›9 12, 2012

量的緩和ものがたり

Category: 政治経済(Political Economy) / 0 Comments: Post / View

日本の借金900兆円というが、実際には日本政府の借金である。
日本という国家で考えれば、家計の持つ資産1500兆円とおおよそ相殺される。日本政府の借金である国債は9割が国内で消化されているからだ。
そのため、借金が膨れ上がっても、日本政府は最終的に徴税として国民からの借金を帳消しにしたり、巻き上げたりすることができるので国家は破綻しない。

このことを例えると、一家の中で子供やおじいちゃんから借金をしているお父さんといったイメージだ。
しかしながら、このお父さんの浪費癖が激しいのだ。プライマリーバランスが黒字化しない。つまり収入以上に浪費してしまっている。

この家庭のおじいちゃんは貯蓄を蓄えている。郵便局や銀行にこつこつと蓄えているのだが、その金融機関はお父さんにお金を貸しこんでいる。お父さんの信用力はとても高く、いくらでもお金を貸すのだ。いや、いざとなったらお父さんがおじいちゃんの貯蓄から返済してくれると信じているのだ。

デフレによりモノをつくっても売れない状態が続いている。どの家庭も生活を切り詰めている。この家庭でいえばお母さんがつくった料理を子供たちが買ってくれないので、料理は余り、値段が下がっていく状況だ。

そこで、量的緩和だ。お父さんは子供達の小遣いが潤沢に増えたらお母さんの料理を高く買ってくれるだろうと考えた。そしたら料理が残らない。
あいにく、子供達とは絶縁状態だから郵便局や銀行にカネを供給したら子供達に届くのではないか、とお父さんは考えた。しかしお父さんは借金をしている身だ。そこで、第三者に借用書を書いてカネを金融機関に供給してもらおう。これが日銀だ。

このようにしてお父さん(日本政府)の借金は増えていくが、デフレは解消されていくだろう。そしてデフレが解消したらお母さんは儲かってもっと小遣いをせびることができるようになるだろう。借金を返すのはそれからだ。

これがハッピーなシナリオだが、その前提として子供達がお腹を空かせてお母さんの料理を高く買ってくれること、子供達が金融機関から借金をしてくれることが必要だ。
現実のストーリーもそう違いはないだろう。

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