›11 16, 2014

SHIFT上場からみる新興市場(IPO)

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新興市場はライブドアショック以降、崩壊したような状況が長らく続いた。
ごく少数のネット企業が大企業に成長したものの、多くの会社は業績が低迷したり廃業にまで至ってしまった企業もあった。

とくに上場企業というメリットを活かして、既存株主に損害を与える不当な資金調達(ファイナンス)が横行したりもした。
更に、粉飾が相次ぎ、刑事告発を受けた企業もあり、監視委による課徴金納付命令の勧告なども相次いだ。

象徴的だったのが、マザーズ上場、半導体製造装置メーカのエフオーアイ(破産)は、売上高118億円の公表が実際には2~3億円しか無く、他にもジャスダック上場、装置メーカのプロデュースも循環取引を行っていたことが発覚した。
IT企業特有の循環取引による売上拡大という粉飾が製造業にまで拡大したのだ。

その後、鳴りを潜めていた新興市場だが、アベノミクスによる株価上昇に符号し新規上場が相次いでいる。
その中でやはりベンチャー企業の中には、いかがわしい企業も紛れ込んできる。

ベンチャー企業というのは、現在ではなく将来の成長性が期待されている企業である。そのため、現状において批判することはなかなかできないのは勿論のことだ。
それでも現状を公開されている目論見書を読み取ることで見えてくることも大きい。

新興市場の上場する企業の前提として、急成長の段階にあるということだ。その売上高の急成長が意図的につくられたものでないか判断することが重要だ。
勿論、粉飾していれば犯罪になる。

しかし、犯罪にならないケースを要注意と見ている。親子上場が過去には多く見られた。子会社を上場させることだ。しかし、これは利益相反という重大な疑念がある。
同様に上場廃止のMBOも利益相反が含まれる。

親子上場の場合、大抵は販売先の大部分が親会社にある。親会社が多く発注して儲けさせれば、子会社の経営数字は良くなる。反面、親会社はその分経営数字が悪くなるのだが、親会社は大企業のため僅かな数字にしかならない。

そうやって、大企業の子会社を高値で上場させ、株価が下がると今度は100%子会社化として安く買い取るという錬金術となった。
同様のことを同一の会社で行うのがMBOだ。

錬金術とはいえ、必ず損をする者がいる。それが一般株主だ。

ベンチャーの上場にも、株主が取引先上位者という例が多々ある。
SHIFTにおいては、ワークスアプリケーションズがそれに当たる。

単にサービスが良いから使っているのか、上場のためになのかの判断は難しい。分からなければ、見送れば良い。しかしもしかしたら上場後も業績急上昇が続く可能性だってある。
過去にはドリコムというネット企業があったが、株主数社が取引先の多くを占めていたが、上場後は株主は株を売り取引が無くなり、業績が悪化し株価が暴落するということもあった。
http://skillstorage.com/archives/000656.html

どちらも典型的に下請け的な業務内容ということだ。
このような労働集約的な企業をベンチャーと呼ぶか疑問もあるが、他社と差別化し突出した企業にするには常人には知れない経営手法が必要だろう。
それが理解できないが、労働集約的業務を更にコンピュータで処理でき、他社ではできない特殊な自動化プログラムのアルゴリズムが存在するのかもしれない。

IPO投資を賭博と考えるのなら、それはそれで良い。しかし、資産形成と考えるのなら、せめて目論見書をよく読んでIPO投資したいものだ。

因みに、SHIFTは上場後今のところ株価は上昇を続けている。

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