液晶テレビを取り巻く企業は非常にコストに厳しい環境にある。液晶テレビの価格下落を見ればわかるだろう。研究開発や設備投資を回収するのさえ困難な環境にある。
かつてのテレビ(CRT)であれば、一部のメーカーが保有技術で独占的に売っていたが、今の液晶テレビ業界は、パネルメーカーは設備がものをいうスケールメリットの世界であり、売り先は選ばない。セットメーカーは部品の標準化を進め、これまたどこでも売れる体制をつくっている。
要するにかつてのテレビと違い、部品を買ってきて組み立てればつくれてしまうのだ。
米国では、そのようなメーカーが調達の合理化(サプライチェーン・マネジメント)とオペレーションの合理化によって利益を確保しながらシェアを拡大する戦略をとっている。
デル(Dell)モデルだ。
例えば、ウエスチングハウスはかつて有名メーカーだったウエスチングハウス(同名)の商標とロゴを取得し、ブランドを購入したが中身はただの組立メーカーだ。
ビジオ(VIZIO)という新興ベンチャーも同様に組立メーカーだが、急速にシェアを伸ばしている。
日本でもバイデザイン社を始めとして、組立メーカーが保有技術を持たずに、しかも自社ブランドで液晶テレビを格安販売している。
しかし、格安販売メーカーはギリギリの戦略を取っているとも思える。液晶テレビは組み立てればつくれるが、そこには高度な組立技術もあるはずである。高圧電流やガラス管(ランプ)があるので、品質基準が大手メーカーと比べるとどうかと思う。
一度でもリコールだしたら大変なことだろうと思うが。