›6 03, 2009

多すぎる製造業で働く労働者

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日本における労働者の構成として製造業、とりわけ電機、自動車、その周辺産業に働く人が多すぎるのではないかと思っている。
建築、土建はもちろん多すぎると思っているが、今回は電機、自動車を見てみたい。

産業を大きく3つにわけるクラークの産業分類は以下のようになる。

第一次産業 - 農業、林業、水産業など、狩猟、採集。
第二次産業 - 製造業、建設業など、工業生産、加工業。電気・ガス・水道業
第三次産業 - 情報通信業、金融業、運輸業、小売業、サービス業など、非物質的な生産業、配分業。

第一次産業は戦後就労人口の60%を占めていたが、現在は5%程度、そのうちの多くが兼業農家である。
第二次産業が25%程度、第三次産業が70%程度だろう。
統計データもあるが、集計や分類にもよって時代によっても変わる。

この数字からみると第三次産業が多いように感じられるが、先進国においては第三次産業の就業者が70%を超えるは一般的だ。
日本においては第二次産業の就業者が多すぎると感じている。他の製造業主体の先進国(ドイツなど)と比べても割合は大きい。

1999年の経済白書において雇用、設備、債務の3つの過剰が指摘された。その後2005年の経済財政白書」では、3つの過剰はほぼ解消したとされたが、それはサブプライムと新興国のバブルによる一時的な生産過多であったと今は考えられる。債務については減らした会社も多いが、雇用、設備の過剰は大きい。

生産過剰だったのは電機と自動車が大きい。つまり海外へ輸出している割合が大きい業種だ。

現在名古屋地区など自動車業界や電機業界が集積している地域というのは、製造者派遣の契約が切れた者が多い。彼らの多くは正社員では無いが、設計など専門的技術を持つエンジニアだ。
これらの者は製造業での仕事に再度従事したいと思っているが、雇用が回復するのは厳しいだろう。かつて農民が工場の労働者やサラリーマンになったように、製造業を捨てサービス業など人手不足の業界に本来は行かないとおかしい。

実際は、製造業で働く人はコミュニケーションが苦手な人も中にはいるので、サービス業は行きたくないと思う人がいるだろう。
このようなミスマッチは存在するが、将来的に雇用が無ければあるところに移らないといけないだろう。

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