梅田氏の「Web進化論」はインターネットビジネスに深く関わった身からは、違和感を感じる点があった。それはgoogleなど新しいネットの世界を「あちら側」なんて呼び方で、リアルビジネスと境界があるような表現があったからだ。もっとも立ち読みですけど。
Blogとかコメントでは若者から大絶賛だけれども、何だかネット自体が美化されて見られているというか、既存ビジネスと違うものと思われていないかと思うような発言が多かった。
他方、「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」は生々しいというかリアルだ。ネットビジネスの暗黒な存在を運営してきた者と、キレイなネットの世界だけを評論している者の違いか。
キレイなネットのビジネスというと、若者はmixiやDeNAや米Googleみたいな存在にあこがれるだろうけど、同じような企業文化やビジネスモデルのほとんどが実は食っていけていない。そもそもWeb2.0というこれまでのネットとの違い(コミュニケーション型)があまりインパクトが感じられない。ケータイはちょっとすごいものがあるけど。
ところで、この本のひろゆきの発言はすごいですね。実際には、「あちら側」が「こちら側」の自治を乱すと痛い目に会うというのがリアルに伝わります。ネットに深く関わっていない人にはなんのこっちゃという感じの徒然になってしまいましたが。
「Winny作者の逮捕は不当逮捕」
「ホリエモンの逮捕も国策」
「オープンソースはしょせん商売」
「市民ジャーナリズムは、そんなもん無理」
「インターネットの基本は弱肉強食」
「ネットの公共性は幻想」
「googleの技術力はたいしてない。マーケティングだ」
「ウェブ2.0はマイナスイオンと同じ」(儲けるためのイカサマ)
「googleの精神はきれいごとばかり」
「mixiの株価はどうかんがえても高すぎるし、上場すべきではなかった」
2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14) | |
西村 博之 扶桑社 2007-06-29 売り上げランキング : 50 おすすめ平均 さらっと読める。 知りたいのは・・・ ひろゆきは現実主義者なんだ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書) | |
梅田 望夫 筑摩書房 2006-02-07 売り上げランキング : 231 おすすめ平均 久方ぶりの衝撃 ウェブで何が起こっているのか感じれました! Web2.0の全て Amazonで詳しく見る by G-Tools |