最近増えている福利厚生制度としてサバティカル制度がある。サバティカルとは休暇のことなのだが、通常の有給休暇や年次休暇とは大きく異なる。
期間が少なくとも1ヶ月以上の休暇がもらえる制度としているところが多いようである。それ以下はサバティカルとは呼ばないようだ。
長いと1年間などの休暇となる。
筆者もバックパッカー時代にはサバティカル制度を利用して1年間近く旅している日本の商社マンのおっさんや海外企業の社員(開発を終えたソフトウェア会社プログラマー等)に会ったことがある。
社員にとってのメリットとしては分かりやすい。
そのような長期休暇は就職してしまったら退職するまでは通常は有り得ない。だが、終身雇用で働きつつも1ヶ月以上休めるのなら、自分の趣味や研究を進める事ができる。長期でないとできない留学や世界旅行など魅力は沢山ある。
だが、企業側のメリットはあるのだろうか?
ソフトの開発や研究職は分かりやすい。そもそも短期間で開発しなければいけないので激務なのだが、開発や研究が終わると特に次の仕事が無い。
激務の過労を慰安してもらったり、特にテーマもやることも無いのに会社に来るよりは休んでもらって社員の福利厚生にすることにより、忠誠心や長期雇用を獲得する事ができる。
研究職や企画職では、リフレッシュにより新しい発想や創造性が(わずかだが)期待することができる。
だが、これは会社にとって1ヶ月休まれることを上回るメリットなのだろうか?
むしろ社員や会社のアピール色が強い気がする。
とても中小企業で採用して企業にメリットのある制度では無い気がするが。