›4 01, 2011

モラルハラスメント|職場の悪い雰囲気、いじめ

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モラルハラスメント(略してモラハラ)という言葉が登場している。
モラルハラスメントとは、言葉や態度によって精神的に相手を傷つけることを指す。

かつてはセクハラ(セクシャルハラスメント)が職場の問題となった。
セクハラは性的な嫌がらせのことであり、男女雇用均等法以前はあらゆる職場で見られた行為だが、今では厳重な処罰が与えられる。
知人にも社内の女性に飲み会の席で「彼氏はいるの?」とか「Hは好きか?」などとしつこくからんで会社から厳しい処罰を与えられた者がいた。
女性のお尻や体を触るなど、現在の社会ではセクハラとみなされ厳しく処罰されるだろう。

その後、パワハラという言葉が登場した。パワーハラスメントの略語であり、職権などの権力を利用し、本来の業務の範疇を超えて人格や尊厳を侵害することにより、精神的苦痛を与えることである。
無理な残業や営業ノルマを与えたり、能力の低さを叱責することさえパワハラになる恐れがある。

セクハラもパワハラもモラルハラスメントの一部であり、より包括的な言葉として近年使われるようになってきている。
この背景には、景気悪化に伴う賃金の低下や仕事内容の高度化などによるストレス増加があるのではなかろうか。
転職する人の理由の上位には人間関係が挙げられる。職場の雰囲気が悪い、なじめない、いじめられたなど、金銭的な理由よりもむしろ人間関係というのは長時間過ごす会社にとっては重要なことだ。

どんな職場でも多かれ少なかれ、モラルハラスメントが存在するだろう。職場でなくても学校でもいじめは昔から存在した。記憶をたどると、容姿の悪い女の子が傷つく言葉をひどく浴びせられたり、貧乏でいつも同じ服を着て髪の毛のぼさぼさの子がからかわれたりしていた。登校拒否の子はクラスに1人はいて、友達を作らず何も話さない子も何人かいた。太っていてニキビだらけで勉強ができない子もからかわれていた。不良に目を付けられ、いつもシゴキを受けていた子もいた。
最近の学校でのいじめ問題はより悪質化しているようだが。

会社も学校と同様に様々な人の集まる場所で、インフォーマルな人間関係が存在する。大企業の工場のトイレでは、上司の悪口が書かれているのを目にしたことがある。最近ではネットの掲示板で社内事情が晒されていることも多い。
昔の職場の先輩で、能力不足から上司にいつも厳しく叱責されている人がいた。怒られている本人は叱責に慣れてしまい不感症になっていたが、余りにも大声で罵倒されているため、女子社員が驚いて泣き出したことがあった。大企業では無能な部下がいても上司は解雇も職場を変えさせる権利も無く、その上司もまた精神的に追い込まれていった。
これも今ではパワハラにあたるだろう。

モラハラという言葉が普及していることは、オフィス街に心療内科が増加していることと関係があると思う。
鬱病やノイローゼに至らなくても、パニック障害、自律神経失調症など、人間関係が原因で精神に異常をきたす人が確実に増えているのだろう。

被害を受ける当事者になったら?
大企業なら社内にカウンセリングを受けるサービスがあるかもしれない。しかし多くは相談することもできず、耐えるか辞めるかしかないのが現状だろう。

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