›2 08, 2012

ステーキガストとステーキのけんの熾烈な戦い

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昔から国道沿いにあるビフテキ屋の「いわたき」に久しぶりに入ったら、その店は「ステーキのけん」だった。
「いわたき」の看板そのままに、居抜きで内装も全く変わらなかった。

「ステーキのけん」はこの店のように、郊外沿いの撤退店舗を安値で買い取り再生させて急成長している企業である。
ファミレス冬の時代と言われて久しい外食産業で、出店コストを極力抑えた経営戦略を取っている。

「ステーキのけん」運営のエムグラントフードサービス社長の井戸実氏は若干30歳で、その戦術から「ロードサイドのハイエナ」の異名をとる。
エムグラントフードサービスの売上高は次のような驚異的な成長を実現している。
2006年 第1期 367,161,591円
2007年 第2期 1,477,481,218円
2008年 第3期 1,960,323,369円
2009年 第4期 4,822,910,251円
2010年 第5期 16,599,367,019円
2011年 第6期 22,500,000,000円

井戸氏の金髪の外観そしてブログ等での客に「二度と来んな」「死ね」「パワハラ上等」などの問題発言からバッシングを受けることもしばしばだ。
それがまた大いに話題を呼んでいる。

ビフテキが中心のメニューだが、特徴となるのは食べ放題のカレーライス、サラダバー、デザートがある。
食べざかりの若者や家族層には財布に優しく、満足行くサービスを展開しているのだ。

そんなことから、家の近くの「ステーキのけん」には数年前から定期的に通っているのだが、最近大事件が起きた。
「ステーキのけん」の近くにすかいらーくグループが「ステーキガスト」なる店舗を出店したのだ。

試しに行ってみると、最低価格の約1000円というメニューから、食べ放題のカレーライス、サラダバー、デザートまでそっくりそのまま「ステーキのけん」と同じだ。
店舗が綺麗な点が「ステーキのけん」と大違いだが、こちらも開店直後から多くの客で賑わっている。

これはすかいらーくによるステーキのけん潰しであることは明白だろう。徹底した模倣化戦略とロードサイド店舗運営。これをやられたら規模の大きな企業が優位に違いない。
かつて監獄レストランで有名となり一世を風靡した「アルカトラズ」という店がある。そこの社長の安田久氏は一気に成金となりルイビトンで身を包み、人気テレビ番組「マネーの虎」に出演した。しかし「アルカトラズ」もまた大手によるパクリ店舗『ロックアップ』の登場で衰退していくこととなった。

その後、アルカトラズの安田久氏の会社エイチワイシステムは破産し、「ノーマネーでフィニッシュ」となったのだ。


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