›12 28, 2011

サーフサイドハイスクール

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何度も見返すようなお気に入りの映画、音楽、本は誰しもあると思う。それらを鑑賞すると、その時代の良き体験が思い出され、感傷にひたることもある。

自分にとって「サーフサイドハイスクール」は学生時代に読んだ漫画ではあるが、その後も社会人になってからも何度か買いなおした思い出の作品だ。
そしてこの作品は、話の展開が最高に盛り上がったところで休止してしまっていたのだ。
何度読んでも、話の最後で釈然としない気持ちになっていた。

ストーリーは、湘南の海の近くの高校2年生3人組を中心に展開していく。
サーファーで、ちょっとトロいが女にもてて、ヤリチンの阿部、東京からの転校生で二ヒルでもてない三田、寡黙で毛深い永島。

ドタバタ劇なストーリだが、話の後半の展開は恋愛ストーリーでもある。
永島が恋した年下の女の子サーファーのみほちゃんが登場するのだが、みほちゃんは阿部のようなチャライ男が大っ嫌いだった。

ところが、ちょっとしたきっかけで阿部に恋をしてしまうのだ。それを察して愕然とする永島。2人の関係に戸惑う三田。

三田がサーフィンで初めて波に乗れたその時、みほちゃんの登場で話が急にストップしてしまっていた。

もうかれこれ15年位前の漫画で、その後の展開の想像を何度もしてみたものだ。

そして今回新装版で出たこの本には未公開のその後の続きのストーリーと、新たに書き下ろした恋の結末が収録されている。

15年もの月日を経てようやくすっきりした気持ちになった。
高校生の頃の自分とは全然違う、湘南近くの高校生活への憧れを、いい年したおっさんになっても抱いている自分がいる。

当時付き合っていた友人達は今頃何をしているのだろうか。彼らの存在は、自分の記憶の中でその当時のまま時間が止まっている。

そして決してもう過去には戻れないのだけど。


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