›4 16, 2007

MBO(Management By Out)

Category: ファイナンス / 0 Comments: Post / View

MBO(マネジメント・バイ・アウト)とは、会社の経営陣が株主より自社の株式を譲り受け、オーナー経営者として独立する行為である。近年業績悪化企業がファンドと組んで非上場化させるスキームとして定着しつつある。

買収先企業をSPC(Special Purpose Company:特別目的会社)を用いて取得する。SPCに対しては銀行やファンドなど金融機関を介して融資・投資を実施する。その後は買収先企業とSPCは統合されるのが一般的であるが、買い手(親会社)側のバランスシートに影響を及ぼさない形(ストラクチャード・ファイナンス)で行うのが一般的である。

SPCを利用したバランスシートのオフバランス化は最近では厳しくなっている状況ではあるようだ。

MBOのメリットとしては、上場企業と非上場ではまったく違う。非上場では事業承継がメインであるが、上場企業としては究極の買収防衛策といわれるように非上場させること自体がメリットと見受けられる。

MBO実施企業は非上場により、長期的な観点で再建できるなど色々メリットを言うが過去のスカイラーク、青汁のキューサイ、ワールド、牛角のレックスを見ると実際のメリットは経営陣の保身が一番ではないかと思えてくる。

先日も「『1株50万円が適正』 「牛角」株主、MBO価格23万円不満 東京地裁に提訴」で書いたが、「アドバンテッジ被害者牛角会暫定ホームページ」によると、

MBOに対して以下の問題を提示している。

・MBOには、経営改革などという利点はほとんどない。
・買収防衛策としての意義はあるが、最善の策ではない。
・経営者・ファンドの利益並びに、金融機関の貸出先の確保が最大の利点
・経営者・ファンドは、改革しなくても、利益になる。
・MBOは、インサイダー取引である。
・MBOは、利益相反取引である。
・MBO前に下方修正をした場合、相場操縦の可能性が高い。

書いてあることは最もであると思う。「究極の買収防衛策」というよりは「究極のインサイダー取引」のほうがふさわしいと思う。

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