›4 13, 2011

植物工場|アグリビジネス

Category: アントレ(起業) / 0 Comments: Post / View

ここ最近、農業のビジネス化やその生産性を向上させる技術について調べていた。農業が戦後一貫して衰退産業でその従事者がずっと減少し、補助金無しでは存続も難しい産業と言われている。実際、農業従事者の高齢化は凄まじく、10年後、20年後には農業をやる人がいるのか心配になってくる。
日本では農業は労働集約型であり、海外の安価な製品との競争がなかなかできない。
現在のやり方から、大規模資本型の農業ビジネスや、生産性を向上させる技術革新を持ち込むことによって集積性の向上や付加価値の向上が期待されている。
世界の人口はこの先10年以上確実に増加し、食料品の値段は高騰すると言われている。今、農業には生産性の向上が必要なのだ。

面白いのは植物工場だ。クリーンルームに近い室内で人工照明によって栽培する方法だ。コストは増加するように思えるが、土地代の高い都心では非常に効率が良いと思う。棚に植物を植えて水と人工照明で育てる。太陽光よりも発育の良い波長で育てることにより収穫周期を向上させ、植物と照明の距離を可能な限り近づけることにより、地上と同一面積で何倍も生産することができる。残念ながら現在は植物工場で収益を上げることは困難だ。そもそも農業というビジネスで採算を上げるのが困難という問題もあるが、設備投資を償却できる野菜の販売が難しい。

養鶏場でのニワトリの産卵もそうだが、植物や動物には体内時計があり、その多くは太陽光の照射がコントロールされているようだ。養鶏場も人工照明でコントロールすることにより、産卵の周期を向上させ生産性を上げているそうだ。

このように、自然界のルールをイノベーション(技術革新)によって破壊する生産性向上というのに注目している。かといって、遺伝子操作や強力な農薬というのは恐ろしい弊害が懸念されるので、その点をコントロールするのも科学の重要な役割だ。
植物工場は害虫を入れないクリーンルームで完全な有機野菜をつくることが可能だ。しかし、その室内にいったん害虫が入ると、今度は駆除する天敵がいないため無制限に増殖されてしまう。食物連鎖を無視した、人工的な方法は管理が難しいのだ。
これまでも人類は自然に挑戦してきて、自然を支配してきた。今後もその挑戦により新しい領域が開けるのではないかと思う。

植物工場はまだ事業化がうまくいっているところは耳にしないが、希望のある事業なのでなんとか成功させて欲しい。


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