›12 24, 2009

トヨタ 取引先へ3割値下げ要請

Category: 日々雑感 / 0 Comments: Post / View

トヨタ自動車は部品調達コストを現行の購入価格に比べ、3年間かけて3割削減する。取引先の部品メーカーなどに実質的な値下げを要請した。
(NikkeiNet)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091222AT1D210E621122009.html

トヨタといえばカンバン方式が有名だ。リーン生産方式だとかジャストインタイム(JIT)もトヨタ生産方式と呼ばれ、同義語のようにも使われるが、要は必要な時に必要な部材を調達して在庫を持たないというコストダウン手法だ。
しかし、現実には部材を供給する下請けメーカは部材の供給を切らしてはいけない、不良を出したら大変なことになるといったことから2次受け、3次受けと下請けになればなるほど生産の変動が多くなってしまう。これをブルウィップ効果という。

在庫を持つなというが、万が一供給が間に合わなかったら他の下請けに仕事を取られてしまうという恐怖から、現実的には在庫を密かに持っているだとか、単に在庫を下請が持つだけという話も有名だ。

また、トヨタと言えば、「乾いたぞうきんを絞る」というくらいコストに厳しい。当然下請へのコストダウン要求は非常に厳しい。コストダウンには部材を安くするだとか簡素化するといったこともあるが、今回の報道はかなり衝撃的であり、単なる知恵では3割のコストダウンは相当厳しいと感じる。

倒産も出るだろうし、リストラや賃金の低下は覚悟が必要と感じるニュースだ。そしてブルウィップ効果の理論と同じく、下請けの下請けは更に厳しい状況で、すそ野の広い自動車業界はその頂点発から派生するすさまじい影響を及ぼすのではないだろうか。

しかし、それほどまでのコスト削減をしないとトヨタでさえも生き残れないという危機感も強く感じる。現に前期の赤字と今期の赤字はすさまじい。

え?「トヨタは自社内の努力でコストダウンしないのか?」って?「日本の自動車市場は衰退しているのに、日本の電機メーカのように従業員のリストラはしないのか?」って?


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