›10 02, 2012

NECは潰れるのか?

Category: 経営戦略 / 0 Comments: Post / View

始業前、空から人が落ちてきた。脳は割れ飛び散ったであろう。NEC本社ビルで社員が飛び降り自殺したのだ。
NECは抜本的な構造改革を推し進め、1万人のリストラを実施中である。

リストラの対象になる人には気の毒かもしれないが、会社にとって価値の無い中高年が多いのが大企業の特徴で、指名解雇出来ない以上、執拗に面談を行い自主的に勇退してもらうしかないのだ。

ところが、リストラの対象となる人には自覚が無い。会社に行けば給料を貰えると思っていて、当たり前のように会社にしがみつこうとする。
能力のある人から、割増退職金を貰い転職する。会社にしがみつく人は、転職可能性が無く、とりえのないゴミのような者ばかりなのだ。

NECは通信機器メーカとして、主にNTTの発展に伴い下請け的な仕事から成長し、パソコン事業である時期世界トップ企業にもなったのだが、今ではその面影はない。
グループ会社にあるものづくり企業をひたすら売却を続け、通信のソリューション事業に特化しようとした。製造業でありながら、人的資本の分野への参入は高い競争ハードルがあり、通信機器においては後進国による模倣によってコスト競争で負けている。

NECの株価は100円ちょっとという有様で、時価総額はたったの3000億で、PBRは0.5倍だ。市場はNECは永続企業としては今後も赤字を出し続け資産が劣化すると評価しているようなものだ。

NECは日本の大企業病を象徴しているようだ。あいかわらず中高年の既得権益が強く、グループ内では本社が一番権力を持っている。
稼げる人材は賃金が低い若年層に多いものの、中高年の仕事が無いにもかかわらず給与を払わなければいけないポジションやポストが多く存在している。

国際的な競争に晒されている分野においては競争力を失い、防衛や公共事業など国内需要が事業を支えているという有様だ。
リストラを断行すると鬱病発症が増え、自殺まで出るとは、会社に依存しきっていて、辞めさせられるという人生設計が無かったということだ。

これが、いつ首になるかわらないという自覚があったら、心構えも違うし、給与が上がり続けボーナスが貰えるのが当たり前というようなプランでマイホームなどの借金などしなかっただろう。

NECだけでなく電機メーカも岐路に立たされている。赤字を重ね将来潰れるのか、復活を遂げるのか。
日本での環境は厳しい。円高に加え高い賃金と解雇規制。デフレによる国内の低需要。製品に関しては、海外との競争力を失っているなかで、企業が利益を上げるには大きな構造改革が必要だ。多くの痛みが必要になるが、それが断行できなければ企業は存続して行けない。

Comments