›6 24, 2008

画像処理市場

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画像処理市場が成長しているようである。ここでいう画像処理とは主に外観検査であり、人間の目視に変わる機械・ソフト・システムのことを指す。

例えば、電子部品、自動車部品と世の中に大量に出る電化製品、自動車、医薬品などは、製造の過程で不良を識別するため、多くの人員が目視で検査している。国内では検査員を集めるのが容易でない(老眼では検査できないので若い人が必要といわれる)が、海外(とりわけ中国)では10代の労働者が大量に目視で検査しているのが一般的だ。(組立も人がやっているのだが)

このような分野はFA(Factory Automation)分野と言われるが、にわかに注目を浴びているのは、部品が微細化してきており目視では検査できず、顕微鏡を使うにしても大量に必要でコストが掛かるという点、人件費が向上している点、外観検査装置が安くなってきている点、外観検査の機能が向上している点、人の検査では品質が一定にならない点などが上げられる。

そもそも検査なので付加価値を産まない工程ではあるが、部品等の製造には欠かせない工程でもあるため、有る程度の投資が必要という認識が生まれてきたのかもしれない。これまでも外観検査導入を試みた企業は多いようだが、多品種少量生産の時代になり、検査装置導入よりも人のほうが手っ取り早く、段取り代えも楽だったために導入が進まなかったのかもしれない。
PCB(print circuit board)や半導体分野では、そもそも人の目視の能力では限界であり、早い段階で画像検査装置が導入されていた。

最近で画像処理分野が盛り上がる背景のコストの安さ、機能の向上に関しては、PC(パソコン)の価格が劇的に下がり、処理能力が劇的に向上したことが大きいと思う。また、画像処理アルゴリズムも向上され、市場が形成されたことにより、これまで自社開発していた画像処理ライブラリ(アルゴリズム)が、特化した企業から買えばシステムを構築することができるようになったことも大きいと思う。これはIT(SI)業界の発展と同じで、システムエンジニアはプログラム能力やハードウェア知識よりも顧客の業務知識が重要になったのと同じ現象に思える。

他の画像処理市場では、車載(ITS)分野やセキュリティ分野が注目される。これらも価格下落と機能向上が利用価値を生み出している。

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