない。そして席に通されてからも注文したくて呼んでもなかなか来ない。
注文を間違えたり、こぼしたりといったミスも目立つ。
店員どおしで掛声をかけならが必死に対応している様子だが、あきらかな人手不足を感じる。
外食サービスに限らず、人手不足を感じさせられるサービス業が増えている。
過当な競争から人件費を削り、働く人は必死なのだろう。これだけ人が集まっても収益が悪いのだからただ事では無い。
失業率の上昇から中高年でも低賃金の仕事をしないといけない。これまで若者がアルバイトでおこなってきた仕事に人が押し寄せてきて仕事の奪い合いという競争が激化しているのかもしれない。
こんなところからも日本の経済状況がただ事では無いと感じさせられた。

›10 28, 2010

毎日30分の語学習得法

Posted by skillstorage at 20:45 / Category: 英語学習(TOEIC、留学など) / 0 Comments

小説家黒木亮の記事で毎日30分で彼は5ヶ国語をマスターしたとあった。
日本企業は国内マーケットの縮小やグローバル化から社員の語学力を求めている。
社内公用語を英語に変える企業も続々と出てきている。情報収集という点でも語学力は重要になってきている。

しかし、毎日30分の勉強で語学が習得できたら苦労は無いと思った。
そもそも学校教育でも自宅学習を含めて毎日30分以上は勉強しているはずだ。毎日30分では年間182時間である。
語学の習得というのがどのレベルかにもよるが、ビジネスで使える読み書き、会話を考えると最低1000時間は必要ではないか。
アルクのヒアリングマラソンも1000時間だった。

学習法や個人の能力差も大きいのだろうが、毎日30分の1年間の学習で考えると、自分ならまず基本単語の暗記、文法を徹底しておこない、ヒアリングとリーディングを行うと思う。
ちなみに中国語を2年ほど前から毎日30分位やっていたのだが、やはり1年位でみるみる上達し、基本会話や文章がなんとなく読めるようになった。寝る前にiPhoneで学習教材(文法と基本会話)をこなして、朝のトイレや通勤でもiPhoneで単語を覚えるという繰り返しを行った。
他の語学でもそうだが、そこから壁にぶち当たって上達している実感がまったくなくなってしまった。そこからモチベーションを維持しながら学習を続けていくことが一番重要なのだが。
ある一定レベルまで来ると、雑誌や新聞を読めたり、テレビの会話が聞き取れて学習というレベルを超えて楽しみながら学習できるのだが。

そこまで行くのには1000時間を遙かに超えると思われる。
また、そこから先のレベルもありネイティブとは歴然とした差が存在する。

余談だがアメリカの大学院を卒業しても、授業やビジネスの会話はわかるが、専門に学習した内容以外は理解できない。例えば、動物園や植物園に行っても日本語なら知っている当たり前の言葉がわかならい。アメリカ人なら誰でも知っているアメフトのルールもまったくわからない。誰でも知っている芸能人や政治家も知らない。
そんなことから会話が成り立たない。
ビジネス以外の砕けた言葉(スラング)もわからない。テレビゲームで大ヒットだったGTOの黒人ギャングの会話が全然わからなかった。日本語で言えば「ガサ入れ」、「サツ」、「まっぽ」みたいな言葉を知らないからだ。
まあこのレベルは理解できなくてもビジネスで支障は無いが。

黒木亮の頭の良さは小説を読んで十分わかるが、5ヶ国語はさすがにすごいと思った。

›10 27, 2010

人生最大のリスクは失敗を恐れて何もリスクをとらないこと

Posted by skillstorage at 11:57 / Category: アントレ(起業) / 0 Comments

この言葉を何人もの起業家から聞いた。損得という概念を超越した思想であると思う。
起業家だけでなく、何かを成し遂げた人というのは全てこの言葉が根底にあるのではないかと思った。
人生においては、起業であったり、他のことでも何かに全力投球したいと思うことが誰でもあるかと思う。しかし、多くの人がリスクを考えて実行できないのだと思う。
現状が安定していれば、新しいことへの挑戦はリスクがあまりにも大きいだろうし、失敗したときの怖さの方を考えてしまうのだろう。
しかし、現状維持をすると将来は後悔するのではないだろうか。精神論かもしれないが、人生は後悔の連続という人もいる。
価値観は人によってそれぞれだが、何も成し遂げることなしに人生を終わってしまうことは何のために生きてきたのかわからないとも考えられる。
それこそが人生最大のリスクであり、何かを成し遂げようとしてできなかった失敗はリスクとしては小さいのかもしれない。

›10 22, 2010

趣味と仕事の違い

Posted by skillstorage at 20:37 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

「趣味を仕事にするな」という人もいれば、「仕事が趣味」、「趣味が仕事となった」という人もいる。
そもそも趣味と仕事の違いについて考えてみた。
趣味は自己の満足を満たす活動に対して、仕事は他者の満足を満たす活動ということになると思った。

趣味は自己満足の世界で、他者の満足を満たさないかもしれない。その場合は仕事として成り立たない。
自己満足だけでなく他者にも満足されるような活動であれば仕事として成り立つだろう。

また、自己満足が「他者が満足すること」によって得られるのであれば、それも仕事して成り立つだろう。
仕事が趣味あるいは趣味が仕事という社長の話を聞いていて納得するのはこの点だ。

個人的なことだが、自分の趣味について考えてみた。
それは自己を満足させる内容ではあるが、とても他者の多くには理解できない世界であると感じた。
だが、一部の価値観を共有する他者には受け入れられると感じた。しかしその他者のマーケットというのは非常に小さくビジネスとしては成り立たないと感じた。

先日もテレビでアウトドア商品の社長が出ていたが、趣味が仕事と言いきっていた。
アウトドアが好きで、その素晴らしさを伝えるのが好きで、こんな商品があったら良いと思うものをつくる。

こういうことができれば最高だろうと思った。

›10 20, 2010

リストラ屋|黒木亮

Posted by skillstorage at 19:38 / Category: 書評 / 0 Comments

黒木亮の短編小説「空売り屋」で出てきた空売りファンドと企業再建中の大手スポーツ用品メーカとの戦いの物語である。
前作の「空売り屋」とはストーリーは関係無いので、「リストラ屋」だけを読み進めることができる。

黒木亮の小説は、実際の現場で行われている詳細なディールを沢山積み上げてつくられているのが特徴であり、リストラ屋も一般の人が知ることがない再建の裏事情が満載だ。タイトルがリストラ屋なので、映画「マイレージ・マイライフ」のジョージ・クルーニーのイメージをしたがまったく違った。マイレージ・マイライフは大手企業のリストラを請け負う企業で、いかに揉め事を起こさず、短期間にスムーズに人員解雇を行っていくかという手法だったが、こちらの小説はむしろ企業再生人である。
大企業の企業再生の常とう手段であるコストカット、つまりリストラを徹底的に行っていく手法だ。

企業再生をリストラで短期間に行うことで実績を積み上げてきた蛭田は大手スポーツ用品メーカの再生目的に投資しているファンドに売り込み社長に就任する。
過去にもリストラで短期間に株価を上昇させ転売してきたことが実績だ。

このような話は実話に近いと感じる。再生ファンドは、業績が低迷する企業を安値で買って企業価値(上場企業であれば株価)を短期間に上昇させ転売することを目的とする。
問題となるのは、低迷した業績をファンドの期間があるため短期間で回復させなければならないことと、日本には企業再生の経験のあるプロ経営者(ターンアラウンドマネージャー)がほとんどいないということである。
この小説の根底はこの事実が元になっている。

登場する主な組織は、業績の低迷している大手スポーツ用品メーカ、外資系再生ファンド、そして転売や資金調達を手伝う米国系大手投資銀行だ。リストラ屋こと蛭田はフリーのプロ経営者、そして空売り屋のファンドだ。ストーリーの展開でリストラされる従業員なんかも出てくる。
このメーカを食いものにする連中は年収が数千万円から数億円という金の亡者に見える。だが金と仕事に執着する姿勢は、一般庶民とかかけ離れた挫折や失敗や屈辱などの過去があるようだ。六本木ヒルズレジデンスや豪華な旅行、特別に高い接待や食事も紹介されている。リストラで苦しむ従業員とは対照的に平然と年収数億円とストックオプションを要求する強欲さにも驚かされる。使いきれない金を持ってどうするのだろうか。強欲な拝金主義の連中だ。
その他方、リストラされる従業員は仕事を失い、再就職ができず、持家を失い、家庭が崩壊し、体を壊して死ぬ者まで出てくる。テレビなどで一般に伝えられるのは、こういった圧倒的多数の被害者側の姿だ。この小説では、従業員はリストラに怯え、残った社員も過激なノルマを課し、ストックオプションでモチベーションを上げさせる。飴と鞭を与える典型的な手法だ。会社は株主のものであり、経営者は株主に経営を委託されれており、従業員は使用人に過ぎないという考えを正論として持ち出す。

このプロ経営者と一般的な経営者は全く違う。中小企業や同族企業の経営者というのはここまで非情にはなれないだろう。社員を家族同様大切にし、社員の犠牲よりも自分の犠牲を優先に考える。そんな経営者を沢山見てきた。結果として従業員に対する優しさは経営の甘さとなるのかもしれないが、企業の存続や価値上昇よりも大切なものがあると普通の人は考えるのではないか。中小企業のオーナーは全財産を銀行の個人補償で背負っているのに対し、雇われ経営者はリスクを背負っていない。この小説のリストラ屋は、たくさんの人に恨まれて命を狙われるほどなのでそういう意味ではリスクを背負っているとは言えるが。

プロ経営者といっても、その業種に精通している訳でも無く、基本的には高い固定費の削減というのが主な手法となる。新しい製品を生み出し売上を伸ばすというのは技術やマーケットやブランドに精通していなければできず、時間も長期間になる。自分が見聞きした企業再生のプロ経営者の手法もこの小説と似ていた。販売製品を収益ごとにグルーピングして収益性の低いものは生産中止、顧客も同様に分類し収益性の悪い顧客は取引停止、それに伴い生産、人件費を大幅に削減。これを徹底的に行い2,3年以内で黒字化から高収益企業化に転換させ売却もしくは社長交代を実施。
日産自動車を再生させ今も経営トップとして活躍しているカルロス・ゴーンもコストカッターという異名を取った。ゴーン氏の取ったリストラの負の面についても小説では書かれている。巻末にも参考文献でゴーン氏の書籍があることからコストカットの手法など参考にしたのだろう。

再建屋の蛭田は徹底したリストラを実施していく。株式市場受けする再生ストーリーをつくり実践していく。BRICsへの営業展開と生産拠点の中国への集約が基本だ。それにより営業面も生産面もボロボロになり、高品質が売りだった企業の根底が崩壊していくことになる。
その事実を知った空売り屋の北川は、空売りを仕掛けていく。蛭田にとっては短期間での企業収益の回復のため、粉飾に近い手法での売上増加、利益増加を図り企業がボロボロになる前に売り抜けようとする。それを手伝う投資銀行や再生ファンドとそれを取り巻く証券会社アナリストなど。長期的にはこの再建手法では再生どころかボロボロになってしまうことが誰の目にも明らかなのだ。世界大手スポーツメーカへの売却を早期に進めるべくさらにリストラなど無理を重ねるものの、市場から見えるのは着実な企業再建による株価の上昇。空売り屋は大きな含み損を抱えながらも、徹底抗戦を行う。

ほんの数人が大企業の再建の将来を決め、その中には金儲けのためなら裏切りも平然と行う人物もいる。ここでも禁断の果実である資金調達法MSCBが登場する。資金調達の詳細なディールはさすがだと毎回関心させられる。

黒木亮の小説にはモデルとなる人物がいるケースが多いが、このリストラ屋蛭田はどうなんだろうか?
再建中の企業の経営者の噂を関係者から聞くケースが多く、リーマンショック後には徹底したリストラを加速させている再建屋もいると聞いている。
蛭田は貧しい家柄で大学に行くことができなかったもののエンジニア出身からプロ経営者になったとある。単なる悪役では無く、過去の生い立ちからその性格やビジネス手法が形成される過程が想像させられる。平凡な主人公よりも遥かに際立つ存在でその性格にも引き込まれる。新潟出身で地場の機械メーカ出身とあまりにも具体的な経歴なのでモデルになる人物がいるのではないかと思った。

›10 19, 2010

インターネットのスタートページの変化

Posted by skillstorage at 19:24 / Category: IT / 0 Comments

インターネットを見るとき、ブラウザを開いて最初に出るページは何にしているだろうか。
Yahoo!かGoogleが多いと思っていた。インターネットで見たい情報は検索かニュースかWebメールが圧倒的で、ビジネスマンなら検索することが一番多いのではないか。
しかし、ここ最近ではスタートページとしてはFacebookのようなSNS、Twitterが急速に増加しているそうだ。
考えてみるとTwitterはユーザの増加により非常に便利になってきている。検索して即時性のある情報を収集するには検索エンジンより優れていると思う。
検索エンジンは基本的にWebページを検索するためのデータベースで、Webページを定期的に情報収集を行ってデータを更新している。Blogやニュース用の検索エンジンカスタマイズもあるが、絞り込み検索といった使い方になるのではないか。
その点Twitterはユーザの増加に伴い、必要な情報の即時性の検索という意味で重宝している。
朝の電車の運行情報だったり、局地的な天気情報だったり、新聞やテレビでは取り上げられないようなニュースであったり検索すると新しい情報からどんどん見つかるだけでなく、人と人とのコミュニケーションやネットワークがあるので自分の興味に限定したフィルタリングが有効に働く。
これはSNSでも同様だろう。Blogによる情報発信者が増えているのも大きいと感じる。

検索エンジンの比率が低下している原因のもう一つに、検索の信頼性が低下しているとも感じる。
最近はGoogleでも検索して必要な情報がなかなか見つからない。他の検索エンジンではもっと見つからない。
どんなキーワードで検索しても、検索結果はそのキーワードの情報を集めた広告サイトか販売サイトばかりが出てきてその信頼性がかなり怪しい。SEO業者が多いということは、検索エンジンの構造に欠陥があり、情報が良くても最適化されていないと検索上位に表示されないという問題があるからだ。
検索エンジンの信頼性の低下が、SNSやTwitterのように知っている人からの情報は信頼できるという流れになっているのではないかと思う。

公務員就職志望が増えているそうだ

Posted by skillstorage at 12:16 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

就職希望ランキング、大卒予定者の人気企業ランキングというのがあるが、公務員になりたい人が増えているとのことだ。
これは不況期に見られる傾向で、公務員はリストラが無く安定しているという前提なのだろう。
人気の民間企業というのは、その時代に業績の良い企業か華やかで面白そうな企業、給与の良い企業というのが上位にランキングされるが、過去の人気ランキングを見ると学生に人気の企業はその後業績が低迷する傾向がある。

公務員の人気もまた過去の公務員の安定した生活が前提となっていると思われる。しかし、世界的に見たら先進国であっても公務員は決して安定していない。
デフォルトに陥った国家は公務員のリストラや年金カットを行うし、先進国でも教師がレイオフされたりと当たり前に行われている。
わが国の借金が増加して危険水準であることは良く知られている。そもそも安定志向なんかで公務員を選ぶというのは、本来の公僕的役割というか使命に著しく反している気がするのだが。。

›10 18, 2010

チャイナリスク(中国のカントリーリスク)

Posted by skillstorage at 20:06 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

中国に関しては経済としては無視できない存在であり、政治的側面からは常に危険を感じさせられる面がある。
中国は大国で、輸入も輸出も完全に依存した存在ではあるが、怖い面も大きいと誰もが思うところだろう。

ここ数カ月でも、日系企業への違法ストライキがあり、尖閣諸島問題は反日運動のデモ行進に発展し、中国の反体制活動家へのノーベル平和賞受賞に対する世界からの孤立など多くの問題が見られた。
これらの問題の根本は政治であり、一党独裁体制による自由の弾圧だろう。民主主義からは程遠く、言論の自由が無いという致命的な問題を抱えている。
但し、経済が成長しているのはこの一党独裁体制によって管理されているためという意見も大きい。
10億人以上もいる国家をまとめ上げ、経済成長をするために民主主義がうまく機能するのかは様々な議論がされており、民主主義国家となれば更なる発展があると主張する人もいる。

このような問題があるが、民間企業としては付き合わざるを得ないことも多いだろう。製造業は中国の安価な製品で大打撃を受けて日本ではやっていけいない企業も多いし、中国の大きな設備投資や市場性から進出せざるを得ない企業も多いだろう。
魅力はあるが怖い。それがチャイナリスクであり、定期的に問題があるたびにそのリスクが認識される。

拝金|ホリエモン

Posted by skillstorage at 12:15 / Category: 書評 / 0 Comments

ホリエモンの小説「拝金」が話題となっていたので読んでみた。ホリエモンの自伝が小説になっているのかと思いきや、そうでもなく創作も面白く楽しく一気に読むことが出来た。
主人公はニートの若者で、金持ちのオッサンことメンターの指示に従い起業して、上場、球団やテレビ局の買収を様々なビジネス手法で展開していく。
主人公とオッサンはそれぞれホリエモンの性格を2つに分けられている。普通の若者が欲望に満ちていく主人公と冷静に分析しビジネス発展に精通している主人公だ。
大まかな流れはホリエモンの歩みと似ているのだが、創作されている話が良く練られていて面白い。ビジネスの展開はいっきにビジネスを成長させた携帯電話のゲームの課金だ。

ヒルズ族と呼ばれたIT長者達のこれまで取材されてこなかった裏舞台である合コンやパーティの様子も面白い。
実在する一流の女性を手配する人物「サル」は、ネットベンチャー界ではかなり有名な存在らしい。
このようなストーリーとは直接関係の無い脱線話がずいぶんと長いのだが、それはそれで面白かった。

この小説の重要なところは、ごく普通のむしろ社会人経験が無い落ちこぼれの若者でも、成功して億万長者になれてしまうところだと思った。実際のネットベンチャー経営者を見ても、経営を学んだものはいないし、新しいビジネスモデルでは不要なのかもしれない。
そしてもうひとつ重要なことは、ホリエモンが経営者時代には言えなかったことを主人公を通してさらに過激に主張していることだ。放送局買収の際には主人公は当時のホリエモンよりもさらに過激にマスコミと対立する。マスゴミと呼び、マスコミの癒着や既得権益にしがみつく姿勢、偏った報道姿勢などを痛烈に批判し、主人公は窮地に立たされる。
金融工学を駆使したファイナンス手法であるMSCBという劇薬も出てくる。

誰でも金持ちになれる、そして金持ちや成功者だけが知る世界がある。小説ではあるがその部分は事実であろう。ホリエモンが考える経営手法も斬新的なイメージを受ける。例えば、平均賃金を一般企業よりも遥かに低く設定し、ストップオプションでモチベーションを上げさせる。そのような世界を垣間見ることができる作品だ。


›10 15, 2010

20代の賃金が男女逆転

Posted by skillstorage at 21:13 / Category: 日々雑感 / 0 Comments

20代の賃金の男女逆転が日経新聞トップに出ていた。これは衝撃的だった。
原因として考えられるのは、男のつく仕事は製造業が多く、女のつく仕事はサービス業が多いということだ。
単なる男女の賃金の逆転ではなく、産業構造の転換と考えることができる。

年齢が高くなるほど専業主婦の比率が高くなる傾向があり、つまり消費者としての女性の比率が高い傾向があると思われる。
サービス業に女性が多いのは、女性向けサービスに適しているというのと、製造業が男性比率が高いという原因があると思う。

結果として女性賃金が高いということは、今後は男女逆転は賃金だけではなくなるということを示唆しているように思えてならない。
最近の話題の言葉に草食系男子、肉食系女子という言葉があるが、女性の方が賃金も地位も高くなってくるのではないだろうか。

›10 14, 2010

ブルーマンデー症候群

Posted by skillstorage at 19:33 / Category: 健康法 / 0 Comments

ブルーマンデー症候群はブルーマンデー現象だとか出社拒否症とも呼ばれる。月曜日の朝になると憂鬱になる症状だ。
さらにはサザエさん症候群という類似現象もある。
こちらは日曜夕方のサザエさんを見た後に、月曜日からの出社のことを考え憂鬱になる症状だ。

症状は憂鬱だけでなく、胃痛などの体調不良や倦怠感など多岐に渡るようだ。

仕事に対するプレッシャーやストレスがある人がかかる症状だろう。仕事は生活を支える重要な役割であり生活の中の多くの時間を仕事に費やし、収入のことを考えたり、人間関係で悩んだり、仕事の達成のための精神的な問題を引き起こしたりする。休日はそのような精神状態から解放される機会ではあるが、休日が終わるとその反動でかえってブルーマンデー症候群のような症状を引き起こすことがある。

重要な仕事に取り組んでいるときというのは、凄まじいプレッシャーを引き起こす。
夜は寝付けず、寝ても夢にでも仕事というような状態を経験したことがある。
休日も常に仕事を考えていると、本当に頭がおかしくなる気がして、仕事が終わった後や休日は仕事のことは考えないで趣味に没頭したりするようにして精神的にだいぶ楽になったことがある。
しかし、月曜日の反動はすごかった。まさしくブルーマンデー症候群だ。

倦怠感と余計な心配や様々な事態の想定を必要以上にしてしまうような状態だった。胃痛になったこともある。

結局、いろいろな薬(胃薬や漢方薬)やサプリメントを取ったりすると気が楽になったり、逆に仕事に没頭して忙しくすることでこのような症状は緩和された。
思うと、「道は開ける」に書いてあることが一番の対処法だった。

逆に、仕事の調子が良かったり、異様なやる気に満ち溢れているときというのは月曜日が待ち遠しかった。
月曜の朝にすがすがしい気分で起きれたものだ。

ちなみに人によっては、月曜日が最高の日だという人もいる。日曜日の楽しい感覚が残っているからだそうだ。

›10 08, 2010

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学 サンデル教授

Posted by skillstorage at 22:39 / Category: 書評 / 0 Comments

ハーバード大学で最も人気のある授業が「Justice(正義)」で、その授業が世界に公開され、日本でも東大で授業が再現されNHKで放映され大きな話題となっている。
授業の内容は、日本では哲学や倫理学とされているものであるが、日本では哲学者のそれぞれの主張や理論が紹介されるのに対し、この授業は学生との対話を通して考えされる授業であるのが特徴だ。サンデル教授の授業の進め方のうまさ、質問の仕方、高いレベルでの学生との対話がとても面白い。

授業の内容はこんな感じであった。

教授「イチローの年棒は15億円で、学校教師の400倍、オバマ大統領の42倍だ。金額は大きすぎないか?」

これに対して学生が意見を主張する。

学生A「イチローの仕事はオバマ大統領に比べて責任感が小さい。オバマ大統領は核爆弾のボタンを押すこともできるし、国民に対する義務も大きい」
学生B「イチローの仕事はエンターテイメントであり、オバマ大統領の仕事は税金による賃金である。・・・・・」

このような感じで人の意見を聞くことで、深く考えていくと資本主義の根本哲学にたどり着いていく。
そして、例えばイチローの年棒は大きいのだから、税を多く取って分配すべきかどうかという議論に展開していく。

学生C「収入が高いからといって、財産を奪い取ることは国家の役割を超えている。個人の自由を侵害する行為だ。」
この学生はリバータリアンの立場を取る。
学生D「10億円の収入がある人から5億円徴収しても、その人にとってのダメージは大したことはないが、その金を分配すると助かる人が大勢いる。」
この学生は最大多数の幸福を目指す功利主義の立場を取る。

このように様々な難しい道徳や倫理や正義について考えさせられる質問が飛び交い、学生との対話は白熱していく。

質問に対する正しい解答は存在しない。時代や国によっても違うし、政党によっても違う。自分がどの立場を取るのか、生きる上での決断や判断においてどのように意思決定をするのか、それは常に問題意識を持つことなのだと思う。

NHKの取材も見たが、記者は「広島への原爆投下は許される行為なのか」などずいぶん鋭い質問をサンデル教授にしていた。YES/NOでは答えは当然でないのだが。

考えさせられる質問が多い。例えばこんな感じだ。

殺人に正義はあるか?
命に値段をつけられるのか?
「富」は誰のもの?
この土地は誰のもの?
動機と結果 どちらが大切?
愛国心と正義 どちらが大切?

そういえば15年位前にも物語形式の哲学書「ソフィーの世界」が流行ったなぁ。


›10 03, 2010

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

Posted by skillstorage at 22:42 / Category: 書評 / 0 Comments

「この世界は残酷だと、僕は知っていた」この暗い言葉から本書は始まる。本の帯には「無能力主義のすすめ」、「やればできるというという自己啓発では、この残酷な世界を生き延びることはできない。必要なのはやってもできないという事実を受け入れ、それでも幸福を手に入れる、新しい成功哲学である」と衝撃的な言葉がある。
まえがきでは、新宿のホームレスと誰もが隣り合わせである事実を告げる。リスクを背負って生きている人ならば理解できるであろう。成功と失敗はコインの表と裏だ。努力しても失敗してホームレスになる可能性がある。

先進国では「人権平等」と「公共の福祉」が疑う余地の無い大前提として成り立っている。人権平等のもとに、成人は誰しも等しく1票の選挙権があり、機会は平等に与えられるべきだとされている。更には結果も平等に与えるべきだとリベラルは言う。富は配分され福祉として使われるのも人権平等と相互扶助の前提があるからだ。

しかしこの前提が間違っていたら?
例えば、性格も能力も遺伝によって多くが決まるとしたら?
人間の価値は生まれ持って決まっていて平等では無いとしたら?

民主主義の前提を揺るがすことになる。

筆者の橘玲氏は、このような前提を覆すサブカルチャー的理論を紹介する。橘玲氏の著書を海外投資シリーズから読んできているが、根底にあるのはリバタリアリズムがある。
個人の自由が共同体(国家や地域)より優先される。リベラルのような平等主義、社会福祉主義、大きな政府といった自由主義と異なる自由主義だ。


リバタリアンは橘玲氏のこれまでの書物知的幸福の技術―自由な人生のための40の物語不道徳教育に詳しい。

本書でもリバタリアリズムの正当性が主張されている気がした。
読みながら考えたのだが、現在の政治や経済にはリカードの「比較優位」説が前提となっており本書でも書かれている。本では弁護士がタイプライティングの遅さを補うために、タイプライターを雇い弁護士の業務に特化するという説明であったがそれでは不十分だ。例え雇うタイプライターよりもタイプの能力が高くても、タイプライターを雇いタイプは他の人にまかせる。付加価値の高い仕事に専念するというのが比較優位だ。
リカードの「比較優位」説が前提でグローバル経済が成り立っている。先進国で高付加価値の仕事は賃金が跳ね上がり、低付加価値の仕事は発展途上国に代替される。よって成功には努力が求められるというのが前提とされる。しかし、努力を望まない人にも生きる価値と権利がある。

さらには功利主義的な考えの前提にも疑問を持たざるを得ない。最大多数の幸福を実現する合理性を求める功利主義では、例えば5人の命を救うためなら1人の命を犠牲にしても良いことになる。しかし道徳や宗教では人の命が尊いということでこの問題には解答がないというのが倫理で習ったことであった。

しかし、人の命は平等ではないということになればそもそもの前提は崩れる。
刑を終えた犯罪者も等しく選挙権があるし、人の役に立っている人もそうでない人も平等とされている。

本書では更に突っ込んで、人間の生まれ持った可能性は平等で能力は努力によって培われるという前提を覆す理論を多く紹介する。

勝間 vs 香山の論争がかみ合わないのは両者の前提が違うからのようだ。

ゲーム理論を始め、多くの興味深い話題に溢れていてとても興味深い。個人の幸福を実現するための新しい理論「成功哲学」が展開されていて面白かった。