ものづくり白書によると、工場用立地が増加している。2002年から増加しており、立地件数は02年の2倍以上、敷地面積も2倍以上である。
これは、国内製造業の回復のための設備投資の一貫とした用地取得である。07年も国内製造業は増収増益傾向にあり設備投資意欲も旺盛である。ところが、利益率の増加は過去数年間の伸びから鈍化している。
国内製造業の復活と盛んに報道されたが、大企業は確かに利益率も向上し、売上も伸びているが、製造業の大部分を占める中小企業にいたっては大企業ほどではないことをデータが示している。
但し、利益率は悪くとも親会社(メイン顧客)への生産義務(生産しないと他社に取られるという焦り)から、中小企業も旺盛に設備投資をしているのではないかと思う。
設備投資をすると、キャッシュはその時点で出て行くが、その後金利負担と減価償却費(会計上の費用)負担が響いてくるだろう。
さらに、昨年の今頃と比べて経済状況はどうか。昨年は絶好調という雰囲気が、今年はサブプライムローンによる信用収縮から、萎縮している状態であろう。
中小企業にとって痛いのは、日本よりも韓国・台湾といった製造業国家の方が国から手厚い施策により優遇されている点である。
また、研究開発費の伸びについても、中国・韓国と比較すると伸び率は停滞している。
液晶テレビ、半導体は特にそうだが、日本の技術がそれらの国に移管が進んでいる。上場企業をウォッチしていると、液晶・半導体の装置メーカーがそれらの国の顧客からのコストダウンが効いてきているように感じる。
もちろんこれはマクロ的に感じる事であり、個別には大企業の恩恵や県などの施策を享受している企業が伸びている。