›4 19, 2011

倒産や失敗の研究

Category: アントレ(起業) / 0 Comments: Post / View

もう10年以上前になるが八起会の野口会長の講演を聞いたことがある。
テレビにも出演されているのでご存知の方も多いかもしれない。
倒産経験があり、その経験から中小企業にアドバイスを行ったり、再生の手助けをしている。

マスコミで脚光を浴びるのは成功者であるが、失敗する人の方が圧倒的に多いのが現実だ。
そして成功事例ばかりが取り上げられ、ビジネス書になるが、成功と失敗はコインの裏と表だということを講演で聞いたのが印象に残っている。
失敗から学ぶことも多く、失敗の原因を知れば失敗を回避する方法や知恵が生まれるのではないかということだ。

失敗の原因は、経営者の慢心だったり、経営能力不足が多いといったことだったが、その時気になったのは、倒産する社長は家庭不和が多いということだった。
今でもそれは不思議に思うのだが、多くの倒産を見てきた野口氏の言葉であるからその傾向は確かなのだろう。
経営者や組織のトップという立場に無いとわからないのかもしれない。
自分がサラリーマンという立場から見てきた中ではむしろ逆だった。仕事ができる人の多くが家庭を犠牲にして離婚したり、子供の家庭内暴力などの問題など何かしら抱えていた。もちろん円満な人も多いが。
しかしよくよく考えてみると、仕事でも家庭でも悩みを抱えていたらうまくいくはずがないし、集中もできなければ熱中できないと思う。

さて、失敗の原因は分析すればそれはもう沢山ある訳だが、どうしようも無い状況もある。
技術革新が起こってしまったり、原材料の高騰だとか、主要取引先が倒産したり、そういった外部環境の変化や業界の衰退に苦しんでもがいている会社が腐るほどあるはずだ。
戦後農家が衰退し、繊維や鉱業なんかも衰退し、インターネットや情報処理技術によって事務作業なんかも激減したし、製造業も大手の海外工場移転や発展途上国による模倣品なんかで衰退しつつある。これからも少子高齢化、人口減によって存続できない業種・業態・企業がたくさん出てくると思われる。

そういった全てに備えることはできないし、業種転換も簡単には行えない。それでも経営者は頑張り続ける。
しかし野口氏のこんな言葉も強烈に残っている。

「倒産は天からのプレゼント」

失敗し、失ってから得るものも大きいそうだ。家族との時間だったり、苦悩からの開放だったり。
この言葉で救われる人も多いのだろうな。


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