›4 12, 2010

ディストレスト投資

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ディストレスト(破綻)という言葉が注目を浴びている。ヘッジファンドの投資の戦略として取られることが多くなってきているようだ。
これまでも利回りの高さに対する破綻率の低さから、ジャンク債が注目されたことがあったが、ディストレスト投資はより積極的に経営に関与する手法だ。

経営不振企業は経営再建するのに資金が必要である。債権を発行することとなるがヘッジファンドなどの投資家は割引購入後、一部を株式化し保有することとなる。経営再建が絶対に必要となる。また長期的な投資にもなるし、株の保有のように流動性が高くないため換金性が悪い。
それでもディストレスト投資が注目されるのは、ハイリスク・ハイリターンが期待できるからだ。
経営不振企業が沢山あって投資対象が多いというのも注目される要因ではなかろうか。

日本にも株価が数円で推移している企業が山のようにあるが、米国でもペニー(1ドル以下)で推移している企業は山のようにある。
企業の再建というのは非常に大変なことだが、その企業の経営陣ではできないことも外部から来た人間ならできることがある場合は多い。

考えてみると、末期症状の企業の経営陣は自身の保身ばかりを考える傾向があるようだ。その一方で企業を立て直すことが本来一番良いシナリオのはずである。
日本でも企業の再建として非上場にして経営の自由度を増して再上場させるという名目でMBO(Management By Out)が一時期流行ったが、犠牲になった株主からの訴訟も相次いだ。高い株価で買って、低い株価で非上場になり無理やり買い取らされたのではたまったものでは無い。究極のインサイダーなどとも呼ばれた。
企業再建を専門にするコンサル会社も登場したが、再建は非常に難しいプロセスで思うように実績が上がらなかったり、倒産してしまったところも少なくない。

ディストレスト投資もまたそれくらいのリスクのある手法ではないだろうか。

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