›3 23, 2015

営業のSPIN技法

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同じ製品を売っているにも関わらず、営業マンによって販売成績が大きく違う。
つまり、営業マンの販売手法に製品は大きく影響されるのだ。

Amazon.com創業者のジェフ・ベゾスは、「広告を出すのは駄目な商品をつくった代償」と言っていた。
本当に良い製品であれば、広告は要らないし営業マンも要らない。それでも多くの企業は広告と営業マンに依存している。

ところが、過去に営業マンとして成功していた人も時間が経ってそのセールス手法が通用しなくなってくることも多い。
特に、高額商品であるような住宅、不動産、自動車、工作機械などの設備などは購買側も慎重に検討することなる。
情報が昔に比べて非常に多く取れるので、営業マンのセールストークに左右されないように慎重に比較対象し、相見積もりをするのだ。

また、企業の購買担当者は、かつて有能だった営業マンのクロージング手法に陥らないよう徹底した教育を受けているのが現状だ。
例えば、不動産では「掘り出し物件で、すぐに売れてしまいますよ」と購入を急かせるのが常套手段だし、工作機械なんかでも競合他社と比較対象されないようにし、さらに納期などの話をして購入を急かせるクロージング手法がある。
更には、客先から必ず指摘される他社比較を客の感情を害さないように反論するテクニック(Yes,But手法)「そうですね、仰ることはもっともです。しかしですね、・・・」を駆使する。

このようなクロージング手法は、知性の高い客には通用しないばかりか、情報社会の現代では反感を買ってしまうのだ。

そこで、SPIN技法は営業マンの販売手法を徹底的に観察して得られた方法であり、クロージングは行わない、客先で商品の説明をしない、客の話を聞くことに主眼を置き、営業マンは話さない、という過去の販売手法とは正反対の方法なのだ。

営業マンに関わらず、誰しも話すのは気持ち良い。スラスラと話をして聞いてもらえると効果があると思いがちだが、実際は逆なのだ。
これからは営業マンは購買を経験してみると良い。営業マンのセールストークを聞くのは時間をムダにしているし、時に耐え難いこともあるのだ。
更には、しつこい訪問や電話も過去にはマメなフォローとして営業マン必須だったが、必要であれば客から連絡をするのだ。

SPIN(スピン)では、戦略的質問技法と呼ばれる営業手法で4つの質問(状況質問・問題質問・示唆質問・解決質問)を駆使して顧客のニーズを導くことを特徴としている。

4つの質問とは下記である。これらの頭文字を取ってSPIN。尚、SPINは、米ハスウェイト社の登録商標である。
・状況質問(Situation)
・問題質問(Problem)
・示唆質問(Implication)
・解決質問(Need-Payoff)

全て質問する技法であり、客から話をさせ、客に「XXようなものが欲しい」とソリューションまで話させるのだ。

売りたければ売り込んではいけない。売り込まない、話さない営業スタイルが売れる秘訣なのだ。

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