田中 森一については以前から興味があった。凄腕のヤメ検であり、山口組など裏社会の弁護士として有名だからだ。
田中 森一がつけているバッチは菱形(山口組の紋章から)とまで言われていた。
読むとやはり貧しい島育ちであるが、検事出身なので正義感に強く真面目な人間かと思っていたがどうもそうではなかった。
地方大学に入学し、そこではかなりヤンチャで自己の理念というものも無く、向上心と虚栄心を満たすために勉強し検事になった感じだ。
検事時代には政治圧力には一切屈せず。それは正義感からというよりも、自己満足の世界のような気がする。
東京地検にうつってからは、現場主義とはかけ離れた官僚主義による検事のシナリオを最優先させる行為や学歴主義に嫌気がさす様になる。政治犯罪も、政治家や官庁の圧力によりもみ消され悲観することとなる。
そんな人間性故に裏社会にすんなり入っていったのも理解できる。検事にとっては暴力団なんて怖くないんだろう。
しかし、20代後半から彼の人格と能力は開花したのだが、その後の能力の高さ、スキルアップについては非常に参考になる。
もっとも、今の僕らの世代には田中 森一のようなハングリー精神は無いだろうけど。自己実現の追及だとかエゴの強さとはまた違うものだと思った。
地検の国策調査や過去の政治家や住友銀行がらみのもみ消された事件の全容を知る事ができ非常に面白い。ヤクザや総会屋など裏の世界も知る事ができとても興味深いと思った。
反転―闇社会の守護神と呼ばれて | |
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