›5 06, 2011

客が全然来ないのに潰れないのは何故か

Category: アントレ(起業) / 0 Comments: Post / View

街中を観察すると、客が全然来ていないのに何故か営業を続けている店がある。例えばどこの町でもある光景だと思うが、時計屋、女性洋服店、美容院、電器屋、ラーメン屋など小規模の店は、大手の参入や競争激化などで客がほとんど入らない店がある。
町工場でも同様に、例えば金型屋、プレス屋など小規模な工場は、客先である大手企業の海外移転に伴い仕事がほとんど無い状況が続いている。

このような店や工場では当然のことながら赤字操業の状態が続くか、小規模であれば店主が賃金を取れないような状況に陥っているだろう。
合理的に考えると、経営を辞めて他の職を探した方が良いという風に思えてくる。

彼らは何故、そのような状況下でも事業を継続するのであろうか。

大きな問題は個人債務保証のためである。中小企業では銀行などからの融資で運転資金や設備投資を行って事業を運営しているが、その際に経営者である社長は個人債務保証を行っている。
つまり、会社を事業整理し倒産させると融資借入が返せなければ、持ち家や車などの資産や預金を失い、さらに足りなければ自己破産を行うこととなる。

また、経営者、役員は雇用保険に入っていないため次の職を見つけるまでの収入も途絶えることとなる。自営業者が債務整理を行いながら、住むところを失って仕事を見つけるのは大変な困難を伴う。
更には、連帯保証人がいる場合も多い。この場合、自分だけでなく連帯保証人にまで借入返済の要求が来るため、多大な迷惑をかけることとなる。

このような背景を考えると、客が来なくても潰れないのではなくて、潰したくても潰せない状況にあるというのが本音だろう。

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