›10 13, 2009

知的幸福の技術―自由な人生のための40の物語|橘玲

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日本人の人生設計の基本は、30代でマイホームを購入し、定年までに住宅ローンを完済し、退職金と年金を原資に悠々自適の老後を送るものだった。--まえがきより

金融危機から1年過ぎ、正社員の雇用条件が悪化している。住宅ローンが払えない人が増加している。借金で買った不動産の時価価値が低下し家計のバランスシートが時価で債務超過になっている。

都内のマンションを頭金2000万円で4000万円を借金して買った人がいるが、もちろん住んだ時点で中古で更に不動産価格の下落で時価が4000万円以下になった時点でバランスシートは債務超過である。

これからは勤めているいる会社の倒産、国家に支払っている年金の破綻を心配して生きなければならない。

自由について。

人生に絶望する時がある。人生やり直せたらと思うことはもっとある。
この本「知的幸福の技術」にも橘玲氏の知人の経験の話が出てくる。人生をリセットしようとしてオーストラリアに旅立つ人の話だ。

自分も学生時代バックパッカーをやっていてそういう人をたくさん見てきた。人生がこれまでの経験の積み重ねというのなら本質的に人生は変えられない。それでも人生の軌道修正をすることはできると信じている。

インドを旅した時にたまたま同じバスに乗り合わせたおっさんは、自動車会社の期間工として数か月働いては、それ以上の期間をインドで長く、ひっそりと、大麻をやりながら過ごしていると言った。

ヨーロッパや東南アジアの島では毎晩レイブパーティが行われていて、いい年したおっさんがエクスタシーや大麻をやって踊りまくっている。

30過ぎてそんなことやっていたら日本に戻るところは無くなるだろう。芸能人やアーティストでない限り。

むしろ、人生を本気で変えようと思ったら国家資格やMBAや語学ではないだろうか。もちろんこれらは手段だ。目的は、勤める会社や国家に依存しないで生きる力を得ることだ。
この本は人が自由に生きることの意味を教えてくれる。そして自立して自由を獲得するためのヒントに溢れている。


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