›4 20, 2010

一般職の応募者に男子学生が殺到

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自分のイメージでは一般職というのは女性の仕事だ。古くさい考えかもしれないが、お客さんが来たときにお茶くみをして、事務処理をして定時に帰る。10年以上前の大企業では社内結婚のために女性を一般職採用させていたところも実際には多い。そのため一人暮らしをしておらず、自宅から通え、家柄に問題が無く、容姿が悪くなければ良いというのが多くの大企業の一般職のイメージだったと思う。
男女雇用機会均等法で大きく変わり、女性の総合職採用も当たり前になった。それでも一般職という仕事が無くなったわけでは無い。

ところが一般職の応募に男子学生が殺到しすごい倍率だという。

志望理由は、「遠方への転勤がないから」、「残業が無いから」など仕事よりも家族やプライベートの充実を優先しているものが多い。

ところで最近「絶対内定」という本を古本屋で手にした。以前も手にしたことがある。筆者は住友商事のサラリーマンだったバブル時代にシャインズという歌手でデビューし一世を風靡した。ずいぶんと昔のことだが、仕事も遊びもバリバリにできる大人のイメージがあった。(自分はまだ子供)。その後、就職専門の塾(予備校?)を設立したり、ハーバード大学の大学院に留学したり、今ではハーバードの講師もやっているようだ。

絶対内定という本を読むと分かるが、内定をもらうための本のようであり根本は全く違う。自分を見つめなおし、人生の自己実現を達成するための本であり、就職はそのための手段ということがわかる。そのため自己分析に多くの時間を費やすように書籍はつくられ、就職活動をする学生が読むというよりもむしろ大学新入生がいかに大学生活を過ごすか、新入社員がいかに自分の天職を見つけるかとか、そういったコンセプトの方が強いと思うのだが、実際には就職中の時間が無い中で読まれるのだろう。

自己分析をすることで、自分が本当に何がしたいのか、どんな人生を過ごしたいのかが見えてくる。そのためにはどんな仕事をしていけば良いのか、どんな会社に入れば良いのかをよく考えさせてくれる。何も目的も夢も無ければ、与えられた仕事をこなすだけで、腹の出たメタボなオッサンになってしまうという危機感を与えてくれる書だ。

そんな本を読んで、自分を見つめなおし将来の目標のために高いハードルを課していたところなのだが、古本屋で手にしたこの本の後ろの方に読んだ学生の書き込みが見られた。
「最低限の生活ができればいい。嫁さんと子供がいる幸せな生活」

これが人生の最大目標だった。就職活動する学生がそんな目標だとは。もっと大きな夢や希望が無いのだろうか。一般職の応募者に男子学生が殺到するのもこんな理由なのかもしれない。なんだかがっくりきてしまった。

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