›10 26, 2012

楽天とアマゾンの電子書籍での戦いはアマゾンの圧勝

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国内のインターネット販売において、送料無料で独自の配送センターから直送するamazonのモデルは、小売をネットに集めただけの楽天から客を奪いつつある。
楽天のモデルと違いamazonでは集約されたロジスティックから規模の経済が追求できるのだ。

他方、流通の発生しない電子書籍でも、アマゾンジャパンがkindleと電子書籍を発表した。
楽天はいち早くアマゾンに先駆けて国内で電子書籍端末koboを投入したが、アマゾンの参入により大きな苦戦を強いられるだろう。

楽天はカナダのkoboを買収し子会社化したうえで電子書籍ビジネスに参入したが、ここでのビジネスモデルでもまた規模の経済が追求されるのだ。
アマゾンジャパンが発表した電子書籍端末kindleは衝撃的であった。

kindleの安いモデルは、8,480円であり、楽天のkoboの価格を上回るが、koboを買い使ってみた上での不満が払しょくされている。
e-inkによる表示は目が疲れずに本のように読めるという感覚が売りなのだが、koboではバックライトが無いため、寝っ転がって読むと暗く感じる。また寝室で電気を消して読むことは不可能だ。
また、ページめくりの反応が遅く、めくるたびに白黒反転するのも気になる。辞書を読みだすのにも時間がかかり、わずか数秒でもイライラ感じる。しかも英和辞書はいまだに搭載されていない。

本を読むにあたっては、タブレット端末でも軽ければ問題は無いと思う。アマゾンのkindleは電子書籍端末というよりはタブレット端末で、facebook、twitter、googleなどのサービスが使え、huluなどの映画を見たり、ゲームを楽しむことができるので、こちらも届くのが楽しみだ。

電子書籍のコンテンツでの課金がビジネスモデルのため端末は原価で提供しているといわれている。
そのため、HD画質のKindle Fire HDで15,800円、Kindle Fireが12,800円という非常に安価である。AppleのiPod miniよりも高機能、高画質で価格が圧倒的に安いのでAppleも苦戦を強いられるだろう。Googleのタブレットネクサス7も安く高機能で購入を考えていたが、Kindleの購入の方が良いと思っている。
もちろんこのようなコンテンツで課金し、端末は原価で配るという過去にソフトバンクがADSLの端末を無料で配ったようなビジネスモデルを展開されれば、国内のタブレット端末を作っているメーカは太刀打ちできない。

楽天のkoboはアマゾンのもつ既存の書籍情報、顧客のコメントや評価のデータベースにも太刀打ちできない。これは利用者の利便性からも圧倒的に不利である。
電子書籍の価格は大差が無いように思える。また今のところ5万冊程度と大型書店での品ぞろえよりも劣るのが現状だ。

電子書籍が買えるビジネスモデルとして自費出版もあげられる。これまで個人での書籍作成には出版に伴うコスト、流通の壁から大きな障壁があったのが電子書籍ではそれがなくなる。現状koboを利用して自費出版を展開するには、パブーから行う必要があるが、アマゾンではKindle Direct Publishing というサービスを展開している。
個人による自費出版は書籍業界に大きなインパクトをもたらすと期待している。

楽天がkoboでアマゾンに挽回するには、電子書籍の価格しかない。アマゾンの発表から電子書籍と紙媒体の書籍の価格を比較してみたが、紙媒体と比べ1割から2割だけ安いというのが主流だった。これまamazon.comで展開されている電子書籍と紙媒体の価格差からは大きな不満が残る。また、日本ではブックオフが古本を展開しているし、図書館なら無料で本が借りられる。電子書籍を普及されるためには、より価格を下げる必要があるだろう。

本は再販制度により定価販売が守られてきたが、電子書籍では価格競争が行われるべきである。
koboで安ければkoboで書籍を買うだろう。それ以外での端末でもサービスでもアマゾンには勝つにはあまりにもハードルが高すぎるのだ。

楽天は何故koboという会社が売りに出されていたのかよくよく検討したのだろうか。電子書籍業界でアマゾンに勝つ見込みがないから、楽天に売却したのではないかと思ってしまうのだが。


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