昨年度から今年度にかけて、急激に利益を伸ばしているのが日本の製造業である。
製造業の中でも、自動車、半導体、液晶が特化している。
その中で半導体、液晶には特有の景気サイクルが存在する。
半導体は材料であるシリコンになぞり、シリコンサイクルと呼ばれ、液晶はLCDのクリスタルからクリスタルサイクルと呼ばれる。
よってどの製造メーカーもこれらのサイクルに景気が左右される。これらの業界の特徴としては、新世代の製品が定期的に誕生することである。市場に登場後は装置も完成品も価格が上昇するが、各社が大型の設備を増産し生産のキャパシティが増加すると、需要と供給のバランスが逆転し、値崩れが起こる。これらが世代ごとに製造装置が改良されることによって、定期的に景気の波が引き起こされる。
このサイクルは約1年で起こると市場で想定されている。このため設備産業、装置メーカーにとってはサイクルに合わせた研究開発、販売、資金回収が大きな経営課題となる。また景気の波に左右されない経営を行うことも各社目指している。
シリコンサイクルは緩和されつつあるが、急成長の液晶テレビ分野においてはシリコンサイクルという想定困難な景気の波に現在各社悩まされているのが現状である。