›3 06, 2008

中国での対応を迫られる日系製造業

Category: オペレーション / 0 Comments: Post / View

ここ5年ほどの間に中国進出した製造業が数多くある。80年代、90年代に進出した企業と比べると法制度やインフラ環境が整備され、かなり進出しやすい環境にあるようだ。

進出は大手企業から始まり、その下請け業者が生き残りをかけて追従した。2000年に入ってからは、低賃金労働者の活用や中国本土の工場向けの生産で進出した企業が多いだろう。

かつて日本で生き残りを図った部品メーカーは、工場の省力化、自動化といった生産性合理化を図る努力をした。中国進出リスクと国内の高い人件費を合理化で削減することを天秤にかけた訳だ。

ところがその後の経済状況の変化を見ていると、中国進出した企業のほうが成功例が多い感触を感じる。それは製品がそれほど高度化せず、高い技術力を要せずつくれる製品が多いことと、多品種少量でリードタイムの短い製品が多くなったことがあると思う。

中国進出のメリットというのは労働集約型の作業であり、これは高度な技術を要しない製品に適する。多品種少量の短リードタイム製品というのも、作業の段取り(セットアップ)はやはり装置よりも人を動かすだけのオペレーションということで適するのである。

そのようなことも背景にありEMSが成功し、また部品メーカーも中国で成功した企業が多かった。

しかし時代は急速に変化しているように感じる。まずは賃金の上昇スピードがあげられる。中国での生産メリットというのは低賃金で労働者数が圧倒的に多いことだ。それが今崩れている。

新規に中国工場で人を集められなくなってきているのだ。また賃金の上昇スピードも5%、10%など非常に高く、今年に入ってから労働者保護の法律も強化されている。

そのようなことから、低賃金、労働力を中国に求められなくなってきているのが現状だ。

そのため、付加価値の低く、簡単な製品製造は他の東南アジア、アフリカなど移転が進むだろう。一度中国に進出した企業がまた他国に移るのは大変なので、かつての日本のように設備、装置の導入も進んでいく。

更に注目しているのは、中国の上がってきた技術レベル、教育レベルを活用するために研究開発や技術の拠点としての参入だ。

これも間違いなく進むことであり、注目している。

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