工程能力(Process Capability)とは,定められた規格限度内で製品を生産
できる能力のことである。
その評価を行う指標が工程能力指数(Cpk)である。
(1)上限規格のみの場合:Cpu = (上限規格値 - 平均値)/3σ
(2)下限規格のみの場合:Cpl = (下限規格値 - 平均値)/3σ
(3)両側規格の場合:Cpu と Cpl の小さい方の値
.Cp で表示されるのは両側規格の場合に平均値が規格の中央にある時
Cp=(上限規格-下限規格)÷6s
(ここでsはシグマであり分散)
具体例で見たほうがわかりやすいと思う。
金属棒をつくる工程があり、平均3.47cmで分散が0.003とする。
規格値と上限・下限はそれぞれ、3.5cmプラスマイナス0.02cmとする。
つまり3.48cmから3.52cm以内が許容範囲である。
この範囲外は不良品となる。ではやってみよう。
Cp=(3.52-3.48)/(6*0.003)=2.222
Cp=2以上がシックスシグマの許容範囲とするとOKということになる。
しかしながら、平均値が3.47cmだから軸をずらして考えないといけない。
つまり分散値は基準値以下だけれども、平均値が果たして基準以下なのか
を考えないといけない。
3.47プラスマイナス0.003=[3.452,3.488]
である。
Cp=2以上がOKという前提でも軸がずれているので、軸をシフトして考えて
みると、
Cpk=min(Cpu/3s,Cpl/3s)
※小さいほうが適用となる
問題に果てはめてみると、
Cpk=(-1.111,5.556)=-1.111
である。
Cp=2以上がOKという前提にたいして、Cpk=1.5以上がOKという前提を与え
たとしたら、この値は基準値以下である。
さて対応策は、まず平均値をどこにもっていくかを考える。
Cpk=1.5以下をOKという前提のもとに、Cpu、Cplを算出すると、
平均値は3.4955から3.5045の範囲内であれば良いとわかる。
つまり結論としては、この工程はシックスシグマ基準を満たしていない。
満たすためには、平均値をずらしてやる必要がある。分散は基準を満たして
いるので問題は無い。
□ 手順
さて以上を踏まえて手順を見てみると、
(1)Cpを求める。Cpが2以上であれば次のステップにうつる。
Cpが2以下であれば、シグマ(分散)を減らす必要がある。
(2)Cpkを求める。Cpkが1.5以上であれば基準を満たしている。
Cpkが1.5以下であれば平均値を基準値に収める必要がある。
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