›8 18, 2014

増え続ける空き家

Category: 節税 / 0 Comments: Post / View

住宅・土地統計調査(速報集計)によると、全国の空き家数は820万戸に上り、住宅総数に占める割合も13.5%で、いずれも過去最高となった。
県によっては2割以上が空き家のようだ。

それにも関わらず、2013年度の住宅着工は99万戸にのぼる。日本の住宅が5000万戸あるとして、今後日本は人口が現象することを考えると異常な光景だ。

何故、空き家が有効活用されないのかということ、空き家の多くが老朽化しており建物の価値がゼロになっている。にも関わらず土地・建物を合わせた住居ということで固定資産税が減額されているのだ。これを更地にしてしまうと只の土地になってしまい、税率は最大6倍となってしまう。

また、売却するにしてもバブル期の高値で土地・建物を購入していれば、未だに現在の価格の数倍はしたであろうことから大きな評価減が確定する。これは、何かしらの利益と相殺して節税したいであろう。
首都圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)も10%強の空き家があり、これは価格上昇なり何かしら機会を待っているのではないだろうか。

さらに構造的な問題として、東京周辺は人口が今後さらに増加し集中型の都市になるであろう。他方、地方都市はどんどん産業が冷え込み、高齢化も伴い人口は現象する。

現在も地方都市や村落が辛うじて存在し得ているのは、地方交付税による都市からお布施でも呼ぶか、都会のサラリーマンに対する強制徴税とでも言える産物だ。

さて、空き家は地域の防災や景観などからも著しい損害を及ぼしており、有効活用の対策が求められている。しかし、今後人口減の日本で空き家が有効活用されるということは、新規住宅着工はゼロで良いということになる。
そうなると、デベロッパー、建築会社は倒産する。銀行は貸し手がいなくなり、新居を主なビジネスとしている家具、家電業界も大きな苦境に強いられ、日本全体が閉塞感から不況に陥るだろう。

それでも、本当は良いことなのだ。個人は住宅ローンという借金をしないで済むのだから、個人の家計に取っては本来プラスなのだ。それが借金で経済を回さないといけない身の丈に合っていないバブルを演出している世界に自分たちはいるということの現実だ。

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