›6 23, 2011

インネクストが循環取引による粉飾決算

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札幌証券取引所アンビシャスに上場するインネクストは、過去の決算で循環取引などの不正経理があったと発表した。2007年6月期から10年7月~11年3月期までに、架空売り上げの計上が約24億円、粉飾利益が約10億円とのことである。

インネクストについてはあまりにも小規模な会社でありながら上場したことから、以前より注目していた。
インネクスト(上場後ストップ安)

今回の粉飾発表によると、第7期については、売上の70%が粉飾であり、毎期損失を計上していたことになる。
上場後、売上高が急成長したことで「デロイト トウシュトーマツ日本テクノロジー Fast50」を受賞していたが、粉飾によるつくられた企業イメージであった。

発表資料から読み取ると、3期連続の赤字であり、売上高も町工場レベルであり、上場した時からずっと粉飾決算を発表していたことになる。
循環取引の実態は今後明らかになるだろうが、決算数字を修正するともしかしたら債務超過になるかもしれない。

ところで、直近の有価証券報告書を見ると、平均年齢43.4歳、平均年間給与が4,275千円と異様に低いことも気になっていたところだ。

インネクストは検査装置メーカであるが、循環取引、粉飾決済ではこれまでも上場企業では破たんしたプロデュース、エフオーアイがあった。

このような過去の事例と、粉飾決済を行った経営者には重い処罰が課せられるにもかかわらず、何故粉飾を続けたのだろうか。
経営者にとって上場維持と企業存続がそれほどまでに大切なのだろうか。
不思議なのは、非上場の中小企業と違い、上場企業の社長には銀行債務の個人保証が課せられることが無い。つまり、倒産しても会社の借金を個人で背負う必要が無いので、倒産に対する個人リスクが低いはずだ。それにもかかわらず、敢えて重い処罰を受けるような粉飾を続け、しかも循環取引はいつかかならずばれる時が来る粉飾なのだ。
今回の粉飾決算の発覚まで、どのような気持ちで経営にあたっていたのだろうか。

通常の神経であれば、発覚を恐れ、その時に課せられる重い処罰を考えるとまともな神経ではいられないのではないかと思う。
プロデュース、エフオーアイの社長も、粉飾発覚前には会ったことがあるが、まるで平然としていたことを後から考えてみると驚かされる。

粉飾よりも、それを実行した人間の精神状態に興味を持ったものである。

そういえば、ホリエモンが実刑判決を受け刑務所に入ることになった。最後の記者会見ではモヒカン姿だったが、そんな状況にもかかわらず前日までブログやTwitterで平然と発言していたし、不安や心配など何もないような印象を受けた。いったいどういう神経をしているのだろうか。


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