東日本を襲った大地震の時、真っ先に思い出したのが漫画「太陽の黙示録」だ。
ストーリーは、地震による東京が崩壊し津波での水没、更に地割れによる日本海峡誕生で本州が東西に分断するという今回の震災以上の国家没落規模から始まる。
日本の中枢機関の集中している首都圏が被災したことにより、日本政府は分裂し日本は事実上の分断国家となってしまう。
このような被害から数年たち、やがて被災時にはまだ子供だった若者たちが国家を動かすまでに成長していく。
読み返すと、地震と津波の描写が、今では生々しく見事に描写されていることに驚かされる。
地震の前に、希望を失いどこかへ逃げようと考えていた若者は、大地震が来ることを願っていた。全てをリセットして持たざる者、虐げられる者にも新しい人生を再スタートしたいとの願いから。しかし、そんな考えが実現してしまい、最愛の妹の消息がつかめないまま探し求める。
別の若者は、まだ子供ながら地震の混乱においても正義を忠実に実行する。そんな中、多くの人を助けることの犠牲に海でおぼれ記憶喪失となり台湾人として育てられる。
緊急事態で混乱する世界においても、信念と行動により世の中を変えていく話だ。