›4 15, 2011

スクイーズ・アウト(株主の追い出し)

スクイーズ・アウト(Squeeze out)とは閉め出すという意味で、既存株主を追い出すという意味で使われる。
例えば、MBOがスクイーズ・アウトである。MBOは上場企業が非公開化にする手法であるが、その際に既存株主から買取請求で買い取るのが強制に近い。
少数株主は買取価格が低くてもなかなか裁判で争えない。高値でIPOして低値でMBOすること、経営陣による実施が利益相反の問題を抱えていることから究極のインサイダー取引とまで言われる。

最近はやりの親子上場廃止も同じ問題を抱えている。上場会社とその子会社の上場は利益相反の問題を抱え、子会社を高値でIPOし、株価低迷時にTOBによって再度子会社化をする。これもまたスクイーズ・アウトだ。

上場会社以外でも株主の問題を抱えている企業は多い。複数のベンチャーキャピタルの入っている企業は、投資時期、追加投資などで株価がそれぞれ大きく違い、それぞれの契約も大きく違うケースがある。経営方針と違う口うるさい少数株主を追い出したい企業は結構あるのではないだろうか。

スクイーズ・アウトは様々な方法が検討されているようである。
上場会社では、全部取得条項によって種類株との交換スキームや、非公開の会社では株主割当増資やら別会社をつくって事業を移してしまうスキームなどルールの抜け道は結構あるのかもしれない。

逆に言うと会社というのは乗っ取られる可能性も方法も沢山あるということだ。オーナーが少数株主になってしまい、他の株主が勢力を持ったり、取締役会の大多数になってしまうと会社はスクイーズ・アウトの手法を取ることができるということだ。

もちろん裁判などで争うことができるが、そこまでの労力があるのかどうか。


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