›9 13, 2011

リストラされた中高年はどこへ行ったのか

Category: 日々雑感 / 0 Comments: Post / View

リーマンショックを機に多くの企業が希望退職や解雇によるリストラを行った。最近では、震災の影響や円高の影響でリストラや倒産がまた増加している。
求職者数が求人数を超えている現状で、リストラされた中高年はいったいどこへいったのだろうか。
これまで見てきた状況をお伝えしよう。

地方都市の大企業の工場はリーマンショックを機に大々的なリストラを行った。この地域の製造業は少なく、リストラによる退職者を受け入れる企業は無く職安は大混乱となったことが報道された。

別の地方都市もまた大企業の子会社は工場の他県への移転という名目のリストラが行われた。遠い地域への転勤を社員を望む社員は少ないと見越しての企業の行動だった。

これらの企業の正社員だった者たちは、その地域で家を建て年老いた家族と子供を抱えているのが典型的である。現在彼らを正社員として受け入れる企業はほとんど無い。マイホームのローンが残るものは、資産を清算し自己破産したり、生活保護で生活している者もいるらしい。疲弊した地方都市では就業の場は限られているのだ。

円高の影響や企業の海外展開戦略により海外への転勤を余儀なくされた者も多い。あるモータメーカは海外での生産を加速させ、また厳しい就労環境でも有名である。
リストラをしないと公言する社長ではあるが、社員は東南アジアへの単身赴任を余儀なくされた。そのでの生活は厳しく、辛いが、日本に残る家族の生活とマイホームローンのため辞めれないと歯を食いしばる者が多い。それでも限界が来るものは自主退職せざるを得ない。
帰国したものの、受け入れる日系企業はどこも体力が低下し余剰人員を抱えており、どこにも仕事は無かったという。

半導体関連でリストラされたある者は、ヘッドハンターから声がかかった。依頼主は中国企業だった。
3年間契約で、年棒は前職よりも多い。しかし契約後の保障はどこにも無い。

大都市においても職安には多くの中高年を見かける。彼らを受け入れる業界は配達業者だったり、警備員だったり様々だが、前職の経歴を活かせる仕事は少ない。

他方、転職に成功する者も中には存在する。
大手メーカの営業職を辞めた者は、人材紹介会社で外資系企業の営業トップを紹介された。40歳をゆうに過ぎてからの転職である。

転職サイトに出回る求人の多くが40歳以下の採用を目的としている。転職サイトでの募集は基本的に役職の無いポジションを埋めるために使われる。
40歳以上での管理職での転職は、企業の求める人材も当然ながら複数の部下が管理できて、経歴があり実績を出せる人だ。

このような職種と人物像は、ヘッドハンティングや非公開求人の領域になる。

職が無く、契約社員やアルバイトで食いつなぐ者も多い。しかし、一旦正社員でない誰でもできる職につくと、もう正社員への復帰は難しくなってしまう。
わずかな蓄えと借金をしてまで一か八かのフランチャイズ起業をする者も少なからずいる。
彼らはフランチャイズ本部にとってはカモである。経験が無いのをフランチャイズの指導でカバーできるため金さえあれば簡単に起業できるが、実際の運営は非常に難しい。少子高齢化社会でニーズのあるフランチャイズは少ないからだ。

リストラされた者たちの苦しみは金銭面のあるが、それ以上に仕事が無く、お祈りメール(企業の採用お断り通知)をもらい続けることだという。
社会との接点が閉ざされ、社会から不要とされる苦しみは想像を絶するもののようだ。

1年以上長期に渡り、転職活動を続けたものがいる。40歳を超えローンと子供の養育費も必要でもっとも金のかかる時期での失業であった。
何百社にも応募をしたがほとんどが書類選考で落とされたという。それでも応募を続け、彼は採用を勝ち取った。

大切なのは、あきらめず行動を続けることだ。日本では失業くらいではホームレスになったりはしない。苦しくてもがんばることだ。
努力をし続けるものだけに、幸せな結果がついてくるのだと思う。

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