›10 16, 2006

歩留まりが製品の市場性を決定する(薄型テレビ市場を見る)

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歩留まり(ふどまり)とは、生産面における良品の割合のことである。つまり、不良品ではない製品の割合である。
電化製品、工業製品というのは、いつも同じ条件で製品がつくられるわけではない。
今から10年程度前、初めて液晶ディスプレイを購入したとき、それはパソコン用のディスプレイであったが、液晶表面に何箇所か色が付きっぱなしの場所(ゴマ粒程度)があった。一度気になってしまうとどうも気になってしまい、文句を言いに行った。
すると、それは液晶ディスプレイの特性であり、不良品ではないと突き放された。
それでも文句を言って結局交換してもらったのだが、また同じように光りっぱなしの箇所があってがっかりした。

今ではそんなことはないし、その後なんどもノートパソコンを購入したけどそんな酷い品質は無い。

しかし、当時は液晶はその程度の品質だったのである。

現在薄型テレビ(FPD)は様々なプレイヤーがひしめいている。液晶(LCD)、プラズマ、有機EL(OELD)、SEDとあり、まだ有機EL、SEDは市場に出回っていないが、その高度な技術と品質の高さは液晶、プラズマの比ではないと、もう5年以上期待されている。

それでもまだ市場にそんなテレビな存在しない。

せいぜい、展示会に試作品がある程度だ。

これは多くが歩留まりが影響している。良いものが売れるとは限らないとは、マイクロソフトが証明している。
マイクロソフトのWindowsはマーケティング面からの成功から、PC分野の市場で圧倒的な地位を取り、さらにUNIXなど企業の基幹業務に使われるサーバー分野でも多くの市場を取っている。
これも歩留まりの影響があると思う。MacやUNIXと違い、マイクロソフトのWindowsはハードウェアに依存しない。
その分だけ大量に売ることができるという面では歩留まり的な要素が高いといえる。

また機器では無いので、プログラムにバグがあっても回収しないでオンラインでパッチ(修正プログラム)を配布できる。これもまた歩留まりが高いのに似ている。Windowsはパッチだらけだ!

さて、薄型テレビの話に戻すと、液晶が圧倒的なシェアを取っている。当初は大型はプラズマと言われていたが、液晶が薄型テレビ市場の92%のシェア、プラズマが8%のシェア(日本)である。品質面では液晶とプラズマはメリット・デメリットがあり五分五分であるが。

液晶は品質面、技術面で劣っていても量産化技術が確立されており、歩留まりが高い。有機EL、SEDは歩留まりが原因で製品化できていない。

これもまた品質が良いものが売れるとは限らないことを示している。



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