›8 06, 2012

生活保護の方が最低賃金より得

Category: 日々雑感 / 0 Comments: Post / View

厚労省は最低賃金が生活保護(ナマポ)の給付水準(時給換算)を下回る「逆転現象」の生じている自治体が11都道府県にものぼるそうである。
このような逆転現象を看過して良いはずがない。「働かざる者、食うべからず」というが、働かない方が得をしてしまう社会では労働意欲は削がれてしまうだろう。

このような現象を解決するために、最低賃金を引き上げるべきだという主張が聞かれる。実際、欧州各国と比べ、日本の最低賃金は相対的に低いというのがその主張の前提にある。しかし、最低賃金を上げたらどうなるだろうか。

日本の産業の多くがグローバル競争に晒されている。賃金が上昇すれば価格競争力が無くなる。そのため企業はより安く労働コストを手に入れることが出来る発展途上国に工場を移すだろう。(例えば、最低賃金を1万円にしたらどうなるかを考えてみれば極端に理解できるだろう。)
元に、電機業界、自動車業界という日本を代表する産業は、熾烈な価格競争を生き延びるべく、海外に工場を移管してきた。

ここで最低賃金を上げてしまえば、さらなる国内産業空洞化に拍車をかけ、雇用機会さえ失われてしまうだろう。そうなれば、最低賃金は上がったものの、職の無い人達は結局、生活保護(ナマポ)に頼らないとけなくなる。

欧州各国の最低賃金が高くてもその代償が大きい。実際、失業率は日本と比べると遥かに高いではないか。

むしろ手厚い生活保護(ナマポ)を削減し、最低賃金を引き下げることによって雇用を産むのだ。生活保護(ナマポ)の受給費用は労働者の税金で賄っているのだから、生活保護(ナマポ)が減ればそのコストを労働者や企業は負担しなくてよくなる。
労働者が働く機会が増えれば、企業は国内で労働を増やし、海外からも企業の参入を促し、雇用にも競争原理が生まれ、労働者はより良い環境での就業機会を得ようとするだろう。


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