›6 25, 2012

リストラ映画「カンパニー・メン」

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突然のリストラで解雇されたら、どうなってしまうのだろうか。
リーマンショック米国各地で繰り広げられているダウンサイジングの嵐の中、どこにでもありそうな話だ。日本も例外ではない。1万人リストラ、従業員の3割削減など大企業がこぞってリストラを断行している。

主役のベン・アフレックは、造船業大手のエリートサラリーマンだ。高級なスーツと靴に身を包み、ポルシェを乗り回し趣味はゴルフだ。年収12万ドルで、子供2人がいて豪華な家に住んでいる。7~8000万円する家だろう。

そんな彼が突然リストラされてしまう。賃金割増しは月給の7カ月分だ。

すぐに新しい仕事が見つかるだろうと甘く考えていた彼が送り込まれたのは、会社が用意した転職支援会社で要するに民間のハローワークだ。
面接まで行くのも困難で就職は困難を極める。これまでと同じ生活を送っていたらあっという間に家計の運転資金が底をつき、家は安く売却しなければならないし、ポルシェも売った。嫁は働きに出て、本人も就職活動の合間に義兄の大工であるケヴィン・コスナーの元にしぶしぶ働きに出ることになる。

会社の役員で最初の社員であったトミー・リー・ジョーンズでさえもリストラの対象になってしまう。彼の妻は浪費家で彼は人事部の女性と不倫していたのだが、解雇された。しかし彼にはリストラで上がった株価のため失業しながらも莫大な株価の上昇による資産ができる。

クリス・クーパーもまた古株の重役だが、リストラの対象となってしまう。造船業からスタートした会社でありながら、もう米国でものづくりはできないという社長の言葉が象徴的だ。重役でありながら、彼もまた充分な貯蓄が無かった。

この映画が象徴しているのは、米国人の生活が常に右肩上がりの経済を想定していることだ。既に10年以上のデフレに苦しみ、バブル崩壊と不況をずっと経験してきている日本では、貯蓄や身の丈に合った生活というのが身に付いているが、米国人はリストラされながらも同じ生活に固執しようとしてしまう。

それでも生活を切り詰め、家を売却して実家に間借りさせてもらいながら、報酬が少なくなってしまっても仕事を探さなければならない。

リストラで失うものが多いが、家族の絆なんかを確かめる良い機会というものあるのは日本も同じなのかもしれない。


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