›6 20, 2009

脱ぐしか選択肢のなかった私。

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AV女優になった女性の壮絶な人生のインタビュー集である。

貧困に親の暴力に借金というのが貧乏家族の基本形のようで、かつてはそのような社会の底辺にあるような家庭の子供と将来を約束された家庭の子供も一緒に遊び、一緒の学校で学んでいた。スネオ(金持ち)、ジャイアン(貧乏家庭の子で将来はヤクザ?)、シズカ、デキスギ(金持ちかつ学力が高い)、ノビタ(平凡な家庭で知能が低い)が一緒の学校で一緒に学んでいる姿に何の違和感も抱かなかっただろう。

今は公立学校の学級崩壊の問題や私立高との教育の差から生活レベルによって行く学校の分別が進んでいる。

この本に出てくるAV女優の人生は特別だ。
想像を絶するほどの貧困であったり、親から見捨てられ施設で生活していたり、色々だ。
そんな中でも特にすごかったのが、姫川麗。過去の犯罪が酷過ぎる。妊娠した後輩の女を集団リンチ、子供のいる腹を辞めてといわれるとなお蹴り倒す。挙句の果てには性器にガラス球を突っ込んで踏みつぶして割るという殺人未遂を犯して少年院入り。残虐な映画より恐ろしい世界だった。

美神ルナはキャバクラで貯めた金で留学し、さらに男の金で難関大学に入学し、留学中もパーティで金を集めるという結構すごい女だ。

闇金ウシジマくん 」 の5巻~7巻は風俗の話なのだが、それがまたすごい。実際の風俗を良く取材している。通う側もニート、スロプー(パチプロ)、サラリーマン、モテナイ男とすごい調べてあって感心させられる。月に半分派遣会社で肉体労働をする35歳の男の話は特にすごかった。

親と同居しているが会話は無い。それどころか仕事につけと言われる度に殺意を抱く。それでも親の保護の元で無いと生活は成り立たない。友達はおらず、1日の肉体労働をスロットで10分ですってしまう。消費者金融から借りた金でさらにスロットをする。
人生を完全になめきっている人間だが、Blogを書いている。

この登場人物に関してはニートを非常に忠実かつリアルに表現されているようだ。2ちゃんねるなどニートが集まる掲示板でも「俺のことが書かれている」などと書かれていた。
闇金ウシジマくん 」によるとホテヘルの人気風俗嬢は1日に10万円、月に200万円稼ぐという。税金はどうしているのだろうか?サービス料は客から現金手渡しだから申告しないのか?
稼ぐ風俗嬢でも男に貢ぐ女もいれば、借金の返済をする女もいれば、人生を計算尽くして20代の女の肉体的価値が高い時期にひたすら貯金をする女もいる。このマンガでは3000万円貯めて引退と考えている女が出てくる。

体を売る女というのは世間から軽蔑されるため、社会的に弱者であることもよくわかる。本名は出せないし、顔出し広告もほとんど出せない。

そういう意味ではAV女優というのは本名こそ出さないが、TV番組にも出るくらいだから相当な覚悟と思う。もしくは飯島愛みたいにAVから芸能人になって成功したから、何か勘違いしている女もいるのだろうか?

そういった勘違い女の生い立ちのインタビューもできれば読みたかった。一般人と変わらない平凡な家庭で育っていて面白みがないか。。


ちなみに芸名さえも出てこない企画系のAV女優の人生や所得はさらに壮絶である。低時給の肉体労働そのもので、浣腸や脱糞・放尿に疑似強姦ととんでもなくハードな仕事の気がする。(女で無いからわからないが。。)汚れないで大金を稼ぐ単体女優との差は顔の良し悪しだけだったりするところが悲しい。

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