›7 06, 2011

割引手形と借入金

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割引手形と借入金は、資金不足、現金不足を充足するために、金融機関に利息を払って調達する資金である。
手形割引によって得た現金は、すぐに支払手形決済か経費のために使用される。手形割引によって得た現金が、そのまま留保されることはないのだ。
それによって総資金需要は減少し、資金不足は減少する。

手形割引は受け手から現金へ資産転化という現金流入過程を示す。しかし割引の実行によって企業の総資産は増加しない。逆に、借入の実行はその借り入れ分だけ企業の総資産を増加させる。
このことから、割引手形は新たな資金供給をしないが、借入金は新たな資金供給をする性質がある。

総資本を効率よく運用する立場からすれば、借入金調達よりも割引手形調達のほうが効率的である。割引手形の多いほど資金増加が無く、総資本回転率が高くなる。
受取手形のうち、いつでも割引できる手形を持ち、資金繰りに常に備えておくことが重要である。

割引手形が正当な商取引に基づかない時、それは融手割引と呼ばれ、実質上は借入金であるので資金の増加をもたらす。
企業の財務状況の判断には、割引手形と未割引手形(受取手形)および借入金の割合と現金預金との関係を見ることが重要である。

融通手形とは、決済を必要とする現実の商取引がないにもかかわらず、振り出される手形であり、ユウテと呼ばれる。融手割引によって目先の資金を解決しても、それは抜本的な資金不足の解消とはならない。

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